Excited-State Annihilation of Positronium in Cryogenic Silica Aerogel for In-Material Laser Cooling
明 石田, 難波俊雄, 大島永康, オロークブライアン, 満汐 孝治, 伊藤賢志, 兵頭俊夫, 出海 望月, 和田健, Maekawa Masaki
Abstract
本研究では、ポジトロニウム(Ps)のボース・アインシュタイン凝縮(BEC)を実現に向けた、ナノ多孔質材料中での熱化と紫外(UV)レーザーによるドップラー冷却実験を行っている。室温および8 Kの異なる温度条件下で保持したシリカエアロゲルを用い、2P状態に励起されたPsのレーザー誘起消滅を調べた。243 nmでの共鳴励起によりガンマ線放出は大きく増強される現象が観測されるが、低温条件では消滅信号が室温に比べて約50%低下した。さらに、Ps生成からレーザー励起までの遅延時間を長くすると、消滅確率は一層低下した。これらの結果は、Psの熱化が2P-Psの消滅に影響を与えることを示している。また、ナノ多孔質媒体における表面誘起2P状態崩壊モデルを支持し、励起状態Psが表面相互作用を高感度で検出するプローブとなることを示唆する。現在、凝縮に向けたPsダイナミクス最適化のため、細孔構造、表面化学、温度効果の系統的評価を進めている。