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量子コンピューターにおける量子誤り訂正と発熱

領一 山上

Published Mar 1, 2017• 0 citations
OpenAlex

Abstract

コンピューターの高速化は遺伝子解析、気象、海洋、原子力、宇宙・航空の設計やシミュレーションなどのあらゆる分野で求められており、特定の計算を高速で行える量子コンピューターの開発が期待されている。量子コンピューターとは従来の古典ビットの代わりに0 と1の両方の状態を同時に保持できる量子ビットを用いたコンピューターであり、重ね合わせの原理を用いた並列処理による高速演算が期待されている。特に超伝導を用いた超伝導量子ビットについて研究が盛んであるが、実現にあたり、課題の一つが量子ビットは環境による影響で重ね合わせ状態が壊れてしまう点にある。量子状態は複製が不可能であり、量子コンピューターは重ね合わせ状態を保持したまま演算を行うため観測することが許されない。そのため、本来誤っているかどうかを判断するべき状態について、量子回路を用いてエンタングルした状態を生成し冗長性をもたせることで、量子誤り訂正を行う。本研究では環境の影響によってエラーが発生したときの量子誤り訂正について、高温領域と低温領域に分けて考察し、熱のやりとりと量子誤り訂正との関係を明らかにすることを目的としている。その結果、3量子ビットコードを用いた場合は、|0⟩、|1⟩ 状態にエネルギー差があるとき、熱の放出を伴う低温領域では量子状態が壊れてしまい、誤り訂正を行うことが出来ないが、高温領域では誤りを検出可能であることを示した。

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日本神経回路学会誌特集「今すぐ使える量子計算!?」

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深層学習は神経科学研究・神経データ解析の至るところで使われ、今では欠かせないツールとなった。果たして量子コンピュータもいずれそうなるのだろうか?その答えを今結論することは難しい。GoogleやIBMのロードマップにおいても、誤り耐性万能量子コンピュータ(いわゆる人類の目標としている量子コンピュータ)の登場は2030年以降とされている。神経科学研究・神経データ解析に量子コンピュータを用い、その有用性を享受できるとしても、まだしばらく待たなくてはならない。それでは、昨今の量子コンピュータ開発の盛り上がりは基礎研究で閉じたものであり、今すぐ使えるものはなにもないのであろうか。 現在の量子コンピュータ研究の状況は第一次、第二次AIブームと似た状況にあると言われている。そのため、AI分野発展の歴史・経緯を教訓とし、この盛り上がりを一過性ものとして終わらせないために、いわゆる「冬の時代」を迎えないために、今あるリソースを転用し、活用していく試みがとられている。今回の特集では、その試みを「今すぐ使える量子計算」と題し、解説を行った。 上述の試みは大きく以下の3つに大別することができる。 1) 組合せ最適化問題に特化した専用機(量子イジングマシン、擬似量子イジングマシン)を用いるアプローチ 2) 量子コンピュータ・量子アルゴリズムを研究する過程で生まれた効率的な計算方法を用いるアプローチ 3) 小規模の量子コンピュータであっても、古典コンピュータと組み合わせて活用していく量子–古典ハイブリッドアプローチ 本特集の田中、後藤の記事が1) に、間島、林の記事が2) に、御手洗の記事が 3)にそれぞれ対応する。 量子コンピュータに関する書籍・記事は多くが誤り耐性万能量子コンピュータについてのものであり、本特集のようなテーマについてはこれまでにまとまったもの・体系的なものはなかった。そのため、他に類のない、ユニークな特集になったことだけは間違いない。本特集が量子コンピュータと、神経科学研究・神経データ解析という異分野同士を結ぶ初めての接点となれれば幸いである。

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ムーアの法則の限界が指摘される中,次世代の計算方式として量子計算が注目されている.その関連手法である量子アニーリングは,擬似的な実現方式を含め,数理最適化分野において実用レベルのアプリケーションが利用されている.一方,引越し業界をはじめとする物流業界でも効率化が急務となっており,移動コストおよび人件費コストの最小化は重要な課題である.このような課題に対し,量子アニーリングを用いた最適化は有効な解決策となり得る.本稿では,FixstarsAmplifyAnnealingEngineを用いて物流最適化問題を実装し,スタッフ間の相性や教育関係を考慮した配置制約に着目する.これらの制約条件の増加が最適解探索の実行時間に与える影響を評価するとともに,実行時間削減のための効率化手法を検討する.その結果,決定変数の扱いを工夫することで,追加の制約を導入することなく同等の最適化が可能となり,求解時間を短縮できることを確認した.

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現代のテクノロジーを支える機能物性は、多数の電子の相互作用によって発現する量子多体現象である。量子多体系の理解はこのような応用を考える上でも重要であるとともに、基礎科学としても人類の知のフロンティアとなっている。量子多体問題の厳密な解析は指数関数的な時間がかかるため、何かしら強力な近似手法の開発が必須となっている。 このような背景の中、量子状態を自由度の数に対して指数関数的にサイズが大きくなる膨大な「データ」と捉え、機械学習/人工ニューラルネットワークによりそのデータのパターンを抽出する試みが大きく発展してきた。研究代業者は強相関電子系に対する人工ニューラルネットワーク手法の開発において世界を牽引してきた。開発した手法に基づき、幾何学的フラストレーションのある量子スピン系においてスピンの秩序が溶けて絶対零度においてもスピンが揺らぐ量子スピン液体の解明につなげた。これら一連の成果が認められ、2022年11月の凝縮系科学賞受賞に至った。 この強力な手法をさらに強力にするためには、ブラックボックスといわれている機械学習の学理の研究が不可欠である。そのために他の強力な手法であるテンソルネットワークと比較することとした。人工ニューラルネットワークはネットワークのサイズが無限大、テンソルネットワークはボンド次元が無限大の極限で、どんな量子状態も表すことができ、互いに相補的である。まず手始めとして、厳密対角化が可能な18サイトの1次元ハイゼンベルグ模型の固有状態を人工ニューラルネットワークとテンソルネットワークで近似し、その性能を比較した。その結果、人工ニューラルネットワークは強力なテンソルネットワークと同程度の表現能力を持つことがわかった。このことによりなぜ人工ニューラルネットワーク手法が量子多体系で強力なのかの一端を明らかにすることができた。今後はこの知見をいかしより強力な手法の開発に挑む。 Understanding quantum many-body phenomena is a fundamental problem in physics. Since it is exponentially expensive to exactly analyze quantum many-body problems, it is essential to develop powerful numerical methods. For this purpose, machine learning methods have gathered much attention. Using artificial neural networks, one may be able to extract essential features of quantum correlations. We have developed a state-of-the-art machine learning method and elucidated the physics of quantum spin liquid in frustrated quantum spin systems. For these achievements, the researcher was awarded the "Condensed-Matter Science Prize" in November 2022. To make this powerful method even more powerful, it is essential to study machine learning itself, which is considered a black box. To this end, we decided to compare it to another powerful method, tensor networks. As a first step, the eigenstates of the 1D Heisenberg model on 18 spin chains were approximated by an artificial neural network and a tensor network, and their performance was compared. The results show that the artificial neural network has the same level of representational capability as the tensor network. This result reveals part of the reason why the artificial neural network method is so powerful in analyzing quantum many-body systems. In the future, we will try to develop a more powerful method based on these findings.

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量子コンピュータの開発が急速に進展している昨今、その本格的な普及が見込まれる2030年代以降のわれわれの生活や社会のあり方についての議論も活発化している。本稿では、量子コンピュータの理解に必要な基本事項に触れ、技術開発の現状や克服すべき課題について述べたうえで、今後の医学分野への応用可能性について論じる。ゲート式量子コンピュータは、その汎用性のためにさまざまな場面での活用が期待されているが、現段階では誤り訂正機能を持つ論理量子ビットを多数搭載するための技術開発が課題で、具体的な問題解決場面で活用されるには至っていない。一方、組合せ最適化問題の解決に特化した量子アニーリングマシンや、古典コンピュータ上で量子コンピュータに迫る効率で線形演算の近似解を得る量子インスパイアドアルゴリズムについては、実際の問題への適用が可能な段階に至っている。今後、こうした種々の量子コンピューティング技術をその発展に応じて段階的に組み合わせることで、たとえば効率的な創薬の支援、人工知能や機械学習を介した医療画像解析の高度化、そして患者データの高度なリアルタイム処理に基づく治療や支援の展開など、具体的な医学応用が視界に入ってくるものと思われる。

•Jul 1, 2024•0 citations
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深層学習は神経科学研究・神経データ解析の至るところで使われ、今では欠かせないツールとなった。果たして量子コンピュータもいずれそうなるのだろうか?その答えを今結論することは難しい。GoogleやIBMのロードマップにおいても、誤り耐性万能量子コンピュータ(いわゆる人類の目標としている量子コンピュータ)の登場は2030年以降とされている。神経科学研究・神経データ解析に量子コンピュータを用い、その有用性を享受できるとしても、まだしばらく待たなくてはならない。それでは、昨今の量子コンピュータ開発の盛り上がりは基礎研究で閉じたものであり、今すぐ使えるものはなにもないのであろうか。 現在の量子コンピュータ研究の状況は第一次、第二次AIブームと似た状況にあると言われている。そのため、AI分野発展の歴史・経緯を教訓とし、この盛り上がりを一過性ものとして終わらせないために、いわゆる「冬の時代」を迎えないために、今あるリソースを転用し、活用していく試みがとられている。今回の特集では、その試みを「今すぐ使える量子計算」と題し、解説を行った。 上述の試みは大きく以下の3つに大別することができる。 1) 組合せ最適化問題に特化した専用機(量子イジングマシン、擬似量子イジングマシン)を用いるアプローチ 2) 量子コンピュータ・量子アルゴリズムを研究する過程で生まれた効率的な計算方法を用いるアプローチ 3) 小規模の量子コンピュータであっても、古典コンピュータと組み合わせて活用していく量子–古典ハイブリッドアプローチ 本特集の田中、後藤の記事が1) に、間島、林の記事が2) に、御手洗の記事が 3)にそれぞれ対応する。 量子コンピュータに関する書籍・記事は多くが誤り耐性万能量子コンピュータについてのものであり、本特集のようなテーマについてはこれまでにまとまったもの・体系的なものはなかった。そのため、他に類のない、ユニークな特集になったことだけは間違いない。本特集が量子コンピュータと、神経科学研究・神経データ解析という異分野同士を結ぶ初めての接点となれれば幸いである。
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