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日本神経回路学会誌特集「今すぐ使える量子計算!?」

間島 慶

Published Jan 1, 2023• 0 citations
OpenAlex

Abstract

深層学習は神経科学研究・神経データ解析の至るところで使われ、今では欠かせないツールとなった。果たして量子コンピュータもいずれそうなるのだろうか?その答えを今結論することは難しい。GoogleやIBMのロードマップにおいても、誤り耐性万能量子コンピュータ(いわゆる人類の目標としている量子コンピュータ)の登場は2030年以降とされている。神経科学研究・神経データ解析に量子コンピュータを用い、その有用性を享受できるとしても、まだしばらく待たなくてはならない。それでは、昨今の量子コンピュータ開発の盛り上がりは基礎研究で閉じたものであり、今すぐ使えるものはなにもないのであろうか。 現在の量子コンピュータ研究の状況は第一次、第二次AIブームと似た状況にあると言われている。そのため、AI分野発展の歴史・経緯を教訓とし、この盛り上がりを一過性ものとして終わらせないために、いわゆる「冬の時代」を迎えないために、今あるリソースを転用し、活用していく試みがとられている。今回の特集では、その試みを「今すぐ使える量子計算」と題し、解説を行った。 上述の試みは大きく以下の3つに大別することができる。 1) 組合せ最適化問題に特化した専用機(量子イジングマシン、擬似量子イジングマシン)を用いるアプローチ 2) 量子コンピュータ・量子アルゴリズムを研究する過程で生まれた効率的な計算方法を用いるアプローチ 3) 小規模の量子コンピュータであっても、古典コンピュータと組み合わせて活用していく量子–古典ハイブリッドアプローチ 本特集の田中、後藤の記事が1) に、間島、林の記事が2) に、御手洗の記事が 3)にそれぞれ対応する。 量子コンピュータに関する書籍・記事は多くが誤り耐性万能量子コンピュータについてのものであり、本特集のようなテーマについてはこれまでにまとまったもの・体系的なものはなかった。そのため、他に類のない、ユニークな特集になったことだけは間違いない。本特集が量子コンピュータと、神経科学研究・神経データ解析という異分野同士を結ぶ初めての接点となれれば幸いである。

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