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人工知能を用いた量子アルゴリズムの探索

大門 俊介, 松下雄一郎

Published Dec 10, 2024• 0 citations
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Abstract

量子コンピュータの実用的計算への応用を目指して、様々な量子アルゴリズムが提案されている。しかしながら現在の不完全な量子コンピュータ上では、従来提案されてきた量子アルゴリズムの実行が困難である場合が多く、より効率的な量子アルゴリズムの発見が求められている。そこで我々は、人工知能に量子計算の大量のデータを学習させることによって、量子アルゴリズムを学習させた。構築した人工知能は、少ないデータから量子計算の規則性を見出し、未知の入力に対しても正しい量子計算手順を出力できることが明らかになった。これは、開発した人工知能が少数のデータに内在する規則性を量子アルゴリズムとして理解し、未知のデータに対しても応用しているということを示している。

Related papers

「物理現象→生命現象→心理現象」の一連のプロセスの統一的説明 : シュレーディンガー方程式をみたす波動関数の確率性の純化(2)

宗彰 池田

力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である.物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表わされる:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される.これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である.しかしこの確率化は不完全である.この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである.これが再度変化曲線を形成して再度粗視化され,跳び跳びの観測を受け確率化する.これが繰返されるプロセスで確率は純化されてゆく.これは,一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら,階層を上ってゆくプロセスであり,シュレーディンガー方程式の階層上げである.それが,物理現象→生命現象→心理現象,と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する.何となれば,粒子の因果性が確率に変換されることで,粒子に自発性・任意性が出てくる.分子が"自発的"だということは,分子が"確率的"だということと等価である.因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来,ここが生命の発生点となる.これはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する.それが更に確率化されると任意性が出てくる.ここが心理の発生点である.これはヒトの大脳新皮質の発生点に対応する.以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである.(加えて,生命現象を表現する連立差分方程式系が,粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される.また,シュレーディンガー方程式は階層上げに従い,マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である.さらにまた,上記生命モデルが,進化学の難問であるダーウィンの自然淘汰説と木村資生の分子進化の中立性との同時説明を可能にすることが示される.)

経済学季報•Sep 30, 2005•0 citations

「物理現象→生命現象→心理現象」の一連のプロセスの統一的説明 : シュレーディンガー方程式をみたす波動関数の確立性の純化(1)(侘美光彦先生追悼記念号)

宗彰 池田

力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である。物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表される:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される。これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である。しかしこの確率化は不完全である。この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである。これが繰返されるプロセスで確立は純化されてゆく。これは、一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら、階層を上ってゆくプロセスであり、シュレーディンガー方程式の階層上げである。それが、物理現象→生命現象→心理現象、と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する。何となれば、粒子の因果性が確率に変換されることで、粒子に自発性・任意性が出てくる。分子が"自発的"だということは、分子が"確率的"だということと等価である。因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来、ここが生命の発生点となる。ここはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する。それがさらに確率化されると任意性が出てくる。ここが心理の発生点である。これはヒトの大脳新皮質の発生時点に対応する。以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである。(加えて、生命現象を表現する連立差分方程式系が、粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される。又、シュレーディンガー方程式は階層上げに従い、マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である。)

経済学季報•Jan 20, 2005•0 citations

人工ゲージ場中のボース・アインシュタイン凝縮体における多体効果の理論的研究

シュンスケ フルカワ, Shunsuke Furukawa, 俊輔 古川

真空中にトラップされた冷却原子気体は、様々なパラメータを制御することのできる究極の人工量子物質であり、量子多体現象の本質を理想的な環境下で調べることのできる系である。特に近年、電気的に中性な原子気体に対して、電磁場と同等の効果を光学的に誘起する人工ゲージ場技術の発展が目覚ましい。磁場中の第二種超伝導体と同様に、人工磁場中のボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)においては量子化渦の格子が形成される。本研究では、二成分BECに平行ないし反平行に人工磁場を印加した系を考え、集団励起および量子揺らぎの効果を理論的に解析した。平均場解析のもとでは平行・反平行磁場中の系は同一の多彩な渦格子相図を示すことが知られていたが、量子揺らぎの効果を取り入れることで、相境界が特に平行磁場の場合に大きく変更されることを明らかにした。集団励起に関しては、平行・反平行磁場の場合の低エネルギー励起が、繰り込まれた相互作用を用いてリスケールすることで合致するという興味深い関係式を見出した。また、成分間の量子的絡み合いを評価し、成分間斥力(引力)のもとでは平行(反平行)磁場の場合において二成分がより強く絡み合っていることを示した。これは、より強磁場の量子ホール領域において我々が以前見出した結果と定性的に合致する。人工ゲージ場中のボース気体と類似した状況は、磁性体においても現れる。その例として、銅鉱物ボルボサイトに着目した。この物質は、異方的籠目格子上で強磁性・反強磁性相互作用が競合するフラストレート磁性体であり、多彩な磁場誘起現象が実験的に観測されている。我々は、1/3磁化プラトー相からのスピン波展開を行うことで、この物質の磁性をマグノン気体描像から理論的に解析した。Dzyaloshinskii-Moriya相互作用の効果を取り入れることで、マグノンのBloch状態がベリー曲率を獲得すること、その結果として熱伝導が曲げられる熱ホール効果が起きることを示した。 Laser-cooled atomic gasses trapped in vacuum are ideal synthetic quantum matter with a variety of tunable parameters, which allows us to explore essential features of quantum many-body phenomena. In recent years, in particular, techniques for inducing synthetic gauge fields in neutral atoms by using lasers have rapidly been developed; such techniques can mimic the effects of electromagnetic fields for charged particles. In a way similar to superconductors in type-II superconductors, a Bose-Einstein condensates (BEC) in a synthetic magnetic field exhibits a lattice of quantized vortices. In the present project, we have considered a system of two-component BECs in mutually parallel or antiparallel synthetic magnetic fields, and theoretically analyzed collective modes and effects of quantum fluctuations. Within the mean-field theory, the systems in parallel and antiparallel fields are known to exhibit the same phase diagram that consists of a variety of vortex lattices. By taking account of quantum fluctuations, we have shown that the phase boundaries shift appreciably, particularly for parallel fields. We have also shown that the low-energy spectra for parallel and antiparallel fields are related to each other by suitable rescaling using renormalized coupling constants. By calculating the intercomponent entanglement entropy, we have found that for an intercomponent repulsion (attraction), the two components are more strongly entangled in the case of parallel (antiparallel) fields. This result is in qualitative agreement with our previous results in the quantum Hall regime for high magnetic fields. A situation analogous to Bose gases in synthetic gauge fields is also found in magnetic materials. We have studied the natural mineral volborthite as an example. Volborthite is an example of a highly frustrated quantum magnet with competing ferromagnetic and antiferromagnetic interactions, and a rich variety of field-induced phenomena have been observed experimentally. We have performed a spin-wave analysis starting from the 1/3-plateau phase, and analyzed the magnetic properties on the basis of a magnon Bose gas picture. By taking account of the effects of Dyaloshinskii-Moriya interactions, we have shown that the magnon Bloch states acquire a finite Berry curvature, giving rise to a thermal Hall effect, i.e., bending of a thermal current.

•Jan 1, 2019•0 citations

機械学習/人工ニューラルネットワークを用いた量子多体系の研究

Yusuke Nomura

現代のテクノロジーを支える機能物性は、多数の電子の相互作用によって発現する量子多体現象である。量子多体系の理解はこのような応用を考える上でも重要であるとともに、基礎科学としても人類の知のフロンティアとなっている。量子多体問題の厳密な解析は指数関数的な時間がかかるため、何かしら強力な近似手法の開発が必須となっている。 このような背景の中、量子状態を自由度の数に対して指数関数的にサイズが大きくなる膨大な「データ」と捉え、機械学習/人工ニューラルネットワークによりそのデータのパターンを抽出する試みが大きく発展してきた。研究代業者は強相関電子系に対する人工ニューラルネットワーク手法の開発において世界を牽引してきた。開発した手法に基づき、幾何学的フラストレーションのある量子スピン系においてスピンの秩序が溶けて絶対零度においてもスピンが揺らぐ量子スピン液体の解明につなげた。これら一連の成果が認められ、2022年11月の凝縮系科学賞受賞に至った。 この強力な手法をさらに強力にするためには、ブラックボックスといわれている機械学習の学理の研究が不可欠である。そのために他の強力な手法であるテンソルネットワークと比較することとした。人工ニューラルネットワークはネットワークのサイズが無限大、テンソルネットワークはボンド次元が無限大の極限で、どんな量子状態も表すことができ、互いに相補的である。まず手始めとして、厳密対角化が可能な18サイトの1次元ハイゼンベルグ模型の固有状態を人工ニューラルネットワークとテンソルネットワークで近似し、その性能を比較した。その結果、人工ニューラルネットワークは強力なテンソルネットワークと同程度の表現能力を持つことがわかった。このことによりなぜ人工ニューラルネットワーク手法が量子多体系で強力なのかの一端を明らかにすることができた。今後はこの知見をいかしより強力な手法の開発に挑む。 Understanding quantum many-body phenomena is a fundamental problem in physics. Since it is exponentially expensive to exactly analyze quantum many-body problems, it is essential to develop powerful numerical methods. For this purpose, machine learning methods have gathered much attention. Using artificial neural networks, one may be able to extract essential features of quantum correlations. We have developed a state-of-the-art machine learning method and elucidated the physics of quantum spin liquid in frustrated quantum spin systems. For these achievements, the researcher was awarded the "Condensed-Matter Science Prize" in November 2022. To make this powerful method even more powerful, it is essential to study machine learning itself, which is considered a black box. To this end, we decided to compare it to another powerful method, tensor networks. As a first step, the eigenstates of the 1D Heisenberg model on 18 spin chains were approximated by an artificial neural network and a tensor network, and their performance was compared. The results show that the artificial neural network has the same level of representational capability as the tensor network. This result reveals part of the reason why the artificial neural network method is so powerful in analyzing quantum many-body systems. In the future, we will try to develop a more powerful method based on these findings.

•Jan 1, 2022•0 citations

全光学式フィードフォワードを用いた超広帯域スクイーズ操作の研究

大地 山嶋

フィー ドフォワードの技術が必要となる。そこで我々は NTT 先端集積デバイス研究所との共同研究に取 り組み、光通信で用いられる光パラメトリック増幅器と呼ばれる光デバイスを量子光学実験に応 用して、超広帯域なスクイーズド状態源の開発を行ってきた [8][9][10]

•Mar 21, 2024•0 citations

霧箱観測による結果判定の問題点(原典)

masaru morimoto

霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。

•Sep 11, 2026•0 citations
量子コンピュータの実用的計算への応用を目指して、様々な量子アルゴリズムが提案されている。しかしながら現在の不完全な量子コンピュータ上では、従来提案されてきた量子アルゴリズムの実行が困難である場合が多く、より効率的な量子アルゴリズムの発見が求められている。そこで我々は、人工知能に量子計算の大量のデータを学習させることによって、量子アルゴリズムを学習させた。構築した人工知能は、少ないデータから量子計算の規則性を見出し、未知の入力に対しても正しい量子計算手順を出力できることが明らかになった。これは、開発した人工知能が少数のデータに内在する規則性を量子アルゴリズムとして理解し、未知のデータに対しても応用しているということを示している。
力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である.物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表わされる:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される.これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である.しかしこの確率化は不完全である.この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである.これが再度変化曲線を形成して再度粗視化され,跳び跳びの観測を受け確率化する.これが繰返されるプロセスで確率は純化されてゆく.これは,一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら,階層を上ってゆくプロセスであり,シュレーディンガー方程式の階層上げである.それが,物理現象→生命現象→心理現象,と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する.何となれば,粒子の因果性が確率に変換されることで,粒子に自発性・任意性が出てくる.分子が"自発的"だということは,分子が"確率的"だということと等価である.因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来,ここが生命の発生点となる.これはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する.それが更に確率化されると任意性が出てくる.ここが心理の発生点である.これはヒトの大脳新皮質の発生点に対応する.以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである.(加えて,生命現象を表現する連立差分方程式系が,粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される.また,シュレーディンガー方程式は階層上げに従い,マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である.さらにまた,上記生命モデルが,進化学の難問であるダーウィンの自然淘汰説と木村資生の分子進化の中立性との同時説明を可能にすることが示される.)
力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である。物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表される:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される。これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である。しかしこの確率化は不完全である。この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである。これが繰返されるプロセスで確立は純化されてゆく。これは、一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら、階層を上ってゆくプロセスであり、シュレーディンガー方程式の階層上げである。それが、物理現象→生命現象→心理現象、と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する。何となれば、粒子の因果性が確率に変換されることで、粒子に自発性・任意性が出てくる。分子が"自発的"だということは、分子が"確率的"だということと等価である。因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来、ここが生命の発生点となる。ここはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する。それがさらに確率化されると任意性が出てくる。ここが心理の発生点である。これはヒトの大脳新皮質の発生時点に対応する。以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである。(加えて、生命現象を表現する連立差分方程式系が、粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される。又、シュレーディンガー方程式は階層上げに従い、マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である。)
真空中にトラップされた冷却原子気体は、様々なパラメータを制御することのできる究極の人工量子物質であり、量子多体現象の本質を理想的な環境下で調べることのできる系である。特に近年、電気的に中性な原子気体に対して、電磁場と同等の効果を光学的に誘起する人工ゲージ場技術の発展が目覚ましい。磁場中の第二種超伝導体と同様に、人工磁場中のボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)においては量子化渦の格子が形成される。本研究では、二成分BECに平行ないし反平行に人工磁場を印加した系を考え、集団励起および量子揺らぎの効果を理論的に解析した。平均場解析のもとでは平行・反平行磁場中の系は同一の多彩な渦格子相図を示すことが知られていたが、量子揺らぎの効果を取り入れることで、相境界が特に平行磁場の場合に大きく変更されることを明らかにした。集団励起に関しては、平行・反平行磁場の場合の低エネルギー励起が、繰り込まれた相互作用を用いてリスケールすることで合致するという興味深い関係式を見出した。また、成分間の量子的絡み合いを評価し、成分間斥力(引力)のもとでは平行(反平行)磁場の場合において二成分がより強く絡み合っていることを示した。これは、より強磁場の量子ホール領域において我々が以前見出した結果と定性的に合致する。人工ゲージ場中のボース気体と類似した状況は、磁性体においても現れる。その例として、銅鉱物ボルボサイトに着目した。この物質は、異方的籠目格子上で強磁性・反強磁性相互作用が競合するフラストレート磁性体であり、多彩な磁場誘起現象が実験的に観測されている。我々は、1/3磁化プラトー相からのスピン波展開を行うことで、この物質の磁性をマグノン気体描像から理論的に解析した。Dzyaloshinskii-Moriya相互作用の効果を取り入れることで、マグノンのBloch状態がベリー曲率を獲得すること、その結果として熱伝導が曲げられる熱ホール効果が起きることを示した。 Laser-cooled atomic gasses trapped in vacuum are ideal synthetic quantum matter with a variety of tunable parameters, which allows us to explore essential features of quantum many-body phenomena. In recent years, in particular, techniques for inducing synthetic gauge fields in neutral atoms by using lasers have rapidly been developed; such techniques can mimic the effects of electromagnetic fields for charged particles. In a way similar to superconductors in type-II superconductors, a Bose-Einstein condensates (BEC) in a synthetic magnetic field exhibits a lattice of quantized vortices. In the present project, we have considered a system of two-component BECs in mutually parallel or antiparallel synthetic magnetic fields, and theoretically analyzed collective modes and effects of quantum fluctuations. Within the mean-field theory, the systems in parallel and antiparallel fields are known to exhibit the same phase diagram that consists of a variety of vortex lattices. By taking account of quantum fluctuations, we have shown that the phase boundaries shift appreciably, particularly for parallel fields. We have also shown that the low-energy spectra for parallel and antiparallel fields are related to each other by suitable rescaling using renormalized coupling constants. By calculating the intercomponent entanglement entropy, we have found that for an intercomponent repulsion (attraction), the two components are more strongly entangled in the case of parallel (antiparallel) fields. This result is in qualitative agreement with our previous results in the quantum Hall regime for high magnetic fields. A situation analogous to Bose gases in synthetic gauge fields is also found in magnetic materials. We have studied the natural mineral volborthite as an example. Volborthite is an example of a highly frustrated quantum magnet with competing ferromagnetic and antiferromagnetic interactions, and a rich variety of field-induced phenomena have been observed experimentally. We have performed a spin-wave analysis starting from the 1/3-plateau phase, and analyzed the magnetic properties on the basis of a magnon Bose gas picture. By taking account of the effects of Dyaloshinskii-Moriya interactions, we have shown that the magnon Bloch states acquire a finite Berry curvature, giving rise to a thermal Hall effect, i.e., bending of a thermal current.
現代のテクノロジーを支える機能物性は、多数の電子の相互作用によって発現する量子多体現象である。量子多体系の理解はこのような応用を考える上でも重要であるとともに、基礎科学としても人類の知のフロンティアとなっている。量子多体問題の厳密な解析は指数関数的な時間がかかるため、何かしら強力な近似手法の開発が必須となっている。 このような背景の中、量子状態を自由度の数に対して指数関数的にサイズが大きくなる膨大な「データ」と捉え、機械学習/人工ニューラルネットワークによりそのデータのパターンを抽出する試みが大きく発展してきた。研究代業者は強相関電子系に対する人工ニューラルネットワーク手法の開発において世界を牽引してきた。開発した手法に基づき、幾何学的フラストレーションのある量子スピン系においてスピンの秩序が溶けて絶対零度においてもスピンが揺らぐ量子スピン液体の解明につなげた。これら一連の成果が認められ、2022年11月の凝縮系科学賞受賞に至った。 この強力な手法をさらに強力にするためには、ブラックボックスといわれている機械学習の学理の研究が不可欠である。そのために他の強力な手法であるテンソルネットワークと比較することとした。人工ニューラルネットワークはネットワークのサイズが無限大、テンソルネットワークはボンド次元が無限大の極限で、どんな量子状態も表すことができ、互いに相補的である。まず手始めとして、厳密対角化が可能な18サイトの1次元ハイゼンベルグ模型の固有状態を人工ニューラルネットワークとテンソルネットワークで近似し、その性能を比較した。その結果、人工ニューラルネットワークは強力なテンソルネットワークと同程度の表現能力を持つことがわかった。このことによりなぜ人工ニューラルネットワーク手法が量子多体系で強力なのかの一端を明らかにすることができた。今後はこの知見をいかしより強力な手法の開発に挑む。 Understanding quantum many-body phenomena is a fundamental problem in physics. Since it is exponentially expensive to exactly analyze quantum many-body problems, it is essential to develop powerful numerical methods. For this purpose, machine learning methods have gathered much attention. Using artificial neural networks, one may be able to extract essential features of quantum correlations. We have developed a state-of-the-art machine learning method and elucidated the physics of quantum spin liquid in frustrated quantum spin systems. For these achievements, the researcher was awarded the "Condensed-Matter Science Prize" in November 2022. To make this powerful method even more powerful, it is essential to study machine learning itself, which is considered a black box. To this end, we decided to compare it to another powerful method, tensor networks. As a first step, the eigenstates of the 1D Heisenberg model on 18 spin chains were approximated by an artificial neural network and a tensor network, and their performance was compared. The results show that the artificial neural network has the same level of representational capability as the tensor network. This result reveals part of the reason why the artificial neural network method is so powerful in analyzing quantum many-body systems. In the future, we will try to develop a more powerful method based on these findings.
霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。