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全光的手法によるダイヤモンド中の鉛-空孔センターのスピン特性評価

陳溢暘, 平井紅陽, ネオ ジー ゼン, 太田英岐, Takashi Taniguchi, 宮川 仁, 忍 小野田, 牧野 俊晴, 波多野睦子, 岩﨑 孝之

Published Sep 10, 2026• 0 citations
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Abstract

ダイヤモンド中の鉛空孔センター(PbV)は10 K以上でも物理限界の自然幅を示すため、量子ネットワークへの応用が期待されている。しかし、PbVセンターのスピン特性は未だに解明されていない。本研究では、全光的な手法により、PbVセンターのスピン初期化・読み出し、スピンライフタイム(T1)およびCoherent population trapping (CPT)によるSpin dephasing time (T2*)の評価を行った結果ついて報告する。

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ダイヤモンド中の鉛-空孔センターにおけるシュタルク効果による波長制御

千田淳貴, 陳溢暘, 宮川仁 +5 more

量子通信は量子もつれを利用した通信手法であり、光子を一つずつ放出する量子 光源が必要となる。ダイヤモンド中の IV 族-空孔センターは、反転対称構造を有 し、高いスペクトル安定性[1]を併せ持つことから、量子光源の有力な候補とされて いる。その中でも鉛-空孔(PbV)センター[2]は、他の IV 族-空孔センターと比較し て 10 K 以上でも限界線幅を維持できる高い光学コヒーレンス性を示す点で注目さ れている[3]。 量子通信の基盤である量子もつれを生成するには、波長、線幅および偏光の一致 した区別不可能な光子を生成することが極めて重要である。本研究では、特に波長 の一致を実現することを目的として、PbV センターに電界を印加することで波長を 能動的に制御可能なシュタルク効果[4,5]に着目した。これまで PbV センターにおけ るシュタルク効果は報告されておらず、本研究では限界線幅に近い線幅を保持した 状態におけるスペクトルチューニングの結果を報告する。

•Nov 14, 2025•0 citations

ダイヤモンド中の鉛-空孔センターからの同一光子生成

阿部椋太郎, Peng Wang, Takashi Taniguchi +3 more

ダイヤモンド中の鉛―空孔(PbV)センターはその優れた光学・スピン特性から量子ネットワーク中のノードとして期待されている。PbVから放出される区別できない同一光子を用いた2光子干渉を観測するためには狭い不均一分布およびPbVの電荷安定性が不可欠である。本研究では、異なるアニール温度で形成したPbVの不均一分布および電荷安定性を調べ、複数のPbVから同一光子を観測することに成功した。

•Sep 20, 2024•0 citations

Coherent Dark State Formation of a Lead-Vacancy Spin Qubit in Diamond

Yiyang Chen, Koyo Hirai, Tzyy Zheng Neo +7 more

A lead-vacancy (PbV) center in diamond exhibits coherent emission above the liquid helium temperature, making it highly attractive for quantum network applications. Here, we report the magneto-optical and spin properties of PbV centers in diamond. We record a spin lifetime of 12 ms at 7.5 K under large off-axis magnetic field. Furthermore, we observe formation of the coherent dark state by coherent population trapping and estimate a spin dephasing time of 177 ns at 6.5 K. This work demonstrates the outstanding thermal robustness of the PbV spin compared to other group-IV centers above 4 K.

quant-pharXiv:2605.27841•May 28, 2026•0 citations

駆動電流変調によるRamsey-CPT共鳴のライトシフト特性

ダイスケ ハラグチ, 大輔 原口

Coherent Population Trapping (CPT) 共鳴を利用した原子時計は、小型 ・低消費電力動作でありながら水晶振動子よりも高い周波数安定度を持ち、次世代の小型周波数基準として注目されている。周波数安定度を大幅に改善させる方法の一つに、レーザ光をパルス化し、 Ramsey CPT 共鳴を観測するパルス励起法がある。パルス励起法では共鳴線幅・コントラストの改善により短期安定度特性が向上するだけでなく、ライトシフト(レーザ光強度の変動による中心周波数のシフト)を抑制することから、長期安定度特性の改善も可能である。しかし、レーザ光のパルス化に音響光学変調装置 (AOM) を必要とすることから、超小型原子時計 (Chip Scale Atomic Clock; CSAC) への適用は困難とされてきた。本研究室では、レーザ光源である VCSEL の駆動電流をパルス化させることでパルス励起を行う手法を提案し、 Ramsey CPT 共鳴の観測に成功した。提案法では AOM を使用せず、 CSAC の装置構成をそのまま用いることができ、小型・低消費電力を保ちながら周波数安定度の向上が可能である。しかし、これまでの観測方法では観測時にレーザ波長の変動が生じることから、ライトシフトの計測が困難であり、長期安定度に関する考察を行う ことができなかった。本研究では、駆動電流変調により観測した Ramsey CPT 共鳴のライトシフト特性を評価することを目的とし、観測システムの改善を行った。これまでのサンプル・ホールド回路を用いたシステムでは、特定の波長の透過光量を取得することが困難であった。本研究では、デジタイザーを用いて吸収線のピーク値を取得できるよう観測システムを変更した。吸収線のピーク値が現れる波長は一定であるため、これにより特定の波長の透過光量を取得することができ、正確なライトシフトの計測ができる。加えて、実験装置の制御プログラ ムを改善した。これまでの制御プログラムでは、各種パラメータを変更するために、その都度プログラム自体の書き換えが必要であった。ライトシフト測定のためにレーザ光量を大幅に変化させた場合、ロックイン制御などのパラメータの変更が必要となる。そのため、各種パラメータの変更が容易となるような制御プログラムを新たに作成した。ライトシフトを求めるために必要な共鳴中心周波数は、測定データにカーブフィッティングを行い、近似曲線の最大値を求めることで算出した。これにより実測値から得た中心周波数と、各種設定値から算出した理論値を比 較することで、正確にライトシフトが測定できていることを確認できた。結果として、駆動電流変調によるパルス励起では、連続励起の場合と比較して 41 倍と大幅なライトシフト抑制が可能となることが明らかとなった。また、理論値との比較から、駆動電流変調によるパルス励起では、 AOM を用いたパルス励起でライトシフトを悪化させる要因であるレーザ入射から観測までの時間の影響をほとんど受けないということが分かった。このことから駆動電流変調により、長期安定度の大幅な改善が可能となる。本論文は全5章で構成されている。第1 章は序論 である。本研究における背景 を示し、目的を明らかにする。第2章は CPT共鳴 を利用した原子時計に関する内容である。 CPT共鳴の原理と周波数安定度の支配的要因について説明 し、さらに本研究で考察の対象となるライトシフトについて詳述する。第3章は VCSEL 駆動電流変調について述べる。 AOM を用いずに RamseyCPT 共鳴を観測するための原理と、実験装置構成を説明する。駆動電流変調ではレーザの出力波長が生じるため、波長変動の推定方法も説明する。またこれまでのサンプル・ホールド回路を用いた吸収線観測で生じる問題点について述べ、解決策として吸収線のピーク値を取得する吸収線観測方法を提案する。第4章は駆動電流変調による Ramsey CPT 共鳴の観測結果である。初めに新たな観測方法により得た吸収線から、短期安定度に寄与する共鳴線幅とコントラストを求め、連続励起による CPT 共鳴と比較し短期安定度の性能が改善されていることを確認する。続いてライトシフトの測定結果を示す。数値計算で求めた値と比較することで観測結果の有効性を確認し、駆動電流変調によりライトシフト特性が向上することを示す。第5章は結論である。実験により得られた知見をまとめ、本研究の有効性を確認し、今後の展望について述べる。

•Mar 25, 2019•0 citations

Complete Determination ofRelaxation Parameters FromTwo‐Dimensional RamanSpectroscopy

Vladimir Chernyak, Andrei Piryatinski, Shaul Mukamel

Using the model of a weakly‐anharmonic, underdamped oscillator coupled to a bath, we demonstrate that the 2D time‐resolved Raman signal carries information about the population decay T1, the homogeneous dephasing T2, and the inhomogeneous dephasing T1 relaxation timescales. We distinguish between two projections of the 2D signal: first, the echo signal, which is stretched in the diagonal direction decays with T2, and the second which is stretched along one axis is related to the population relaxation and decays with T1. The width of both signals reflects T1. Equations of motion for vibrational coherence and population variables are employed in these calculations.

Laser Chemistry•Jan 1, 1999•11 citations

ダイヤモンド中の単一の鉛-空孔センターを用いた二光子干渉実験

太田英岐, 平井紅陽, 陳溢暘 +7 more

現在、原理的に盗聴が不可能とされる量子通信の研究が進められている[1]。 量子通信では主に、光子などの量子状態を量子もつれを用いて伝送するという 手法をとり[2]、その光源としてダイヤモンド中のⅣ族元素と空孔の欠陥構造で あるⅣ族-空孔センターが注目されている。その中でも鉛-空孔(PbV)センター は 10 K 以上でフーリエ限界線幅が得られ[3]、9 K 程度でミリ秒のスピンコヒー レンス時間が期待できる[4]。量子もつれの生成に用いる光子は区別不可能と呼 ばれる波長・線幅・偏光の一致した光子である必要があり、量子通信の実現にお いて重要な要素となる。区別不可能性の検証実験として Hong-Ou-Mandel(HOM) 干渉実験があるが、これまで PbV センターを用いて確認された例はない。そこ で本実験では、最初の段階としてひとつの PbV センターを用いての HOM 干渉 実験を行い、その区別不可能性を実証した。

•Nov 14, 2025•0 citations
ダイヤモンド中の鉛空孔センター(PbV)は10 K以上でも物理限界の自然幅を示すため、量子ネットワークへの応用が期待されている。しかし、PbVセンターのスピン特性は未だに解明されていない。本研究では、全光的な手法により、PbVセンターのスピン初期化・読み出し、スピンライフタイム(T1)およびCoherent population trapping (CPT)によるSpin dephasing time (T2*)の評価を行った結果ついて報告する。
量子通信は量子もつれを利用した通信手法であり、光子を一つずつ放出する量子 光源が必要となる。ダイヤモンド中の IV 族-空孔センターは、反転対称構造を有 し、高いスペクトル安定性[1]を併せ持つことから、量子光源の有力な候補とされて いる。その中でも鉛-空孔(PbV)センター[2]は、他の IV 族-空孔センターと比較し て 10 K 以上でも限界線幅を維持できる高い光学コヒーレンス性を示す点で注目さ れている[3]。 量子通信の基盤である量子もつれを生成するには、波長、線幅および偏光の一致 した区別不可能な光子を生成することが極めて重要である。本研究では、特に波長 の一致を実現することを目的として、PbV センターに電界を印加することで波長を 能動的に制御可能なシュタルク効果[4,5]に着目した。これまで PbV センターにおけ るシュタルク効果は報告されておらず、本研究では限界線幅に近い線幅を保持した 状態におけるスペクトルチューニングの結果を報告する。
ダイヤモンド中の鉛―空孔(PbV)センターはその優れた光学・スピン特性から量子ネットワーク中のノードとして期待されている。PbVから放出される区別できない同一光子を用いた2光子干渉を観測するためには狭い不均一分布およびPbVの電荷安定性が不可欠である。本研究では、異なるアニール温度で形成したPbVの不均一分布および電荷安定性を調べ、複数のPbVから同一光子を観測することに成功した。
A lead-vacancy (PbV) center in diamond exhibits coherent emission above the liquid helium temperature, making it highly attractive for quantum network applications. Here, we report the magneto-optical and spin properties of PbV centers in diamond. We record a spin lifetime of 12 ms at 7.5 K under large off-axis magnetic field. Furthermore, we observe formation of the coherent dark state by coherent population trapping and estimate a spin dephasing time of 177 ns at 6.5 K. This work demonstrates the outstanding thermal robustness of the PbV spin compared to other group-IV centers above 4 K.
Coherent Population Trapping (CPT) 共鳴を利用した原子時計は、小型 ・低消費電力動作でありながら水晶振動子よりも高い周波数安定度を持ち、次世代の小型周波数基準として注目されている。周波数安定度を大幅に改善させる方法の一つに、レーザ光をパルス化し、 Ramsey CPT 共鳴を観測するパルス励起法がある。パルス励起法では共鳴線幅・コントラストの改善により短期安定度特性が向上するだけでなく、ライトシフト(レーザ光強度の変動による中心周波数のシフト)を抑制することから、長期安定度特性の改善も可能である。しかし、レーザ光のパルス化に音響光学変調装置 (AOM) を必要とすることから、超小型原子時計 (Chip Scale Atomic Clock; CSAC) への適用は困難とされてきた。本研究室では、レーザ光源である VCSEL の駆動電流をパルス化させることでパルス励起を行う手法を提案し、 Ramsey CPT 共鳴の観測に成功した。提案法では AOM を使用せず、 CSAC の装置構成をそのまま用いることができ、小型・低消費電力を保ちながら周波数安定度の向上が可能である。しかし、これまでの観測方法では観測時にレーザ波長の変動が生じることから、ライトシフトの計測が困難であり、長期安定度に関する考察を行う ことができなかった。本研究では、駆動電流変調により観測した Ramsey CPT 共鳴のライトシフト特性を評価することを目的とし、観測システムの改善を行った。これまでのサンプル・ホールド回路を用いたシステムでは、特定の波長の透過光量を取得することが困難であった。本研究では、デジタイザーを用いて吸収線のピーク値を取得できるよう観測システムを変更した。吸収線のピーク値が現れる波長は一定であるため、これにより特定の波長の透過光量を取得することができ、正確なライトシフトの計測ができる。加えて、実験装置の制御プログラ ムを改善した。これまでの制御プログラムでは、各種パラメータを変更するために、その都度プログラム自体の書き換えが必要であった。ライトシフト測定のためにレーザ光量を大幅に変化させた場合、ロックイン制御などのパラメータの変更が必要となる。そのため、各種パラメータの変更が容易となるような制御プログラムを新たに作成した。ライトシフトを求めるために必要な共鳴中心周波数は、測定データにカーブフィッティングを行い、近似曲線の最大値を求めることで算出した。これにより実測値から得た中心周波数と、各種設定値から算出した理論値を比 較することで、正確にライトシフトが測定できていることを確認できた。結果として、駆動電流変調によるパルス励起では、連続励起の場合と比較して 41 倍と大幅なライトシフト抑制が可能となることが明らかとなった。また、理論値との比較から、駆動電流変調によるパルス励起では、 AOM を用いたパルス励起でライトシフトを悪化させる要因であるレーザ入射から観測までの時間の影響をほとんど受けないということが分かった。このことから駆動電流変調により、長期安定度の大幅な改善が可能となる。本論文は全5章で構成されている。第1 章は序論 である。本研究における背景 を示し、目的を明らかにする。第2章は CPT共鳴 を利用した原子時計に関する内容である。 CPT共鳴の原理と周波数安定度の支配的要因について説明 し、さらに本研究で考察の対象となるライトシフトについて詳述する。第3章は VCSEL 駆動電流変調について述べる。 AOM を用いずに RamseyCPT 共鳴を観測するための原理と、実験装置構成を説明する。駆動電流変調ではレーザの出力波長が生じるため、波長変動の推定方法も説明する。またこれまでのサンプル・ホールド回路を用いた吸収線観測で生じる問題点について述べ、解決策として吸収線のピーク値を取得する吸収線観測方法を提案する。第4章は駆動電流変調による Ramsey CPT 共鳴の観測結果である。初めに新たな観測方法により得た吸収線から、短期安定度に寄与する共鳴線幅とコントラストを求め、連続励起による CPT 共鳴と比較し短期安定度の性能が改善されていることを確認する。続いてライトシフトの測定結果を示す。数値計算で求めた値と比較することで観測結果の有効性を確認し、駆動電流変調によりライトシフト特性が向上することを示す。第5章は結論である。実験により得られた知見をまとめ、本研究の有効性を確認し、今後の展望について述べる。
Using the model of a weakly‐anharmonic, underdamped oscillator coupled to a bath, we demonstrate that the 2D time‐resolved Raman signal carries information about the population decay T1, the homogeneous dephasing T2, and the inhomogeneous dephasing T1 relaxation timescales. We distinguish between two projections of the 2D signal: first, the echo signal, which is stretched in the diagonal direction decays with T2, and the second which is stretched along one axis is related to the population relaxation and decays with T1. The width of both signals reflects T1. Equations of motion for vibrational coherence and population variables are employed in these calculations.
現在、原理的に盗聴が不可能とされる量子通信の研究が進められている[1]。 量子通信では主に、光子などの量子状態を量子もつれを用いて伝送するという 手法をとり[2]、その光源としてダイヤモンド中のⅣ族元素と空孔の欠陥構造で あるⅣ族-空孔センターが注目されている。その中でも鉛-空孔(PbV)センター は 10 K 以上でフーリエ限界線幅が得られ[3]、9 K 程度でミリ秒のスピンコヒー レンス時間が期待できる[4]。量子もつれの生成に用いる光子は区別不可能と呼 ばれる波長・線幅・偏光の一致した光子である必要があり、量子通信の実現にお いて重要な要素となる。区別不可能性の検証実験として Hong-Ou-Mandel(HOM) 干渉実験があるが、これまで PbV センターを用いて確認された例はない。そこ で本実験では、最初の段階としてひとつの PbV センターを用いての HOM 干渉 実験を行い、その区別不可能性を実証した。