ダイヤモンド中の鉛-空孔センターにおけるシュタルク効果による波長制御
千田淳貴, 陳溢暘, 宮川仁, 谷口尚, 忍 小野田, 牧野 俊晴, 波多野睦子, 岩﨑 孝之
Abstract
量子通信は量子もつれを利用した通信手法であり、光子を一つずつ放出する量子 光源が必要となる。ダイヤモンド中の IV 族-空孔センターは、反転対称構造を有 し、高いスペクトル安定性[1]を併せ持つことから、量子光源の有力な候補とされて いる。その中でも鉛-空孔(PbV)センター[2]は、他の IV 族-空孔センターと比較し て 10 K 以上でも限界線幅を維持できる高い光学コヒーレンス性を示す点で注目さ れている[3]。 量子通信の基盤である量子もつれを生成するには、波長、線幅および偏光の一致 した区別不可能な光子を生成することが極めて重要である。本研究では、特に波長 の一致を実現することを目的として、PbV センターに電界を印加することで波長を 能動的に制御可能なシュタルク効果[4,5]に着目した。これまで PbV センターにおけ るシュタルク効果は報告されておらず、本研究では限界線幅に近い線幅を保持した 状態におけるスペクトルチューニングの結果を報告する。