多体量子流体力学における射影運動量力学の応力ゲージ不変性と商空間構造
Kawaguchi Masanori
Abstract
本稿では、多粒子量子流体力学(Many-Particle Quantum Hydrodynamics: MPQHD)における応力テンソルの表現自由度と、Mori–Zwanzig射影演算子法によって得られる記憶核との関係を解析する。 特に、応力テンソルの表現を変更した場合に、射影された運動量力が不変となるための必要十分条件を示し、この条件に基づいて応力テンソルの同値関係を導入する。さらに、対応する商空間を構成し、第一同型定理を用いて、応力テンソルの同値類と射影力の像空間との関係を明らかにする。 また、Wyatt型およびKuzmenkov型の量子応力テンソルをこの枠組みで整理し、同一の射影運動量力を与える応力表現が、同一のMori–Zwanzig記憶核を生成することを示す。 さらに、Bohm–Madelung表示における多体量子ポテンシャル、量子力、量子応力と本理論との関係を明示し、 Bohm量子ポテンシャル → 量子応力 → 全応力 → 射影力 → 記憶核 という理論的接続を論じる。 本稿の中心的主張は、応力テンソルそのものではなく、Mori射影によって定義される同値類が輸送ダイナミクスにおける本質的対象であるという点にある。この枠組みは、一般化流体力学、非局所輸送、量子流体力学、Mori–Zwanzig記憶核、およびBohm型多体相関の研究に対する基礎的な数理構造を与える。 本稿はプレプリントであり、現時点では査読を受けていない。