電子線照射生成 NV センターによる ダイヤモンド光学フォノン場強度の増幅
Takuto Ichikawa, 蔭浦 泰資, 忍 小野田, 長谷 宗明
Abstract
ダイヤモンド中の窒素空孔(NV)センターは、大きな(約 5.5 eV)バンドギャップ 内の深い位置に安定したスピン準位を有しており、準位の読出しによる量子センサ や量子ビットへの応用が期待されている材料である。量子センサに関しては、原理 的には、準位が電場、磁場、温度場、歪場によってシフトすることに基づいており、 外場との相互作用の形式について基礎物理を理解することは重要である。歪場との 相互作用については、従来は機械的共振器などを使用して実施されており、量子系 操作の自由度拡張による量子センシングや量子情報科学への貢献が期待されている。 一方で、我々は、高強度光電場による非線形光学効果を介したコヒーレントな光学 フォノン場(周波数~40 THz)により生じる過渡的な歪場(緩和時定数~7 ps)に注目し、 これまでに NV センターを起源とする非線形分極の寄与によるダイヤモンド中の光 学フォノン場の増強について報告している。[1]本研究では、その増強効果の詳細の 解明を目指して、電子線照射により生成された NV センターを含むダイヤモンドに ついて光学フォノンを計測した結果について報告する。