研究年報
新たなる認識論理の構築(17)意識論(2)認識論から見た相対性理論と量子力学
啓司 鈴木
Abstract
本論は「新たなる認識論理の構築」シリーズの17篇目に当たり,前篇「意識論Ⅰ」(数学篇)に次ぐ,「意識論Ⅱ」(物理学篇)を成す。「モノそのものであるコト」を表現せんとする新物質主義,内的唯物論の立場から,前篇に続くテーマ,「意識=時間」を相対性理論と量子力学から説き起こす。とはいえ,それらの理論に意識を還元しようとする外的唯物論を展開するわけではもちろんない。むしろ,それらの理論が意識構造を反映したものであることを最終的に訴えんとする。それは外部を語りつつ内部,内部を語りつつ外部に至るというような,たとえればクラインの壺様構造を持った実体である。そうしたわれわれの意識=「モノそのものであるコト」を,かねてより提出してきた2 視点モデルで解説する。結局,従来の物理理論はそれの1 視点ヴァージョンなのであり,それらが抱えるアポリアもそうした“不自然な”還元行為に由来するのである。