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研究年報

新たなる認識論理の構築(17)意識論(2)認識論から見た相対性理論と量子力学

啓司 鈴木

Published Jan 1, 2020• 0 citations
OpenAlex

Abstract

本論は「新たなる認識論理の構築」シリーズの17篇目に当たり,前篇「意識論Ⅰ」(数学篇)に次ぐ,「意識論Ⅱ」(物理学篇)を成す。「モノそのものであるコト」を表現せんとする新物質主義,内的唯物論の立場から,前篇に続くテーマ,「意識=時間」を相対性理論と量子力学から説き起こす。とはいえ,それらの理論に意識を還元しようとする外的唯物論を展開するわけではもちろんない。むしろ,それらの理論が意識構造を反映したものであることを最終的に訴えんとする。それは外部を語りつつ内部,内部を語りつつ外部に至るというような,たとえればクラインの壺様構造を持った実体である。そうしたわれわれの意識=「モノそのものであるコト」を,かねてより提出してきた2 視点モデルで解説する。結局,従来の物理理論はそれの1 視点ヴァージョンなのであり,それらが抱えるアポリアもそうした“不自然な”還元行為に由来するのである。

Related papers

Building a new epistemic logic 20 : Aporia of quantum mechanics

啓司 鈴木

「新たなる認識論理の構築」シリーズの第20篇である。前回の「集合論のアポリア」に続き,今回は量子力学のアポリアを取り上げる。1視点古典的世界像の問題を2視点認識構造から見る筆者の視点は,ここでも一貫している。量子力学におけるアポリアは,そこに垣間見える2視点認識構造をあくまで古典物理1視点モデルで解釈しようとするところに根差している。観測問題,シュレディンガーの猫,EPRパラドクスしかりである。それらをより認識論の視点から見ることで,アポリア解決への新たな地平が開けてくる。観測で決定されるのは対象の状態ではなく,観測者の立ち位置(内部状態)である。それは,「モノそのものであるコト」を記述する言語の必要性をやはり要請してくるのである。

•Jan 31, 2023•0 citations

霧箱観測による結果判定の問題点(原典)

masaru morimoto

霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。

•Sep 11, 2026•0 citations

新たなる認識論理の構築(7)観測問題の新認識論的解釈 (故村瀬豊教授追悼号)

啓司 鈴木

•Jan 1, 2012•0 citations

確率的対数領域計算による確率行列のスペクトルギャップ増幅

Kensuke Suzuki

近年,量子計算機の研究開発が盛んに行われており,量子計算量クラスに関する理論的な研究も活発に行われている.量子計算機は古典計算機に比べ高速に計算できることが期待されており,すでに実装可能な量子計算機がスーパーコンピュータを上回る性能に達しているという研究結果も存在する[3].しかし現在実装可能な量子計算機は古典計算機に比べ扱えるビット数が少ないため,量子領域計算クラスに関する困難性を明らかにすることは重要な課題となっている. また量子計算機はすべての問題において古典計算機より高速に計算できるわけではない.量子ビットは古典ビットに比べ少ない量で多くの情報を保持することが可能だが,保持した情報を一つずつ取り出すといった操作は得意ではない.こういった性質から,量子計算機では行列演算など複数の情報を用いた演算を古典計算機より少ないステップで行い,その結果を出力するという問題に強く,実際に行列に関する様々な問題の量子アルゴリズムが考案されている.こういった量子計算量クラスに関する様々な研究成果が出る中で,古典計算量クラスとの関係性を明らかにすることは量子計算機を活用するうえで重要な指標となる.現在行列問題における古典計算量クラスと量子計算量クラスの違いとして,扱えることのできる行列の種類や,近似を行う際の精度といったことが予想されている. このような背景より,古典における領域複雑性と行列問題の精度の観点から,Doron らの研究[6] に注目した.Doron らは確率行列の第二固有値を判定する問題について,逆多項式の精度を要求する場合はBPL 完全であることを示した.しかし彼らの研究において,より簡単な問題である定数精度を要求する第二固有値問題がどれほど困難かについては議論されておらず,定数精度と逆多項式精度の第二固有値問題における困難性が同等かは不明である.そこで本研究では逆多項式精度の第二固有値問題を定数精度に確率的対数領域計算で帰着させることで,定数精度と逆多項式精度の第二固有値問題が確率的対数領域計算において同等の困難性を持つことを示そうと試みた.結果として確率的対数領域計算が可能な状況では,定数精度の第二固有値問題が一部の逆多項式精度の問題より困難であることを示した.

•Mar 1, 2023•0 citations

特集2 : 研究解説 : 量子細線の電気抵抗の温度依存性 : 朝永・ラティンジャー液体の不純物散乱

秀敏 福山, 良演 白崎, 浩 河野

1次元電子系においては相互作用が本質的な役割を果し,フェルミ液体は安定ではなく朝永・ラティンジャー液体となることが理論的に明らかにされてから久しい.最近の微細構造作成技術の進歩はこの理論的知見を現実の系において検討し新しい可能性を探求することを可能にした1).本稿ではこの1次元電子系の多体効果の問題を電気抵抗の温度依存性という観点から調べる.

生産研究•Feb 1, 1993•0 citations

量子モナド論を理解するための三つの視点 : システム,意識,脳(第24回生命情報科学シンポジウム)

照明 中込

Journal of International Society of Life Information Science•Sep 1, 2007•0 citations
本論は「新たなる認識論理の構築」シリーズの17篇目に当たり,前篇「意識論Ⅰ」(数学篇)に次ぐ,「意識論Ⅱ」(物理学篇)を成す。「モノそのものであるコト」を表現せんとする新物質主義,内的唯物論の立場から,前篇に続くテーマ,「意識=時間」を相対性理論と量子力学から説き起こす。とはいえ,それらの理論に意識を還元しようとする外的唯物論を展開するわけではもちろんない。むしろ,それらの理論が意識構造を反映したものであることを最終的に訴えんとする。それは外部を語りつつ内部,内部を語りつつ外部に至るというような,たとえればクラインの壺様構造を持った実体である。そうしたわれわれの意識=「モノそのものであるコト」を,かねてより提出してきた2 視点モデルで解説する。結局,従来の物理理論はそれの1 視点ヴァージョンなのであり,それらが抱えるアポリアもそうした“不自然な”還元行為に由来するのである。
「新たなる認識論理の構築」シリーズの第20篇である。前回の「集合論のアポリア」に続き,今回は量子力学のアポリアを取り上げる。1視点古典的世界像の問題を2視点認識構造から見る筆者の視点は,ここでも一貫している。量子力学におけるアポリアは,そこに垣間見える2視点認識構造をあくまで古典物理1視点モデルで解釈しようとするところに根差している。観測問題,シュレディンガーの猫,EPRパラドクスしかりである。それらをより認識論の視点から見ることで,アポリア解決への新たな地平が開けてくる。観測で決定されるのは対象の状態ではなく,観測者の立ち位置(内部状態)である。それは,「モノそのものであるコト」を記述する言語の必要性をやはり要請してくるのである。
霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。
近年,量子計算機の研究開発が盛んに行われており,量子計算量クラスに関する理論的な研究も活発に行われている.量子計算機は古典計算機に比べ高速に計算できることが期待されており,すでに実装可能な量子計算機がスーパーコンピュータを上回る性能に達しているという研究結果も存在する[3].しかし現在実装可能な量子計算機は古典計算機に比べ扱えるビット数が少ないため,量子領域計算クラスに関する困難性を明らかにすることは重要な課題となっている. また量子計算機はすべての問題において古典計算機より高速に計算できるわけではない.量子ビットは古典ビットに比べ少ない量で多くの情報を保持することが可能だが,保持した情報を一つずつ取り出すといった操作は得意ではない.こういった性質から,量子計算機では行列演算など複数の情報を用いた演算を古典計算機より少ないステップで行い,その結果を出力するという問題に強く,実際に行列に関する様々な問題の量子アルゴリズムが考案されている.こういった量子計算量クラスに関する様々な研究成果が出る中で,古典計算量クラスとの関係性を明らかにすることは量子計算機を活用するうえで重要な指標となる.現在行列問題における古典計算量クラスと量子計算量クラスの違いとして,扱えることのできる行列の種類や,近似を行う際の精度といったことが予想されている. このような背景より,古典における領域複雑性と行列問題の精度の観点から,Doron らの研究[6] に注目した.Doron らは確率行列の第二固有値を判定する問題について,逆多項式の精度を要求する場合はBPL 完全であることを示した.しかし彼らの研究において,より簡単な問題である定数精度を要求する第二固有値問題がどれほど困難かについては議論されておらず,定数精度と逆多項式精度の第二固有値問題における困難性が同等かは不明である.そこで本研究では逆多項式精度の第二固有値問題を定数精度に確率的対数領域計算で帰着させることで,定数精度と逆多項式精度の第二固有値問題が確率的対数領域計算において同等の困難性を持つことを示そうと試みた.結果として確率的対数領域計算が可能な状況では,定数精度の第二固有値問題が一部の逆多項式精度の問題より困難であることを示した.
1次元電子系においては相互作用が本質的な役割を果し,フェルミ液体は安定ではなく朝永・ラティンジャー液体となることが理論的に明らかにされてから久しい.最近の微細構造作成技術の進歩はこの理論的知見を現実の系において検討し新しい可能性を探求することを可能にした1).本稿ではこの1次元電子系の多体効果の問題を電気抵抗の温度依存性という観点から調べる.