マ クロな系に量子力学 を適用す る際は量子化 された場 の理論 を用いると都合がよい。系 を簡単の為 l o c a lな b o s o n場 q , ( x )(とその共役 量 7 C ( x ) )で記述す る。 まず マ クロな系には示強変数 と示量変数 があるこ とに注意す るO体積 をⅤとして示強変数 を2つの クラスに分 けるO クラス I--平均操作 で表わ され るもの 例 :吉Jd 3xp( x) ・ 吉Jd 3xJd 3y?( x) C( x-y)" y ) クラス 丑 -l o c a lな情報 をもつ もの 例 : Q , ( x), 7 E ( x), Jd 3 yc ( x-y)や ( y ) さて, マ クロな系 を Ⅴ--で表現す ることにす ると, この l i mi tでは示量変数 は Hi l b e r ts p a c eの o p e r a t o rとしては存在 しない。行列要素が -となるか らであるO-方, クラス 1の示強変数 は f l n c t ua t i o nを失 うことが知 られている。 これは数学 で言 う大数 の法則, もっ と詳 しくは中心極 限定理 であ り, 物理では s t a t i o n a r y p h a s eで証明できる。 このクラスの o p e r a t o rは C -n u mb e rとなるとい うことであ り, f l u c t u a t i o n を失 うとい うこ との証 明に もこの C -n u mbe rの時間発展 を決めるにも,素粒子 で使 われ る e f f e c t i o n a c t i o n I ,を用いるとよい.これは系の Ha mi l t o n i a n HM が与 えれば一般的な r u l eで計算 できる。 そこで, クラス Iの任意 の o p e r a t o rA の e f f e ca t o r ではな くなるので,Hi l b e r t 空間はクラス Ⅱの示 強変数 で定義 され る。 クラス Ⅰの C -n u mb e rの値 a( t )は Hi l b e r t空間 を指定するパ ラメー ター とな っ てお り, 1つ 1つの C -n u mb e r値に対 して各 々 Hi l b e r t空間が対応す る。 この様な事情 は,素粒子 ・ 原 子核 ・ 物性 を通 じて多数 の実例 が存在す る。このことは,クラス I の示強変数 の値 をシフ トで きる o p e r a t o r は示量 変数 であるが,示量変数 は, マ クロな l i mi t
マ クロな系に量子力学 を適用す る際は量子化 された場 の理論 を用いると都合がよい。系 を簡単の為 l o c a lな b o s o n場 q , ( x )(とその共役 量 7 C ( x ) )で記述す る。 まず マ クロな系には示強変数 と示量変数 があるこ とに注意す るO体積 をⅤとして示強変数 を2つの クラスに分 けるO クラス I--平均操作 で表わ され るもの 例 :吉Jd 3xp( x) ・ 吉Jd 3xJd 3y?( x) C( x-y)" y ) クラス 丑 -l o c a lな情報 をもつ もの 例 : Q , ( x), 7 E ( x), Jd 3 yc ( x-y)や ( y ) さて, マ クロな系 を Ⅴ--で表現す ることにす ると, この l i mi tでは示量変数 は Hi l b e r ts p a c eの o p e r a t o rとしては存在 しない。行列要素が -となるか らであるO-方, クラス 1の示強変数 は f l n c t ua t i o nを失 うことが知 られている。 これは数学 で言 う大数 の法則, もっ と詳 しくは中心極 限定理 であ り, 物理では s t a t i o n a r y p h a s eで証明できる。 このクラスの o p e r a t o rは C -n u mb e rとなるとい うことであ り, f l u c t u a t i o n を失 うとい うこ との証 明に もこの C -n u mbe rの時間発展 を決めるにも,素粒子 で使 われ る e f f e c t i o n a c t i o n I ,を用いるとよい.これは系の Ha mi l t o n i a n HM が与 えれば一般的な r u l eで計算 できる。 そこで, クラス Iの任意 の o p e r a t o rA の e f f e ca t o r ではな くなるので,Hi l b e r t 空間はクラス Ⅱの示 強変数 で定義 され る。 クラス Ⅰの C -n u mb e rの値 a( t )は Hi l b e r t空間 を指定するパ ラメー ター とな っ てお り, 1つ 1つの C -n u mb e r値に対 して各 々 Hi l b e r t空間が対応す る。 この様な事情 は,素粒子 ・ 原 子核 ・ 物性 を通 じて多数 の実例 が存在す る。このことは,クラス I の示強変数 の値 をシフ トで きる o p e r a t o r は示量 変数 であるが,示量変数 は, マ クロな l i mi t
n g l e p a r t i c l ep h e n o me r l a 量子力学 における観測問題 早大 ・ 理工 並 木 美善雄 量子力学はその成功 に も拘 らず,生誕以来 5 0年以上 もの間, 原理的問題 につ いての疑 問や 対立 があ り,論争が続 け られて きた。その中心 は観測問題 にある。 くわ しい問題意識の説 明は 別の ところにゆず るが, 1 ) 測定によるく 波束の収縮 ' が量子力学 自身 によって解 明 され るか とい う 問題 であ り,量子力学 の理論的体 系の無矛盾性や 自己完結性 を問 うものである。すでに,5 0 0 以上 の論文が公刊 されてお り, とて も紹介 し切れ ないが, とくに有名 な もの として,( i ) Ⅴ .Ne uma n n -Wi g n e r 理論,( i i )ェルゴー ド 増幅理論,( i i i )多世界理論 などがある。ここでは, 問題点整 理 を目的 に, まず前二者 間の対立論争 について紹介 し,次に筆達者 の理論 を新 しい視点 か ら再 構成 してみたい。 は じめに,観測理論の到達 目標 を設定 しよ うo状態 少Q -写 c i u i に あ る対 象系 Qの力学量 F (固有値 右,固有関数 u i ) の測定 を問題 にす るのであるが,観測理論 はこの測定 による く波束 の収縮 ' を表す統計演算子 の変化
量子多成分系 にお ける時間領域の半古典論1 東京都立大学 大学院理学研 究科 物理学専攻 田中篤司 量子論 では, 一般 に,複合的 な系 の時間発展 によって,仝系 を構成す る部分同志が ( 量子 的に) 絡 み 合 ってい きます.本講演 は,この絡み合いの過程の半古典論 を通 じた解析 の報告です.特に,複合系 と して,内部 自由度 と " 外部 " 自由度か ら成 る量子多成分率 ( 例 えば, s p i nを担 う粒子や, 電子状態 の励 起 を伴 なう核 の運動の模型です)を考察 します.ここでは,内部 自由度の c o h e r e n tな量子振動が外部 自由度の伏見 関数の干渉 を誘発す る一因であ ることを報告 します.講演 では,この量子干渉の破壊 と古 典 的な c h a o s動力学の関係 に言及 しま したが, 紙幅の都合 によりこの点 は割愛 します. 1 動機付 け いわゆる Co p e n h a g e n解釈の枠内においては, 量子系の,意味のある, 一貫 した考察のためには,問 題 の量子系 を測定す る古典系が必要です.このことは, 古典論が量子論 の特別 な極限 として位置付 け ら れていることと矛盾 を畢 み ます・この矛盾 を ( 何 らかの意味 で) 解決す ることが,いわゆる ( 量子系 の) 観測 の問題 です.この間題 に対 して,その測定系 をもまた量子系 として記述す る a p p r o a c hがあ りま す ( 例 えば,町田 一 並木理論,環境理論 [ 1 ] ) ・そこでは,量子 -" 古典"結合系の u n i t a r y時間発展 を解 析す ることにな ります.これのみの考察だけでは, 観測問題 の最終的な解 を直接提供 しませ んが, 重要 な洞察 を与 えるこ とは確 かです.それは,測定系 ( その " 環境"を含 めて)の ( 何 らかの意味での) " 複雑 さ"が,被測定系 の " 波束の収縮"を もた らすために重要であ る. とい うことです.ここで言及 され る 複雑 さとは,例 えば,町田 一 並木理論 における系の熱力学的な素性 であ った り,環境理論 にお ける系 の 自由度の高 さ ( --動力学 に関与す る Hi l b e r t空間の " 次元"の大 きさ ( の対数) )です・特 に,これ らの 議論 で着 目されているのは, 測定系の構成の複雑 さで した.これに対 して,測定系の動力学の複雑 さに 焦点 を当てた議論 を展 開す ることは可能で しょうか?これが, 本研 究の ひとつの動機付 けです2 . 1 . 1 量子 一 ㍍ 古典乃結合系 と しての量子多成分系 量子多成分系 は, 二つの部分系か らな ります.便宜上 これ らを I n t e r n a l De g r e e s o f 凸・ e e d o m ( I DF: 内部 自由度) とE x t e r n a lDe g r e e so f於e e d o m ( E DF: 外部 自由度) 3と呼ぶ ことに します.例 えば, s p i nを持つ電子や,断熱 ( 透熱) 基底 で記述 される分子がその代表例 です.後者は,I DF と E DF の時 1京大基研短期研究会 「 量子力学 とカオス:基礎的間蓮か らナノサ イエ ンスまで」 ( 2 0 0 3年 1 1月 1 2日-1 4恥 2 0 0 3年 1 1月 1 3日の口演発表 As e m ic l a s s i c a l a p p r o a c ht ot i mee y o l u t i o n s o f mu l t i c o mp o n e n t s y s t e msより.2もちろん, 系が熱力学的な素性 を獲得するため に,系の動力学の複雑 さを利用 している場合 もあ ります.
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
系のノ 、ミル トニア ンを次 のよ うに とる。 < < < H -a.+H' ∧ 〟 H . -c p " ,A , -∑V( 金一, W) " 6 1 ( n ) , T Z = 1 V( x-n a ) ニー V o O ( n a-a ) 0 ( a-( n-1 )a ) この系の相互作用表示での時間発展作用素 は : 1 ) 6 ( i ) 完 e x Pl -( i / i )p -1 2 : T ] , p --V ./ C,会 T -n g 1 9 1 ' n ' / N ( 5 ) の位相のp 7 依存性 と( 1 ) 式 での Zについての積分か ら波束の収縮 が導かれ る. もう少 しくわ しい内容 は次 の文献 1 ) にある。 ( 4 ) ( 5 ) 参考文献 1 ) S .Ma c h i d aa n d M. Na mi k i , Ma c r o s c o p i cNa t u r eo fDe t e c t i n gAp p a r a t u sa n d Re d u c t i o n o fWa v ePa c k e t , P r o c .I n t .S y mp .O n t h eFo u n d a t i o n so fQu a n t u m Me c h a n i c s ( 丁 a p. P h y s .S o c . ) ,1 9 8 4年 3月刊行予定。 量子力学 の解釈 についての覚 え書 き 東大 ・ 物性研 豊 沢 豊 量子系の観測では,観測装置の中で起 る非可逆過程 とそれ に伴 な う量子系の 「 可干渉性 の喪 失」がそ の決定的段階である, とい うH.S .Gr e e n以来の考 え方は次第 に多 くの人々の支持 を 得っっ あ り,実際 これ はv o n Ne u ma n n の逆説的な主張 -観測 され る系 ( S ) と観測装置 ( A) との境界 は任意 に ( a b s t r a c t e st t I c h " にまでも ) 移 し得 るとす るもの -よ りはるかに妥 当で 常識的 にも受 け入れやす い考 え方である。私 もこの線上で,観測に伴な うエ ン トロピー変化, 観測の客観性 と再現性 などについて何度か話 したことはあるが, ここではさらに基本的 な所 ま で掘 りさげて考 えてみたい。 A内の非可逆過程によ りSの可干渉性 が失 なわれ ても,合成系 ( S+A) の波動 関数 はや は り一次結合 のままで あ り,「 観測に よる波束 の収縮 は合成系の S c h r 6 d i n g e r 方程式 か らも出て ー2 6 8 -量子力学の解釈についての覚え書き こない」とい う欲 求不満 は少 しも取 り除かれ ていないのである。波動 関数 を実在 と信 じる限 り 行 きつ く境地 は 「 多世界理論」で あ り, これ とv o n Ne u ma n nの考 え と何れが よ り逆説的 でな いかは,にわかに判断 しがたい。 私 は,「 系の状態 を記述す る最 も基本的 な量 は波動 関数 で な く統計 演算子 ( 密度行列 )βである」と考 えたい。以下それ を具体的に説明 してみ よ う。 ( 1 )波動関数 は純粋状態 ( β 2 -〟 )とい う極 めて特殊 な状況 でだけ定義で きる, また βの行列 表現 の基底 として役立っ,補助的 な概念に過 ぎない。 ( 2 ) 量子統計力学における統計性には,古典統計力学 とも共通 の統計性 (原理的には可知 だが 巨大 自由度 のため実際的には不可知 な要素 )と量子力学特有 の統計性 ( 原理的 な不可知 ) とが, 二重構造 として含 まれてい る, とするのが通説 のよ うだが,両者 は本来一体の もので ある。実 際 この二つ の統計性 を分離 できるよ うな思考実験 は存 在 しない。 ( 3 )Sに起 る変化 を我 々が外 ( A ) か ら観測 しよ うとす る とき,Sは合成系 ( S+A) の部分系に 過 ぎな くなる。合成系が た とえ純粋状態 ( p s 2 .Ap s.A)で あって も部分系 ( p s… T r A( p s .A) ) は一般 に混合状態 ( p 呈≠ p s) であ り,従 って統計演算子 で記述す る しかない。 あ る瞬 間 に p s が純粋状態で あって も, SとAの相互作用 がある限 りそれ は早晩混合状態に陥 る。全宇宙 が純 粋状態か否 かを判断 し得 るのは,その外 にあってそれ と相互作用 しない神 のみで あ り, 内にあ って相互作用の
注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。