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Schrödinger 方程式の虚時間発展行列積解法により求めた2 電子系波動関数の構造についての基礎的考察

YAGI Toru, 雲兵 長嶋

Published Mar 15, 2020• 0 citations
OpenAlex

Abstract

電子状態の新規計算方法として,虚時間発展演算子の行列表現を用いた行列積解法を試みた。理論的な基礎とした基底量子モンテカルロ法では,格子分割後の空間に配置した基底関数を用いて虚時間発展の演算子の行列表現を求める。この虚時間発展の行列表現に対し,本研究ではモンテカルロ法を用いず,直接的に行列積を繰り返し実施するという手法で電子状態を求める計算を行った。2 電子のモデル系についての計算を実施し,一重項と三重項に対応する結果が得られた。また,2 電子波動関数と,それを積分した1 電子分布関数を求めたところ,いずれも節面を持つ波動関数の構造を表現することができた。

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動的な物理現象への理解に向けた取り組みは、個々の豊かな物性現象を調べるだけではなく、数学的なトイモデルの性質を活かしたトップダウン的アプローチも試みられている。中でも量子現象の動的な性質は理論的には干渉効果をきちんと議論しなければならず、実験的には量子現象だけを純粋に取り出すことが極めて難しい。本ゼミでは、量子動力学現象を記述するための道具である「量子ウォーク」に関して、その理論的性質と実験による実装方法とその困難さに関して解説を行う。量子ウォークとは名前が示す通り、物理現象を説明する道具として使われているランダムウォークを量子力学の公理系の中で定義しようとした際に自然に定義されるものである。だがしかし、シンプルな定義からでは一見想像できないような多彩なダイナミクスを模写することが出来る。Schr odinger 方程式、Dirac 方程式やKlein-Gordon 方程式をトイモデルから統一的に理解することが出来るという点において、「量子動力学シミュレーション」と呼ぶ。また、近年の実験技術の飛躍的な向上により、数学的なトイモデルとして扱われてきた量子ウォークが中性原子・イオン・光の物理系において実装可能となり、量子効果を巧みに組合わせた実験系を構築することで量子情報科学や多体系量子論の問題へのアプローチも試みられている。

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この研究で扱うような原子・分子の古典モデルの歴史は1920年代にまで遡る。その発端は、Bohrの水素原子のモデルでは成立した量子古典対応がヘリウムでは成立しないことだった。量子論の前夜の事件であるが、それは今なお未解決の部分を多く含む問題なのである。量子と古典の間の深い溝は、その両者が異質なものであるということである。しかし、同じ自然に対する複数の記述方法である以上、それらの適用範囲が広がるにつれ交錯する分野が現われるのは必然である。その領域においては、何らかの橋渡しが出来ていなければならない。だがそれはそれぞれに関する深い知識がなければ構築できない類のものである。量子カオスという研究分野はおもにその橋渡しを追求するが、この研究はむしろ古典系側の基盤を探るものである。古典系に話を限っても、ヘリウム原子ですら三体問題であり、カオス的な性質を持つハミルトン系(保存力学系)である。運動を決定する積分が足りないために、系の運動を統一的に記述することは未だなされていない。ハミルトン系の相空間の構造は非常に複雑であるので、高い解像度で観察する必要がある。つまり、これらの系における困難とは、広大な初期条件空間をくまなく探索しなければならないということなのである。そうしてはじめて量子系との対応を議論できるようになる。そのような作業の結果としてこの研究で見出されたことは、1)カオス的な軌道は全て原子から無限遠へ飛び出す(イオン化を起こす)、2)相空間には非自明なトーラスが埋め込まれている、3)カオスとトーラスの織りなす非常に複雑な構造が見出されたことである。また、それらを応用して原子や分子の古典力学的な表現を探求している。原子や分子のモデルを、クーロン力によって相互作用する独立した粒子のシステムとして扱う場合、ほとんど単純化をせずに相空間を広汎に調べた研究というものはあまり例がない。そして、その結果として幾つか重要と思われる知見が得られている。単純化したモデルにおいて量子古典対応を研究した例は非常に多いが、それでだけでは量子古典対応などの問題の未解決な点をあらわにすることは出来ないのではないかと考えられる。なお、この論文内での約束事は次の通りである。1)軌道の初期条件で、とくに記していない変数はその配置で決まっているか、そうでなければ0である。2)先に刊行されている論文[1]との用語の統一を図るため、トーラスの名称などはとくに英語で記した。3)物性研究版では、本文と図の一部が省略されている。

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ヌーベル・パークの到来というべきだろう。年表的に少しく並べ立ててみて も、アインシュタインの特殊相対性理論(1905)、一般相対性理論(1915)、ラ ザフォードの原子模型(1911)、ド6プロイの物質波の三唱(1924)、そしてシ ュレーディンガーの波動力学(1926)とハイゼンベルグの行列力学と績く。こ の両者は夫々独立に理論化され異なる形式をもっていたにも拘らず、全く同. 等のものであることがすぐに明らかにされた6古典力学から決別した新しい 量子力学の誕生である。それはすべての物質について古典的思想の鞄囲では 相矛盾する粒子性と波動性の二重性一ド。プロイの大回な物質波仮説がも たらしたもの一を明確に表現することができたばかりでなく、電子・陽子 といった素粒子の微視的世界を統一的に理解する新しい理論体系をはじめて 『世に送り出したことになる。ディラックとともにシュレーディンガーがノー ベル物理学賞を与えられたのは、少しあとの1933年で、この年はナチスの支 配するドイツを離れ、アイルランドのダブリン高級学術研究所に落着いた時 一25一 科学と宗教の間 期に相当する。以来1961年73才の生涯を閉じるまで、シュレーディツガーの 主たる関心け一般相対性理論をベースに、それを拡張した時空構造論に向け ,られた。なにしろ、「アインシュタインの重力理論では、物質とその動的な 相互作用とは時空連続体(space-time continuum)に内在する幾何学構造に

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