科学と宗教の間 : Erwin Schrodingerの場合
ひでのり たなべ
Abstract
ヌーベル・パークの到来というべきだろう。年表的に少しく並べ立ててみて も、アインシュタインの特殊相対性理論(1905)、一般相対性理論(1915)、ラ ザフォードの原子模型(1911)、ド6プロイの物質波の三唱(1924)、そしてシ ュレーディンガーの波動力学(1926)とハイゼンベルグの行列力学と績く。こ の両者は夫々独立に理論化され異なる形式をもっていたにも拘らず、全く同. 等のものであることがすぐに明らかにされた6古典力学から決別した新しい 量子力学の誕生である。それはすべての物質について古典的思想の鞄囲では 相矛盾する粒子性と波動性の二重性一ド。プロイの大回な物質波仮説がも たらしたもの一を明確に表現することができたばかりでなく、電子・陽子 といった素粒子の微視的世界を統一的に理解する新しい理論体系をはじめて 『世に送り出したことになる。ディラックとともにシュレーディンガーがノー ベル物理学賞を与えられたのは、少しあとの1933年で、この年はナチスの支 配するドイツを離れ、アイルランドのダブリン高級学術研究所に落着いた時 一25一 科学と宗教の間 期に相当する。以来1961年73才の生涯を閉じるまで、シュレーディツガーの 主たる関心け一般相対性理論をベースに、それを拡張した時空構造論に向け ,られた。なにしろ、「アインシュタインの重力理論では、物質とその動的な 相互作用とは時空連続体(space-time continuum)に内在する幾何学構造に