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格子の不均一さによる磁気構造の出現(基礎物理学研究所短期研究会「量子効果が顕著な役割を果たす磁性現象の新展開」,研究会報告)

Masamichi Nishino, Pascal Roos, Hiroaki Onishi, Seiji Miyashita

Published Sep 20, 1999• 0 citations
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Abstract

一次元の反強磁性鎖では強い量子ゆらぎのため絶対ゼロ度においても均一系においては磁化が出現しない。しかし、これらの系に何らかの不均一性を導入すると、磁気構造が誘起される。一次元鎖にnon magneticなサイトを混入するとopen bundary系の問題に帰着するが、S=1/2では静的な構造因子や局所帯磁率が解析的にあるいは数値的に求められている[1,2]。また、ランダムなexchange couplingを持つ鎖の性質についても調べられている[3,4,5]。そしてS=1のハイセンベルグ系では、特に端の効果は有名である[6,7]。本研究の目的は、格子の空間構造を反映した強い量子ゆらぎによる様々な量子スピン効果を明らかにすることである。そのため、いろいろな格子での磁気秩序における量子効果を、量子モンテカルロ法、対角化法などで調べた。今回、我々はS=1/2のuniformなハイセンベルグ鎖とボンド交替鎖で一部の相互作用の大きさを変えた系、およびタS=1のハイセンベルグ鎖にS=1/2のスピンを混入した系において現れる不均一性誘起磁気構造の性質、特に、その温度依存性を明らかにした。

Related papers

低次元観測者から見た次元上昇と量子現象の構造的類似に関する考察― 1次元から2次元、2次元から3次元への移行を手掛かりとした4次元仮説

昌続 新関

要旨(Abstract)本稿は、4次元を既知の3次元空間に単純な第4の座標軸を追加したものとして想定するのではなく、低次元の観測者が一つ上の次元に属する現象を観測したとき、どのような不可解な現象として経験するかを手掛かりとして、4次元的構造の可能性を考察する思考実験的研究である。まず、1次元から2次元、2次元から3次元への次元上昇を、上位次元をすでに知っている観測者の視点ではなく、低次元内部に拘束された観測者の視点から捉え直す。すると、上位次元を経由する運動や一つの高次元構造の断面は、低次元側からは、突然の消失と出現、通常の経路を通らない移動、離れた位置の強い関連、一つの存在が複数に見える現象などとして現れうる。次に、このような「低次元側に現れる異常の型」と、量子力学における重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果などの古典的直感に反する現象を比較する。本稿は両者を同一であると断定するものではない。既知の次元上昇において低次元観測者に生じる認識上・構造上の特徴を抽出し、その特徴が3次元世界の量子現象にも現れているかを検討するという方法を提示する。この比較から、量子現象が4次元そのものであると結論するのではなく、もし4次元的構造がわれわれの3次元世界に内在しているならば、量子領域はその構造が3次元側へ現れる候補領域の一つではないか、という仮説を提示する。また、この仮説を科学的モデルへ近づけるためには、単なる類似の指摘を越え、次元上昇の特徴を数学的に定義し、量子力学の定量的予測と比較可能な形にする必要があることを論じる。キーワード:次元上昇、低次元観測者、4次元、量子力学、重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果、高次元1 ―問題設定 4次元を「第4の軸」から考えない4次元を考えるとき、通常はX軸、Y軸、Z軸にさらに一つの軸を加えるという表現が用いられる。しかし、この方法は3次元を知っている側から次元を数学的に記述する方法であり、低次元の存在が実際に一つ上の次元をどのように経験するかという問題とは別である。

•Aug 25, 2026•0 citations

空間構造をもつ一次元量子スピン系の基底状態(基礎物理学研究所短期研究会「量子効果が顕著な役割を果たす磁性現象の新展開」,研究会報告)

孝 利根川

1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2

物性研究•Sep 20, 1999•0 citations

多電子系の遍歴・局在・秩序化(第51回 物性若手夏の学校(2006年度))

Yoshio Kuramoto

単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。

•Feb 20, 2007•0 citations

量子多成分系における時間領域の半古典論(1)量子力学とカオスのボーダーにおける基礎的問題,京大基研短期研究会 量子力学とカオス-基礎的問題からナノサイエンスまで-,研究会報告)

Tanaka, Atsushi

量子論では,一般に,複合的な系の時間発展によって,全系を構成する部分同志が(量子的に)絡み合っていきます.本講演は,この絡み合いの過程の半古典論を通じた解析の報告です.特に,複合系として,内部自由度と"外部"自由度から成る量子多成分系(例えば,spinを担う粒子や,電子状態の励起を伴なう核の運動の模型です)を考察します.ここでは,内部自由度のcoherentな量子振動が外部自由度の伏見関数の干渉を誘発する一因であることを報告します.講演では,この量子干渉の破壊と古典的なchaos動力学の関係に言及しましたが,紙幅の都合によりこの点は割愛します.

•Aug 20, 2004•0 citations

量子縮退した中性原子気体の実験研究(「有限量子多体系の励起構造と相関効果」-原子核・量子ドット・ボース凝縮・クラスターを中心として-,研究会報告)

Yoshiro Takahashi

最近のアルカリ原子気体のボース・アインシュタイン凝縮を用いた実験研究を簡単にレビューする。また、最近我々が行っている希土類のイッテルビウム(Yb)原子を用いたボース・アインシュタイン凝縮やフェルミ縮退およびその混合系といった量子縮退状態を生成する試みについて紹介する。

•Jun 20, 2002•0 citations

ボーズ粒子系における集団変数と内部変数について

Yasunori Igarashi, Kuniyoshi Chuma, Ryoji Suzuki

集団運動の方法による取り扱いは,強く相互作用し合っているポーズ粒子系の素励起の性質を知るうえで,大変示唆に富んだ物理的描像を提供してくれる。我々は近似的にではあるが,集団変数と互いに直交する正準共役な内部変数が存在することを見い出したので報告したい。集団変数と内部変数を用いることによって系のHamiltonianを,集団運動を記述する部分と内部運動を記述する部分へ分離することが可能となり,これまで取り扱いが困難であった内部運動を平易に取り扱うことができ,例えば,ボーズ粒子系ではk_sより小さな運動量を持ったSingle-Particle excitationは起こらないこと等が導き出される。本論文では集団変数と内部変数との直交性や分離の度合等についての議論を展開する。

•Aug 20, 1979•0 citations
一次元の反強磁性鎖では強い量子ゆらぎのため絶対ゼロ度においても均一系においては磁化が出現しない。しかし、これらの系に何らかの不均一性を導入すると、磁気構造が誘起される。一次元鎖にnon magneticなサイトを混入するとopen bundary系の問題に帰着するが、S=1/2では静的な構造因子や局所帯磁率が解析的にあるいは数値的に求められている[1,2]。また、ランダムなexchange couplingを持つ鎖の性質についても調べられている[3,4,5]。そしてS=1のハイセンベルグ系では、特に端の効果は有名である[6,7]。本研究の目的は、格子の空間構造を反映した強い量子ゆらぎによる様々な量子スピン効果を明らかにすることである。そのため、いろいろな格子での磁気秩序における量子効果を、量子モンテカルロ法、対角化法などで調べた。今回、我々はS=1/2のuniformなハイセンベルグ鎖とボンド交替鎖で一部の相互作用の大きさを変えた系、およびタS=1のハイセンベルグ鎖にS=1/2のスピンを混入した系において現れる不均一性誘起磁気構造の性質、特に、その温度依存性を明らかにした。
要旨(Abstract)本稿は、4次元を既知の3次元空間に単純な第4の座標軸を追加したものとして想定するのではなく、低次元の観測者が一つ上の次元に属する現象を観測したとき、どのような不可解な現象として経験するかを手掛かりとして、4次元的構造の可能性を考察する思考実験的研究である。まず、1次元から2次元、2次元から3次元への次元上昇を、上位次元をすでに知っている観測者の視点ではなく、低次元内部に拘束された観測者の視点から捉え直す。すると、上位次元を経由する運動や一つの高次元構造の断面は、低次元側からは、突然の消失と出現、通常の経路を通らない移動、離れた位置の強い関連、一つの存在が複数に見える現象などとして現れうる。次に、このような「低次元側に現れる異常の型」と、量子力学における重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果などの古典的直感に反する現象を比較する。本稿は両者を同一であると断定するものではない。既知の次元上昇において低次元観測者に生じる認識上・構造上の特徴を抽出し、その特徴が3次元世界の量子現象にも現れているかを検討するという方法を提示する。この比較から、量子現象が4次元そのものであると結論するのではなく、もし4次元的構造がわれわれの3次元世界に内在しているならば、量子領域はその構造が3次元側へ現れる候補領域の一つではないか、という仮説を提示する。また、この仮説を科学的モデルへ近づけるためには、単なる類似の指摘を越え、次元上昇の特徴を数学的に定義し、量子力学の定量的予測と比較可能な形にする必要があることを論じる。キーワード:次元上昇、低次元観測者、4次元、量子力学、重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果、高次元1 ―問題設定 4次元を「第4の軸」から考えない4次元を考えるとき、通常はX軸、Y軸、Z軸にさらに一つの軸を加えるという表現が用いられる。しかし、この方法は3次元を知っている側から次元を数学的に記述する方法であり、低次元の存在が実際に一つ上の次元をどのように経験するかという問題とは別である。
1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2
単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。
量子論では,一般に,複合的な系の時間発展によって,全系を構成する部分同志が(量子的に)絡み合っていきます.本講演は,この絡み合いの過程の半古典論を通じた解析の報告です.特に,複合系として,内部自由度と"外部"自由度から成る量子多成分系(例えば,spinを担う粒子や,電子状態の励起を伴なう核の運動の模型です)を考察します.ここでは,内部自由度のcoherentな量子振動が外部自由度の伏見関数の干渉を誘発する一因であることを報告します.講演では,この量子干渉の破壊と古典的なchaos動力学の関係に言及しましたが,紙幅の都合によりこの点は割愛します.
集団運動の方法による取り扱いは,強く相互作用し合っているポーズ粒子系の素励起の性質を知るうえで,大変示唆に富んだ物理的描像を提供してくれる。我々は近似的にではあるが,集団変数と互いに直交する正準共役な内部変数が存在することを見い出したので報告したい。集団変数と内部変数を用いることによって系のHamiltonianを,集団運動を記述する部分と内部運動を記述する部分へ分離することが可能となり,これまで取り扱いが困難であった内部運動を平易に取り扱うことができ,例えば,ボーズ粒子系ではk_sより小さな運動量を持ったSingle-Particle excitationは起こらないこと等が導き出される。本論文では集団変数と内部変数との直交性や分離の度合等についての議論を展開する。