物性研究
空間構造をもつ一次元量子スピン系の基底状態(基礎物理学研究所短期研究会「量子効果が顕著な役割を果たす磁性現象の新展開」,研究会報告)
孝 利根川
Abstract
1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2