スピン3重項p波超流動研究の新たな展開 : アンドレーエフ束縛状態とその多面性(<シリーズ>超伝導・超流動研究の接点)
Takeshi Mizushima
Abstract
近年,スピン3重項超伝導・超流動体におけるAndreev束縛状態に注目が集まっている.量子渦や表面で出現するAndreev束縛状態はMajorana性や奇周波数対振幅,さらにはバルクに内在するトポロジカル不変量等と密接に関わっており,非常に多彩な側面を持っていることが近年の研究により明らかにされつつある.本稿ではBogoliubov-de Gennes方程式の解析解を基にして,スピン3重項超伝導・超流動体におけるAndreev束縛状態の出現やその多面性について解説する.この系のフェルミ場の演算子の性質はMajorana場と類似性を持つ.Majorana零エネルギーモードの特異性に起因して,その零モードが付随した量子渦は非可換エニオン統計に従う.