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物性研究

吸着子のある微斜面での非普遍的ふるまい : RSOS-Ising結合模型における密度行列繰り込み群解析(新奇な秩序を持つ系での相転移,研究会報告)

典子 阿久津, 泰弘 阿久津, 隆夫 山本

Published Feb 20, 2003• 0 citations
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Abstract

Z軸に垂直な結晶表面を,その面のラフニング温度7 T R 以下で,わずかに傾けた面を微斜面 と呼 ぶ.微視的に微斜面 Z ( I , y ) を考えると,x 軸方向に傾けた微斜面は,Z軸に垂直な結晶面をテラ スとし,平均 として y方向に走るステ ップ列から構成 されている.結晶微斜面のステップ密度を pと書けば,微斜面の傾き7 -( p , 0 , 0 ) はp -∂ Z ( x , y ) / ∂ x-p a z となる.ここで,a z( -1 )はス テ ップ 1段の高さである.結晶微斜面は, 1 次元自由フェル ミオン系と同じ普遍的クラスに属 し囲,

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吸着子のある微斜面での非普遍的ふるまい : RSOS-Ising結合模型における密度行列繰り込み群解析(新奇な秩序を持つ系での相転移,研究会報告)

Noriko Akutsu, Yasuhiro Akutsu, Yamamoto, Takao

•Feb 20, 2003•0 citations

27aV-10 RSOS-Ising結合模型におけるステップ・スムーズニング転移 : 数値繰り込み群

典子 阿久津, 泰弘 阿久津, 隆夫 山本

日本物理学会講演概要集•Sep 3, 1999•0 citations

自己相関関数の長時間挙動とそのAharonov-Bohm時間演算子との関係(第10回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

学 宮本

早稲田大・理工 宮本学(Iv l a n a b ur v n y a m o t o ) 1 D e p a r t m e n t o f P h y s i c s ¥ V a s e d a U n i v .) ここで , Ho:=p 2 ( pは運動議演算子)は 1次元自由粒子系のハミルトニアン?左辺は 1次元自由粒 子系における初期状態 ψの自己相関関数である.また,Toは Hoと正準交換関係を満たす(対称) 演算子でもある{正確には, L 2 ( R )で椀密な、ある部分空間 k で成り立つ][ 3 ] .ここでヲ ( 1 )に見ら れるベキ的減衰は自明ではないことを注意したい.例えば.代表的なGaU8S波東の自己相関関数は t→ ∞ で t -1 に漸近する.したがって,( 1 )の様に t -2 で押さえられる事はあり得ない.不等式 ( 1 )は,状態 ψが T oの 2次のモーメントポテンシャルによる撹苦しのため? 後の時刻 t での状態と初期状態との相関の仕方は.自耐粒子系でのそれと一致するとは限らないからである.本小論では 9 部分的にではあるが 9 この間いが肯定的に答えられることを泌す.まず,不等式 ( 1 )で見られる t -2 より速い減衰は,実は Dom( 九)...I~.に限らず?それを含むより広 い部分空間 D o m ( p -l )n D o m ( Q )に属す状態に対して成り立つことを示す.そのためにう九の定 義域 Dom( 九)を確認しておく.ここでは公理論的立場から,以下の様に定義する:D O l l l ( 1 ( I ) : = { ψ ε D O l l l ( P -l ) 1 P-1ψE Dom(Q)}η{ψE D O l l l ( Q ) I Q ψ ε D O l l l ( P -1 ) }

物性研究•Sep 20, 2004•0 citations

有限時間間隔の場の理論 : 場の理論におけるシュレーディンガー描像の因果律について(基研長期研究計画「進化の力学への場の理論的アプローチ」報告,研究会報告)

Kazumasa Nomoto, R. Fukuda

場の理論における因果律の歴史は長く,色々な側面を持っている.特に,それは量子力学の非局所的な性質と深く関わっていて観測問題との関連でも興味深い.因果律の場の量子論的記述(微視的因果律)は,しばしばハイゼンベルグ描像で次の様に表現される1).[φ^<(H)>(x),φ^<(H)>(y)]=0 if (x-y)^2<0 x=(x^0,x),x^2≡x^μx_μ≡x_0^2-x^2 (1.1)ここで,φ(x)は場の演算子であり,それがボーズ場(フェルミオン場)ならば[,]は交換子(反交換子)である.つまり(1.1)は「互いに空間的な2点にある場の演算子は可換である」ということを表している.これは,自由な場のみでなく,局所的な相互作用が存在する場合にも成り立つ.また,このことは局所場の理論の最も本質的な要請のひとつにもなっている.量子力学では,可換な物理量は,互いに影響を及ぼさずに観測できるという原理が存在するので(1.1)は,空間的に離れた2点の観測は互いに影響を及ぼし合わないということを示している.つまり,いかなる場の擾乱(信号)も光速を超えて伝わらないということである.しかし,これは抽象的な演算子の関係であって,いかに信号が伝わるかなどということは判りにくい.そこで,別の描像-シュレーディンガー描像-で因果律がいかに表現されるか調べた.はじめに,初期状態の波動関数が時空の原点に局在したデルタ関数で表されるような一粒子の非相対論的・相対論的な量子拡散(quantum diffusion)について調べた.その結果,非相対論的には局在した次の瞬間には粒子は無限遠方まで場所に依らない確率で拡散してしまい,光速を超えて粒子が運動し得るということがわかる.しかし,非相対論では,光速を無限大と近似しているので当然の結果である.相対論的には,その状況はやや改善され,空間的である領域のうち十分遠方である位置に拡散する確率は殆どゼロになる.しかし,相対論にさえも光円錐の外側のコンプトン波長程度の領域には無視できない確率で粒子を見い出すことができることが,簡単な計算からわかる.したがって,この場合も因果律が破れているといえる.この原因については,現在検討中であるが,一つは初期にデルタ関数の波動関数を用意することが非局所的な操作であることに起因していると考えられる.この問題を避けるために,次に局所的な操作により場に擾乱を与え,それが時間とともに場の中をどのように伝わるかを調べた.先ず,自由な場において時空の原点に擾乱を与えるようなラグランジアンとして次のモデルを考えた.*_0=1/2(∂_μφ(x))(∂^μφ(x))-1/2m^2φ^2(x)+jδ^4(x)φ(x) (1.2)ここで,φ(x)はボーズ場(質量mのスカラーボゾン場)の変数である.時刻t<0で任意の初期状態を用意して(1.2)の系で時間発展させt>0での波動(汎)関数をΨ_F[φ]とする.そこで,終状態の空間的領域の密度行列ρ[φ_s,φ_s]を次の様に定義する.ρ[φ_s,φ_s]=∫[dφ_t]Ψ_F^*[φ]Ψ_F[φ]|_φ_t=φ_t [dφ_t]≡II 0|dφ(x) (1.3)φ_t: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して時間的な領域にある場の変数.φ_s: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して空間的な領域にある場の変数.このとき「ρ[φ_s,φ_s]は,Jに依らない」ということを示すことができる.このことは,場に擾乱が加わった点に対し,空間的な領域の状態はその影響を全く受けないということであり,完全に因果律を満していることがわかる.相互作用が存在しても,局所的であるならば同様のことを示すことができる.つまり,シュレーディンガー描像での因果律は「場の擾乱が加わった点に対して空間的な点における密度行列は場の擾乱の影響を受けない」と表現される.さらに,シュレーディンガー描像の因果律の表現からハイゼンベルグの因果律の表現を導くことができる.このことからシュレーディンガー描像の因果律の表現は,ハイゼンベルグ描像のそれと少なくとも等価,又はそれよりも広い概念を含んでいると考えられる.なお,本文中では自然単位系c=h=1を用いる.

•Aug 20, 1990•0 citations

空間構造をもつ一次元量子スピン系の基底状態(基礎物理学研究所短期研究会「量子効果が顕著な役割を果たす磁性現象の新展開」,研究会報告)

孝 利根川

1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2

物性研究•Sep 20, 1999•0 citations

ホワイトノイズによる量子確率解析(筑波大学開学20周年記念第2回『非平衡系の統計物理-現状と展望』シンポジウム,研究会報告)

伸明 尾畑

ホワイ トノイズによる量子確率解析 名古屋大学理学部数学教室 尾 畑 伸 明 序 よ く知 られているよ うに,ガウス型定常過程 f x ( i ) )で, 平均 と共分散 関数がそれぞれ E( I ( i ) ) -0 , E( I ( a ) I ( i ) ) -6 ( a -i ) , ( 1) で与 え られる もの を ( ガウス型)ホワイ トノイズ と呼ぶ.そのスペ ク トル測度 ( 共分散関数 の逆 フー リエ変換)は全域 でフラットなルペ ック測度 であるか ら, 確 かにホワイ トである・ また,ホワイ トノイズはブ ラウン運動 i B( i ) )の時間微分: 孟B( i ) -I ( 0 ( 2 ) として得 られることも周知であろ う.( もちろん, ブ ラウン運動の軌跡 は時 間微分可能では な く, 有界変動 で さえないが !)ホワイ トノイズは, 数学的には, 超 関数論 を応用 して確率 超過程 として実現 される.一方で, ( 2 )より時間パ ラメー ターを陽 に含 む ( I ( i ) )は時 間発 展 が直感的 に捉 えやす く, ( 1 )より t x ( i ) )はあたか も連続無限個 の直交座標系 であるが ご とく見 える.いわゆる 「 ホワイ トノイズ解析」は,この視点 に立 って s me a rしない t x ( i ) ) を じかに扱 える無 限次元解析 を目指 した ものであ り, 飛 田武華氏が 1 9 7 5年 の レクチ ャー ノー ト 【 1 0 1を皮切 りとして提唱 されて きた ( なお; 【 1 1 】も参照) .その理論の枠組 は, 一言 でい って,ガウス空 間上のシュワルツ型超 関数論 である.ここ数年来,この理論 の基礎 づ けが完成 し, ( 古典的) 確率解析 ・ デ イリク レ形式 ・ファインマ ン積分 な どへの応用 【 1 3 ] に 加 え,ガウス空間上の作用素論 としての観点か らも発展 しつつある.この論文では, 拙著 【 2 4 】に従 って, ホワイ トノイズ解析 の基礎 的事項, 特 に,ガウス空間 上の作用素論 を紹介 し, その ( 将来的) 応用 として量子確率論 ( 【 1 日2 1 , 【 3 】 , 【 8 日2 2 1 , 【 2 6 1 )へ のアプ ローチ を図 ることにある.手始めにすることは, 量子確率過程論 の基礎概念 を我 々 の立場 か ら再考す ることであ り, 本稿 の 目的で もあるが,まだ端初 についたばか りである.従来, 量子確率論 においては古典確率解析 のアイデ ア と相 まって,ヒルベル ト空間上 の有 界作用素のなす作用素環の理論 が主要な道具 となっている.

物性研究•Apr 20, 1994•0 citations
Z軸に垂直な結晶表面を,その面のラフニング温度7 T R 以下で,わずかに傾けた面を微斜面 と呼 ぶ.微視的に微斜面 Z ( I , y ) を考えると,x 軸方向に傾けた微斜面は,Z軸に垂直な結晶面をテラ スとし,平均 として y方向に走るステ ップ列から構成 されている.結晶微斜面のステップ密度を pと書けば,微斜面の傾き7 -( p , 0 , 0 ) はp -∂ Z ( x , y ) / ∂ x-p a z となる.ここで,a z( -1 )はス テ ップ 1段の高さである.結晶微斜面は, 1 次元自由フェル ミオン系と同じ普遍的クラスに属 し囲,
早稲田大・理工 宮本学(Iv l a n a b ur v n y a m o t o ) 1 D e p a r t m e n t o f P h y s i c s ¥ V a s e d a U n i v .) ここで , Ho:=p 2 ( pは運動議演算子)は 1次元自由粒子系のハミルトニアン?左辺は 1次元自由粒 子系における初期状態 ψの自己相関関数である.また,Toは Hoと正準交換関係を満たす(対称) 演算子でもある{正確には, L 2 ( R )で椀密な、ある部分空間 k で成り立つ][ 3 ] .ここでヲ ( 1 )に見ら れるベキ的減衰は自明ではないことを注意したい.例えば.代表的なGaU8S波東の自己相関関数は t→ ∞ で t -1 に漸近する.したがって,( 1 )の様に t -2 で押さえられる事はあり得ない.不等式 ( 1 )は,状態 ψが T oの 2次のモーメントポテンシャルによる撹苦しのため? 後の時刻 t での状態と初期状態との相関の仕方は.自耐粒子系でのそれと一致するとは限らないからである.本小論では 9 部分的にではあるが 9 この間いが肯定的に答えられることを泌す.まず,不等式 ( 1 )で見られる t -2 より速い減衰は,実は Dom( 九)...I~.に限らず?それを含むより広 い部分空間 D o m ( p -l )n D o m ( Q )に属す状態に対して成り立つことを示す.そのためにう九の定 義域 Dom( 九)を確認しておく.ここでは公理論的立場から,以下の様に定義する:D O l l l ( 1 ( I ) : = { ψ ε D O l l l ( P -l ) 1 P-1ψE Dom(Q)}η{ψE D O l l l ( Q ) I Q ψ ε D O l l l ( P -1 ) }
場の理論における因果律の歴史は長く,色々な側面を持っている.特に,それは量子力学の非局所的な性質と深く関わっていて観測問題との関連でも興味深い.因果律の場の量子論的記述(微視的因果律)は,しばしばハイゼンベルグ描像で次の様に表現される1).[φ^<(H)>(x),φ^<(H)>(y)]=0 if (x-y)^2<0 x=(x^0,x),x^2≡x^μx_μ≡x_0^2-x^2 (1.1)ここで,φ(x)は場の演算子であり,それがボーズ場(フェルミオン場)ならば[,]は交換子(反交換子)である.つまり(1.1)は「互いに空間的な2点にある場の演算子は可換である」ということを表している.これは,自由な場のみでなく,局所的な相互作用が存在する場合にも成り立つ.また,このことは局所場の理論の最も本質的な要請のひとつにもなっている.量子力学では,可換な物理量は,互いに影響を及ぼさずに観測できるという原理が存在するので(1.1)は,空間的に離れた2点の観測は互いに影響を及ぼし合わないということを示している.つまり,いかなる場の擾乱(信号)も光速を超えて伝わらないということである.しかし,これは抽象的な演算子の関係であって,いかに信号が伝わるかなどということは判りにくい.そこで,別の描像-シュレーディンガー描像-で因果律がいかに表現されるか調べた.はじめに,初期状態の波動関数が時空の原点に局在したデルタ関数で表されるような一粒子の非相対論的・相対論的な量子拡散(quantum diffusion)について調べた.その結果,非相対論的には局在した次の瞬間には粒子は無限遠方まで場所に依らない確率で拡散してしまい,光速を超えて粒子が運動し得るということがわかる.しかし,非相対論では,光速を無限大と近似しているので当然の結果である.相対論的には,その状況はやや改善され,空間的である領域のうち十分遠方である位置に拡散する確率は殆どゼロになる.しかし,相対論にさえも光円錐の外側のコンプトン波長程度の領域には無視できない確率で粒子を見い出すことができることが,簡単な計算からわかる.したがって,この場合も因果律が破れているといえる.この原因については,現在検討中であるが,一つは初期にデルタ関数の波動関数を用意することが非局所的な操作であることに起因していると考えられる.この問題を避けるために,次に局所的な操作により場に擾乱を与え,それが時間とともに場の中をどのように伝わるかを調べた.先ず,自由な場において時空の原点に擾乱を与えるようなラグランジアンとして次のモデルを考えた.*_0=1/2(∂_μφ(x))(∂^μφ(x))-1/2m^2φ^2(x)+jδ^4(x)φ(x) (1.2)ここで,φ(x)はボーズ場(質量mのスカラーボゾン場)の変数である.時刻t<0で任意の初期状態を用意して(1.2)の系で時間発展させt>0での波動(汎)関数をΨ_F[φ]とする.そこで,終状態の空間的領域の密度行列ρ[φ_s,φ_s]を次の様に定義する.ρ[φ_s,φ_s]=∫[dφ_t]Ψ_F^*[φ]Ψ_F[φ]|_φ_t=φ_t [dφ_t]≡II 0|dφ(x) (1.3)φ_t: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して時間的な領域にある場の変数.φ_s: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して空間的な領域にある場の変数.このとき「ρ[φ_s,φ_s]は,Jに依らない」ということを示すことができる.このことは,場に擾乱が加わった点に対し,空間的な領域の状態はその影響を全く受けないということであり,完全に因果律を満していることがわかる.相互作用が存在しても,局所的であるならば同様のことを示すことができる.つまり,シュレーディンガー描像での因果律は「場の擾乱が加わった点に対して空間的な点における密度行列は場の擾乱の影響を受けない」と表現される.さらに,シュレーディンガー描像の因果律の表現からハイゼンベルグの因果律の表現を導くことができる.このことからシュレーディンガー描像の因果律の表現は,ハイゼンベルグ描像のそれと少なくとも等価,又はそれよりも広い概念を含んでいると考えられる.なお,本文中では自然単位系c=h=1を用いる.
1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2
ホワイ トノイズによる量子確率解析 名古屋大学理学部数学教室 尾 畑 伸 明 序 よ く知 られているよ うに,ガウス型定常過程 f x ( i ) )で, 平均 と共分散 関数がそれぞれ E( I ( i ) ) -0 , E( I ( a ) I ( i ) ) -6 ( a -i ) , ( 1) で与 え られる もの を ( ガウス型)ホワイ トノイズ と呼ぶ.そのスペ ク トル測度 ( 共分散関数 の逆 フー リエ変換)は全域 でフラットなルペ ック測度 であるか ら, 確 かにホワイ トである・ また,ホワイ トノイズはブ ラウン運動 i B( i ) )の時間微分: 孟B( i ) -I ( 0 ( 2 ) として得 られることも周知であろ う.( もちろん, ブ ラウン運動の軌跡 は時 間微分可能では な く, 有界変動 で さえないが !)ホワイ トノイズは, 数学的には, 超 関数論 を応用 して確率 超過程 として実現 される.一方で, ( 2 )より時間パ ラメー ターを陽 に含 む ( I ( i ) )は時 間発 展 が直感的 に捉 えやす く, ( 1 )より t x ( i ) )はあたか も連続無限個 の直交座標系 であるが ご とく見 える.いわゆる 「 ホワイ トノイズ解析」は,この視点 に立 って s me a rしない t x ( i ) ) を じかに扱 える無 限次元解析 を目指 した ものであ り, 飛 田武華氏が 1 9 7 5年 の レクチ ャー ノー ト 【 1 0 1を皮切 りとして提唱 されて きた ( なお; 【 1 1 】も参照) .その理論の枠組 は, 一言 でい って,ガウス空 間上のシュワルツ型超 関数論 である.ここ数年来,この理論 の基礎 づ けが完成 し, ( 古典的) 確率解析 ・ デ イリク レ形式 ・ファインマ ン積分 な どへの応用 【 1 3 ] に 加 え,ガウス空間上の作用素論 としての観点か らも発展 しつつある.この論文では, 拙著 【 2 4 】に従 って, ホワイ トノイズ解析 の基礎 的事項, 特 に,ガウス空間 上の作用素論 を紹介 し, その ( 将来的) 応用 として量子確率論 ( 【 1 日2 1 , 【 3 】 , 【 8 日2 2 1 , 【 2 6 1 )へ のアプ ローチ を図 ることにある.手始めにすることは, 量子確率過程論 の基礎概念 を我 々 の立場 か ら再考す ることであ り, 本稿 の 目的で もあるが,まだ端初 についたばか りである.従来, 量子確率論 においては古典確率解析 のアイデ ア と相 まって,ヒルベル ト空間上 の有 界作用素のなす作用素環の理論 が主要な道具 となっている.