He l i u m--Bo s e系 の動的臨界現象 東大 ・理 五 十 嵐 儀 孝 静的臨界現象の究明に引 き続 き,動的な問題 をs c a l i n g則の観 点か ら, くりこみ群 の 手段 を用いて研究 され始 めて, 3-4年経過 した。くりこみ群 の有効性 は,既存の確立 され た模型 (多 くは確率過程論的 )の動的臨界指数 ,その間の関係 ,臨界揺動変数の分 類 に於 いて発揮 された。 所 で,現実の体系 の微視的/ 、ミル トニアン記述に基礎 を置 いて 強非線形効果 をくりこむ際に問題 になるのが,運動方程式系が容易 に固定化 されず ,過 渡的挙動が現れ る事である。 TDGI 」模型では固定化 された散逸 関数, 自由エネルギー を出発 点 とす るので ,揺動力 くりこみ効果 を除けば安定な模型である。 この過渡的挙動 の主因は, P r o p a g a t i o n -Di f f u s i o nクロスオーバー と散乱の頂点関数 の持つ動 的な弱異 常性であ り, B o s e系 の }転移 の臨界現象で典型的 に困難 さを露出す る。 かかる過渡的 模型に対 して, くりこみ群 の方法 を直接用いる と,複雑極 ま り無い上 に,臨界特性 に関 与す る諸変数 の くりこみ効果 を見失 う可能性がある。 そこで, くりこみ群 と 6-4-d 展開法が模型 を確立す る上で も有効な指針 となる事 を示す 。 量子力学系 の伝統的記述法,温度 グ リー ン関数 G( i Q ' n)に対す るD y s o n方短式 を解 析接続 して,諸散乱過程 の物理的 ( TDGI 」 模型 との対応 ) 相違 に着 目して整理すると非 線形 応答型 と,二体相関型 の 4点関数が現れ ,解析領域 の境界 を無視す ると前者が残存 して, TDGI 」 模型の秩序パ ラメー タの応答関数に対す る Dy s o n形方程式に類似す る。 しか しなが ら,解析性 の内容である散乱の因果律が動的臨界現象で副次的法則になる とは考 え得ない.解析性 を無視できない事は, D y s o n方程式 R を整理す る際に調べた次 の性質か らも明かである。 4頂点関数 の解析額域は図の様 に, 1 6個に分裂す る。 それ ぞれの境界線 で実周波数の弱い異常項 の振幅のギャ ップを, e展開法で求めると,結合 周波数 ( a , 1+ W2 ,6 ) 1 -a ' 4 , a ' 2 1a ' 4 )と個別周波数 ( wi ) の異常項振幅 ギャップ比が 1‥ 8とな る。これ は 4点関数 の摂動展開表 式でG R ( a)として出発点のG雷( a)で も, 極限的に くりこみ効果 を受けた場合 の形 と考え られ る拡散形の GRニ ト i U +k 2 ) -1を 用いて も結果 に主要な変化 は無い。 この様 に結合定数の大きさや, G R( W) の形 に依 ら
注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。
1 】 二個 の S-1 / 2ス ピンと二個 の S-1ス ピンが交互 に並 んだ量子ス ピン鎖の基底状態 【 共同 研究者: 引原俊哉 ( 神戸大 自然科学) , 鏑木誠 ( 神戸大 国際文化) , 西野友年 ( 神戸大理) , 宮下精 二 ( 東大工) , H. -∫ .Mi k e s k a( I T P , U山Ⅴ .Ha n n o v e r ) ] 1 9 8 3年 におけ るハ ルデ ン仮説1 ) の提唱及 びそれ に関連 したその後 の多 くの数値 的, 解析 的, 実験的研究 を契機 として, 近年, 低次元量子 ス ピン系 の量子非磁性基底状態 におけ る相転移 の 問題が盛 んに研究 されている.このような量子非磁性基底状態 における相転移 を理解す る上で, Aae c k -Ke n n e d y -L i e b -T a s a k i 2 ) によって導入 された V a l e n c e -Bo n d -S o l i d( VBS )措像, 即 ち, 量 子非磁性状態 にある各相が シンダ レットペア ( ス ピン一重項)の敷 き詰め方' の違い3 ) によって 理解で きる とい う考 え方 は, 非常 に重要である.この措像 に対す る, 格子が作 り出す ミクロな空 間的構造の果たす役割は大 きく, 実際, 各種のフラス トレー ト系, ボ ンド交代系, 梯子格子系, デ イ ブ リー ト系等 で起 こる興味 ある相転移が数多 く議論 されている.例 えば, 一般 の大 きさ S をも つ量子 ス ピンか らなるボ ンド交代鎖 において, ボ ンド交代パ ラメータ 6の値 ( f 6 r ≦1 )を変化 さ せ るとき, 2
微視的な運動方程式か ら出発 してマスター方程式や確率微分方程式な どの巨視的な方程式を導 出す る際,時間 と空間の粗視化が重要である ( 以下では,時間の粗視化のみを扱 う) 。ただ し,確 率微分方程式 とはランジュバ ン方程式 と確率 L i o u v i l l e 方程式を意味す るもの とす る。量子系でも He i s e n b e r g 方程式か ら量子マスター方程式や量子確率微分方程式 ( QS DE) を導出す る際に,同様 の事情が存在す る。 量子マスター方程式は,通常,熱浴 と相互作用ハ ミル トニアンHl-∑ k ( a b と +aaとL e g g e t t 【 1 2 , 1 3 】によ り摩擦が速度 に比例す るオーム 的散逸の条件 として提出 されている.I-X型 のハ ミル トニアンは回転波近似 によ り線形散逸結合 の相互作用ハ ミル トニアンに帰着す る。 QS DEをミクロな視点か ら導出す る試みが数多 くなされている。その多 くは,He i s e n b e r g方程 式をL a n g e v i n方程式型 に書 き換 えるもので 【 1 4 , 1 5 ] ,通常の微分方程式が どのよ うに して確率微 分方程式に変化す るのかは明 らかではない。 この論文では,確率的時間発展演算子 を得 る際に適切な時間の粗視化 を行 うことにより,量子 研 究会報告 Kr a me r s 方程式に対応す るQS DEを導出す る。導出にあたっては,量子マスター方程式 とQS DE に対す る適切 な枠組み を提供す る [ 1 6 日2 6 】系統的な正準演算子形式である非平衡 Th e r moF i e l d Dy n a mi c s( NE TF D) [ 2 7 日3 1 ]を用いることにす る。 2 微視的モデル 熱浴 と相互作用す る調和振動子 を考 える。系のハ ミル トニアンは Ht o t-Ho +入Hl , Ho -Hs+HR , ( 1 ) と与えられ る。ただ し,Hs お よびHR はそれぞれ注 目す る振動子お よび熱浴の 自由ハ ミル トニア ンで,( 8 ) を満たす。 NE TF Dでは,演算子 a , a I , b k, b tの他 にテ イル ド付き演算子丘 , a t , 5 k 湖 を考える.ただし, テイル ド 共役-は次のよ うに定義 され る。 ( AI A2) --AI A2, -36 2-( 9 ) 「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 ( c I Al +C 2 A2 ) --C ; Al +C 芸 Å 2 , ( A) --A, ( AI) --A t .Al , A 2お よび Aは演算子, c l お よびC2はC 一 数である.以下では,( a , a I , a , a I ) の表現空間を7 t sと 記 し,( b k , 舶 k , b i ) の表現空間を砧 と記す ことにす る.
o b a t a @ m a t h・ n a g o y a -u・ a c ・ J p l は じめに 揺 らぎを含む物理現象の時間発展は確率微分方程式で記述 され る. 確率積分が厳密 に定式 化 され, 確率微分方程式の基礎付 けがな されたのは 1 9 4 0年代のことであ り, 伊藤理論 として 広 く知 られているが,半世紀 を経た今 日では,よ り無限次元解析 としての色彩が強ま りなが ら様 々に発展 している.それらは, 包括的に 「 確率解析」 と呼ばれているが, そ こでは,ラン ダム性 を無限 自由度に言い換 え, 確率的な対象 を無限次元的な対象 に変換 して議論がな され る.この観点に立つことで, 超関数論な どの関数解析的手法が導入 され易 くな り, 理論が大き く発展す るのである.無限次元解析は,理論構成上の 自由度 も大きく, 何 を礎 とす るかによっ て様 々な流儀がある.なかでも Ma l l i aS c h wa r t zの超関数論によっ て, それまでは意味が暖味であった Di r a cのデル タ関数が正 当化 され, 計算ルールが厳密に 与えられたよ うに, ホワイ トノイズに厳密な定式化が与えられ, 文献に散見 され る 「 形式的」 計算 ( 通常の微積分 と同様な計算) が, ホワイ トノイズ解析の枠組みで理解 され るようになる・ 多 くの場合, 形式的計算 を結果的に正 しい と認めることになっても, ホワイ トノイズ解析が理 論 として意味を失 うものではない.' s c h wa r t z超関数論が, 結局は, デル タ関数な どの形式的 計算 を追認す ることになって も, S c h wa r t z超関数論が不要にはな らないの と同 じである, ホワイ トノイズ解析は,当初, 伊藤解析の拡張 としてスター トした 【 1 5 ]ため, 対象は 「 古 典」確率論の範境 を出るものではなかった.一方,量子確率解析 は, その創始 t 2 1 ]の頃か ら, 量子物理の問題意識か らであろ うが,ヒルベル ト空間論か ら離れず に発展 してきた とい う経 緯がある.その両者のアイデアを融合して,さらなる展開を 目指す試みは,ホ ワイ トノイズ 作用素論 [ 3 3 ]の一応の完成 とともに, 1 9 9 2 年 ころか ら開始 したが,目下の状況は発展の好機 を思わせ る.本誌上において も,ホワイ トノイズ解析の基礎理論 とともに,ホワイ トノイズ による量子確率積分, 量子確率過程のホワイ トノイズによる表示, 量子確率微分方程式 とホ ワイ トノイズ方程式の関連な どについて報告 してきた [ 3 5 ] ,岡 ,【 3 9 ] ・本論文では,高次の ホワイ トノイズ ( ホワイ トノイズの非線形関数)をノイズ項 として含む量子確率微分方程式 を, 「 正規積 ホ ワイ トノイズ微分方程式」 として定式化 し, 解の一意存在 を論 じる.その際, Co c h r a n -Ku o -S e n g u p t a[ 1 4 】による一般的な枠組みが有用である.実際,これまでに,空間を 拡張 して解の存在 を保証す るとい う形の定理 ( 超関数的な解の存在) については十分論 じてき た [ 4 0 ] , [ 4 1 日 4 3 日 4 4 ]ので, 本論文では, 解がいつ F o c k空間の ( 非有界) 作用素になるか ( 超 -「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 の簡略形であ り,この積分は伊藤型量子確率積分を意味す る.さらに, 方程式 ( 2 .3 ) は, 指数ベ ク ト ル に関す る行列要素 ( これ を作用素 シンボル とい う) に対す る方程式に書 き直せ ば, 《 X擁 , 4 , 刀 ) ) -《 4 , i , 4 , り )+ / E t ( 《に等 しくなる・したがって, ( 2 .5 ) か ら作用素の部分だけを取 り出せ ば, X i -I + / -- とな り, さらに tで微分すれ ば, d Xl d t ( L l a : Xs a s +L 2 Xs a s +L 3 a s * Xs +L 4 Xs ) d s -L l a ; Xt at +L 2 Xt al +L3a ; Xl +L4Xl , X ( 2 .6 ) -I , ( 2 .7 ) となる・最後 に, 場 の理論で使 われ る正規積 ( Wi c k 積)を用いて書 き直す.Wi c k積 を ◇で表 せ ば, a s ◇at-a s a t , a s * ◇at-a s * a t , a s ◇a ;-a i * a s , a s * ◇a l * -a ; a i * ・ また, 一般 の作用素 X に対 しては, ( a ; 1 ・ ・ ・ a s * l a t l-・ a t m )◇ X-a ; 1 -・ a s * , Xa t l・ -ai m なる性質 を持つ.したがって, ( 2 .7 ) は Wi c k積 に関す る線形方程式 ( L l a l * at+ L 2 a t +L 3 a l * +L4)◇Xl , X-I, ( 2 .8 ) に帰着 され る・こ うして, 量子確率微分方程式 ( 2 . 1 ) は, 単純な線形方程式 ( 2 .8 )と同値 となる.
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
マ クロな系に量子力学 を適用す る際は量子化 された場 の理論 を用いると都合がよい。系 を簡単の為 l o c a lな b o s o n場 q , ( x )(とその共役 量 7 C ( x ) )で記述す る。 まず マ クロな系には示強変数 と示量変数 があるこ とに注意す るO体積 をⅤとして示強変数 を2つの クラスに分 けるO クラス I--平均操作 で表わ され るもの 例 :吉Jd 3xp( x) ・ 吉Jd 3xJd 3y?( x) C( x-y)" y ) クラス 丑 -l o c a lな情報 をもつ もの 例 : Q , ( x), 7 E ( x), Jd 3 yc ( x-y)や ( y ) さて, マ クロな系 を Ⅴ--で表現す ることにす ると, この l i mi tでは示量変数 は Hi l b e r ts p a c eの o p e r a t o rとしては存在 しない。行列要素が -となるか らであるO-方, クラス 1の示強変数 は f l n c t ua t i o nを失 うことが知 られている。 これは数学 で言 う大数 の法則, もっ と詳 しくは中心極 限定理 であ り, 物理では s t a t i o n a r y p h a s eで証明できる。 このクラスの o p e r a t o rは C -n u mb e rとなるとい うことであ り, f l u c t u a t i o n を失 うとい うこ との証 明に もこの C -n u mbe rの時間発展 を決めるにも,素粒子 で使 われ る e f f e c t i o n a c t i o n I ,を用いるとよい.これは系の Ha mi l t o n i a n HM が与 えれば一般的な r u l eで計算 できる。 そこで, クラス Iの任意 の o p e r a t o rA の e f f e ca t o r ではな くなるので,Hi l b e r t 空間はクラス Ⅱの示 強変数 で定義 され る。 クラス Ⅰの C -n u mb e rの値 a( t )は Hi l b e r t空間 を指定するパ ラメー ター とな っ てお り, 1つ 1つの C -n u mb e r値に対 して各 々 Hi l b e r t空間が対応す る。 この様な事情 は,素粒子 ・ 原 子核 ・ 物性 を通 じて多数 の実例 が存在す る。このことは,クラス I の示強変数 の値 をシフ トで きる o p e r a t o r は示量 変数 であるが,示量変数 は, マ クロな l i mi t