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物性研究

散逸のあるKerr媒質による光子数の量子非破壊測定(第7回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

幸夫 遠藤, 敏彦 有光

Published Jan 20, 2000• 0 citations
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Abstract

遠藤幸夫 ( Yd k i oE NDO)千 , 有光敏彦 ( T o s h i h i c oAR I MI T S U)辛 l 導入 量子非破壊測定 ( Qu a n t u m No n -De mo l i t i o nMe a S u r e mも , 以下 QND測定)とは,被測定量に 共役な物理量の不確定 さを増加 させるとい う犠牲 を払 う変わ りに, / 被測定量の自由な時間発展ところが,我々が 目にする測定装置は,全 く光吸収のない媒質は存在せず,必ず入射光の強 度の一部を吸収する.つまり,物理的実現性 を考えるのであれば,少な くとも光Ke r r 媒質によ る散逸の効果 を考慮 しなければならない.そこで,井元らは,入射光の一部のみを通過させる 損失板 ( l o s sp l a t e )を便宜上考え,それを用いることで,媒質による散逸効果を取 り入れた 【 6 1 .この損失板は,簡単 に散逸効果を表す意味で有効的であるが,系のダイナ ミックスをきちんと 与えていない.Th e r moF i e l dDy n a mi c s ( NE TF D)【 7 日9 】は,非平衡散逸系を正準 演算子形式の場の理論 として記述で きることが知 られている.そこで我々は,井元らが提案 した 光Ke r r 媒質による光子数のQND測定問題 を,散逸のあるKe r r 媒質の問題に拡張 し,NE TF D の体系で定式化 した.その結果 として,井元 らが提案 した測定装置では散逸による測定精度の 限界が現れるため,光子数のQND測定は不可能であることが示せた.2 散逸 を考慮 しない場合の QND測定 まず,s i g n a l 光 とp r o b e 光 とを相互作用 させるKe r r 媒質の部分を考察する.散逸効果を考慮しない場合,全系 ( s i g n a l 光 とp r o b e 光)のHa mi l t o n i a n( A-1 ) は H -Hs+ Hp+ HI , ' I n s t i t u t e o f P h y s i c s , U n i v e r s i t yo f T s u k u b a , I b a r a k i 3 0 5 -8 5 7 1 , J a p a n f e n d o @ c m・ p h ・ t s u k u b a ・ a c ・ J P i a r i mi t s u @ c m. p h .t s u k u b a .a c .j p -76 2-(1 )

Related papers

非平衡・量子散逸系の正準理論 : 量子系確率微分方程式の一貫した枠組み(筑波大学開学20周年記念第2回『非平衡系の統計物理-現状と展望』シンポジウム,研究会報告)

敏彦 有光

m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.

物性研究•Apr 20, 1994•0 citations

非線形減衰振動子に対する量子確率微分方程式の微視的導出(第5回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

健 斎藤, 敏彦 有光

注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。

物性研究•Feb 20, 1999•0 citations

柴田・橋爪のLangevin方程式はStratonovich型かIto型か?(第5回『非平衡系の統計物理』シンポジウム)

隆 今給黎, 健 斎藤, Kae Nemoto +1 more

クイーンズラン ド大物理 1 は じめに 量子系における微視的なハ ミル トニアンで記述 され るモデルか らL a n g e v i n方程式を導出 す る試みは,古 くか ら行われてきた.特に,射影演算子法によるL a n g e v i n方程式の導出 は,森 【 1 ] によ り始め られ,多 くの研究者によって調べ られてきた.柴 田 ・ 橋爪 [ 2 】 は,熱浴 と相互作用す るスピン系に対 して射影演算子法を適用す ること により,ス ピン緩和に対す る量子 L a n g e v i n方程式を導出 した・その際,注 目す 卑系甲演 算子に対す るHe i ' s e n b e r g方程式か ら出発 し,通常の解析関数 に対す る規則 に したがって 計算を進めている, したがって,導出された量子 L a n g e v i n方程式は,通常の計算規則 に したが うS t r a t o n o v i c h型の確率微分方程式であると理解すべきであろ う. 一方,散逸現象を正準形式の場の理論 として取 り扱 うNo n -E q u i l i b r i u m Th e r moF i e l d Dy n a mi c s ( NE TF D) 【 3 日7 Jの一貫 した体系か ら見 ると,柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式は I t o 型の確率微分方程式 と理解すべきとい う結論が得 られる.これは先ほどの結果 と矛盾 してお り,微視的に導出されたL a n g e v i n方程式に対 して,その計算則をきちん と定める 必要があるとい う問題が現れた.本論文では,ス ピン緩和 と減衰調和振動子の例 を用いて,射影演算子法によ り導出さ れた量子 L a n g e v i n方程式の確率過程 としての計算則がI t o 型である事を,保存量の微分を 計算す る事によ り具体的に示す [ 8 】 .次章では,NETF DにおけるL a n g e v i n方程式を導出 す る.NE TF Dの体系では,いくつかの公理か らL a n g e v i n方程式の形が決定する.第3 章 では,柴 田 ・ 橋爪の方法に沿って L a ng e v in方程式を導出す る.第 4章では,ス ピン緩和 に対する柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式に対 して,その計算則がI t o 型になっている事を, 保存量の微分を計算す る事によって示す.また,減衰調和振動子のモデルに対しても,柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式が I t o 型になっている事を示す・ -8 7 0-「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』.シンポジウム」 2 NETFDにおけるL a n g e v i n方程式 柴田・ 橋爪のL a n g e v i n方程式 と比較 しうる,NE TF DにおけるL 弧g e V i n方程式を導出する・ 乱雑力 と相互作用する系を考える・NE TF Dでは,状態 l O f ( i ) ) は確率 L i o u v il l e 方程式, d l O f ( i ) ) --m f , t d tl O f ( i ) ) , に従って時間発展す る.( 1 ) 式の積は,I t o 型の積である.無限小時間発展演算子であるハ ッ ト・ ハ ミル トニアン T t f , t d t は, ( i 7 i f , t d t ) --i 7 1 J , 刺 を満たす.ここで,テイル ド共役-は,任意の演算子 A, Al , A 2 に対 して, ( AI A 2 ) --AI A 2 , ( c I A l +C 2 A2 ) --C ; A l +C ; A 2 , ( A) --A, ( A t ) --( A ) I , で定義 され る.ただ し, c l ,C 2 はc 数である.ハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 t f , t d l は,注 目す る系に関 して確率の保存を表す式,) ( d F I Z d F 1 7 ) -( d F l f d F I Z ) -6 6 ( i -t ′ ) d t d t ′ , を持つ定常 Wi e n e r 過程 を仮定す る.Wi e n e r 過程の演算子は, ( I d F t '-( l d 育 , ( l d F t z-( I d F t z , を満たす.ハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 i f , t d t に対 して, ・S 土 , s z , d F t j = , d F t z及びそのテ イル ダ共役 に関 して 2次まで・ .大局的位相変換S -S e i O , d F t -d F re i Oの下で不変.の要請 を仮す.但 し, S 土は S 土-s x士i s yで定義 され る. この要請 の下で得 られ るI t o 型のハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 tf , t d t は, 7 1 f j d ths d t +i( h R +H D ) d t +d ht , ( 2 4 ) ( 2 5 ) ( 2 6 ) h s -u ( s z -S -X ) +△ 1 ( ( s Z ) 2 -( S -Z ) 2 ) +A2 ( S + S 一一S -+ S --) , ( 2 7 ) h R-芸 ( 7 0 1 -7 1 0 ) ( ( S +-S --) ( p s -+ " 5 ' ) +七 ・ C ・ ) , ( 2 8 )

物性研究•Feb 20, 1999•0 citations

9. ミクロから導出されたマスター方程式に基づく速いスピン緩和の解析(第9回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

元 木村, 一哉 湯浅, Kentaro Imafuku

「 第9回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 • • Ra p i d l yd e c a y l n gS p l nS y s t e m b a s e do nt h es t o c h a s t i cl i mi ta p p r o a c h 早稲 田大学 理工学研究科 木村 元, * 1湯浅 一哉* 2 ローマ第二 ヴ オルテラ研 究所 今福 健太郎* 3 散逸現象 な どの不可逆過程 を, 時間反転対称性 をもつ量子論 に基いて記述で きるか否か とい う問題 は, 非平衡統計力学の基礎 のほか量子論 における観測問題 とも係 わ り興味深 く重要なテーマである.この問題 に対す る標準的 なアプローチ としては, 対象系 と相互作用す る環境系 を考慮 に入れる方法 があ る.つ ま り,仝体系一一 " 対 象系" +" 環境系" -を閉 じた系 として量子論 を展 開 し, 改 めて対象系 の ダイナ ミクス ( R e d u c e dD y n a mi c s ) を抽 出す る.この とき環境系の 自由度が無限大であ ることを想 定する と, 対象系の不可逆 な振舞 いが導かれ るのである 川. 量子光学では, 例 えば電磁場 の環境下 にある原子の振舞 いに興味がある.そこで扱 う仝体系ハ ミル トニア ンは Ht .t-Hs+ A V+HB (1) である.ただ し, Hs , HB はそれぞれ原子系, 電磁場のハ ミル トニア ンであ り, 両者 間の相互作用 入 V は電磁相互作用 であるため了トさい結合定数 ( 入≪ 1 ) が想定 される.一方で, 全体系ハ ミル トニア ン が式 ( 1 )とは異 なるスケー リングを持つ Ht .t-' 2 Hs+ A V+HB ( 2 ) とい う系 も興味深 い.ただ し,入 2 Hs , J I B, 入 V はそれぞれ対象系,環境系, 相互作用のハ ミル トニア ンであ り, 入≪ 1 .この系で は,弱相互作用系 である式 ( 1 )のハ ミル トニ ア ンか ら導 かれ る遅 い緩和 に比べ て " 速い緩和 ( R a p i dDe c a y ) "が導かれ ることになる.本稿で着目す るのは この スケー リング の系である.具体的 にス ピン ・ボ ソン系 [ 2 ] を例 にと り,ハ ミル トニ ア ン ( 2 ) の系 に見 られ る興味深 い構造 を紹介 しよう.式 ( 1 ) の系か ら散逸過程 を導 く有力 な手法 としては v a nH o v e 極 限 ( A-0 , T-入 2 t ' 固定)[ 3 ] が 有名である.弱結合極限と時 間の スケール変換 とを同時 に行 な うことで, 指数関数的散逸 を導 くこと がで きる.また,この方法 に基礎 を置 く確率極 限 ( S t o c h a S t i cL i mi t )[ 4 1とい う強力 な手法があるが, 最近我 々は,ハ ミル トニ ア ン ( 2 ) の系 に対す る確率極 限の枠組み を新 たに構築 した 【 5 ト 本稿では,

物性研究•Feb 20, 2002•0 citations

古典量子チャネルに対する光変調方式の情報伝送効率について(第7回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

Nadeer Aljaroudi, 慶一 菊池, 昇 渡邉 +1 more

A I J a r o u d i Na d e e r , 菊池慶一,渡達 昇,大矢雅則 東京理科大学理工学部情報科学科 〒2 7 8 -8 5 1 0千葉県野 田市 山崎2 6 4 1 e -ma i 一 : w a t a n a b e @i s .n o d a .s u t .a c .J P 1.序章 oh y a によって定式化 された相互エ ン トロピーは入力状態の情報が どれだけ出力系 に正 しく伝 え られたか を表 わす量 であ り、量子通信過程 において非常 に有用 な量 であ る.Oh y a 相互エ ン トロピー を用いる と量子通信路容量が定め られる.通信路容量 は チ ャネルが入力の情報量 を最大で どれだけ正確 に出力系 に伝達す ることがで きるか計 るための尺度であ り、チ ャネルの設計 に関 して重要 な基準 となっている.本論文では以上の ことをふ まえて、 2章 において,文献[ 1 , 9 ] に従 ?て量子チ ャネル, 量子チ ャネルの数学的構成法,そ して減衰過程 に相応す る光チ ャネルの数理モデルの 構成法 について述べ, 3 章 において,文献[ 1 , 3 , 5 , 9 ] に従 って量子系のエ ン トロピー, 量子相互エ ン トロピー,そ して量子通信路容量 について述べ, 4章 において,本研究 で用いた光変調方式, C-Qチ ャネルの通信路容量 について説明 し, 5章 において,C-Q チ ャネル通信路容量の数値計算 を行 い,最後 に 6章では

物性研究•Jan 20, 2000•0 citations

量子teleportationのチャネルによる定式化(第5回『非平衡系の統計物理』シンポジウム)

啓 井上

「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 量子t e l e p o r t a t i o n の チ ャネル による定式化 東京理科大学 井上 啓 ( Ke i l n o u e ) 1. は じめに 量子状態 を観測するとその状態が壊れて しまい,修復で きな くなって しまうこと か ら,量子状 態 を完全 に伝達するこ とは不可能 であると従 来か ら考 え られて きた.そこで,B e n n e t t 等は量子状態 を完 全 に伝達す るのではな く,E P R等 の量子相関 を利 用 し,瞬時ではないが離れた ところにその量子状態 を再現する方法 を考案 した【 1 】 .この方法は,量子テ レポーテーシ ョンと呼ばれ,量子状態 自身を伝達 する量子論的 な通信路 と電話 などによって情報 を送 る古典的な通信路の2 つ を組み合わせ ることに よって構成 され ている.B e n n e t t 等 はこの量子 テ レポーテーシ ョンが実現で き̲ a具体 例 を紹介 しているが,量子テ レポー テーシ ョン過程が どの ような場合実現で きるか 等 についての効率 を厳密 に議論するためには,量子状態の伝達 を直接扱 える量子情 報理論の立場 か ら解析す る必要があ る.そこで,今回,この量子情報理論の観点か ら,量子 テ レ-ポーテー シ ョン過程 のチ ャネルの定式化 を行い,量子相互エ ン トロ ピー( oh y a ) 【 6 ]を用いてB e n n e t 等が紹介 したor i g in a l モデルの通信効率 を考察 し,こ れ らのモデルの特徴付 けを行 った.2.量子テ レポーテーション過程 送信者 をAl i c e , 受信者 をB o b とすると,量子 テ レポーテーシ ョン過程 は,以下のよ うな4 つのS T E Pによって記述 される【 l 】 .これ らのステ ップの うち,s E T Pl , 2 , 4が量 子論的な通信過程 に相当する.塾 聖上: ある仙閲を持 った状態 ( 例,

物性研究•Feb 20, 1999•0 citations
遠藤幸夫 ( Yd k i oE NDO)千 , 有光敏彦 ( T o s h i h i c oAR I MI T S U)辛 l 導入 量子非破壊測定 ( Qu a n t u m No n -De mo l i t i o nMe a S u r e mも , 以下 QND測定)とは,被測定量に 共役な物理量の不確定 さを増加 させるとい う犠牲 を払 う変わ りに, / 被測定量の自由な時間発展ところが,我々が 目にする測定装置は,全 く光吸収のない媒質は存在せず,必ず入射光の強 度の一部を吸収する.つまり,物理的実現性 を考えるのであれば,少な くとも光Ke r r 媒質によ る散逸の効果 を考慮 しなければならない.そこで,井元らは,入射光の一部のみを通過させる 損失板 ( l o s sp l a t e )を便宜上考え,それを用いることで,媒質による散逸効果を取 り入れた 【 6 1 .この損失板は,簡単 に散逸効果を表す意味で有効的であるが,系のダイナ ミックスをきちんと 与えていない.Th e r moF i e l dDy n a mi c s ( NE TF D)【 7 日9 】は,非平衡散逸系を正準 演算子形式の場の理論 として記述で きることが知 られている.そこで我々は,井元らが提案 した 光Ke r r 媒質による光子数のQND測定問題 を,散逸のあるKe r r 媒質の問題に拡張 し,NE TF D の体系で定式化 した.その結果 として,井元 らが提案 した測定装置では散逸による測定精度の 限界が現れるため,光子数のQND測定は不可能であることが示せた.2 散逸 を考慮 しない場合の QND測定 まず,s i g n a l 光 とp r o b e 光 とを相互作用 させるKe r r 媒質の部分を考察する.散逸効果を考慮しない場合,全系 ( s i g n a l 光 とp r o b e 光)のHa mi l t o n i a n( A-1 ) は H -Hs+ Hp+ HI , ' I n s t i t u t e o f P h y s i c s , U n i v e r s i t yo f T s u k u b a , I b a r a k i 3 0 5 -8 5 7 1 , J a p a n f e n d o @ c m・ p h ・ t s u k u b a ・ a c ・ J P i a r i mi t s u @ c m. p h .t s u k u b a .a c .j p -76 2-(1 )
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。
クイーンズラン ド大物理 1 は じめに 量子系における微視的なハ ミル トニアンで記述 され るモデルか らL a n g e v i n方程式を導出 す る試みは,古 くか ら行われてきた.特に,射影演算子法によるL a n g e v i n方程式の導出 は,森 【 1 ] によ り始め られ,多 くの研究者によって調べ られてきた.柴 田 ・ 橋爪 [ 2 】 は,熱浴 と相互作用す るスピン系に対 して射影演算子法を適用す ること により,ス ピン緩和に対す る量子 L a n g e v i n方程式を導出 した・その際,注 目す 卑系甲演 算子に対す るHe i ' s e n b e r g方程式か ら出発 し,通常の解析関数 に対す る規則 に したがって 計算を進めている, したがって,導出された量子 L a n g e v i n方程式は,通常の計算規則 に したが うS t r a t o n o v i c h型の確率微分方程式であると理解すべきであろ う. 一方,散逸現象を正準形式の場の理論 として取 り扱 うNo n -E q u i l i b r i u m Th e r moF i e l d Dy n a mi c s ( NE TF D) 【 3 日7 Jの一貫 した体系か ら見 ると,柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式は I t o 型の確率微分方程式 と理解すべきとい う結論が得 られる.これは先ほどの結果 と矛盾 してお り,微視的に導出されたL a n g e v i n方程式に対 して,その計算則をきちん と定める 必要があるとい う問題が現れた.本論文では,ス ピン緩和 と減衰調和振動子の例 を用いて,射影演算子法によ り導出さ れた量子 L a n g e v i n方程式の確率過程 としての計算則がI t o 型である事を,保存量の微分を 計算す る事によ り具体的に示す [ 8 】 .次章では,NETF DにおけるL a n g e v i n方程式を導出 す る.NE TF Dの体系では,いくつかの公理か らL a n g e v i n方程式の形が決定する.第3 章 では,柴 田 ・ 橋爪の方法に沿って L a ng e v in方程式を導出す る.第 4章では,ス ピン緩和 に対する柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式に対 して,その計算則がI t o 型になっている事を, 保存量の微分を計算す る事によって示す.また,減衰調和振動子のモデルに対しても,柴 田 ・ 橋爪のL a n g e v i n方程式が I t o 型になっている事を示す・ -8 7 0-「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』.シンポジウム」 2 NETFDにおけるL a n g e v i n方程式 柴田・ 橋爪のL a n g e v i n方程式 と比較 しうる,NE TF DにおけるL 弧g e V i n方程式を導出する・ 乱雑力 と相互作用する系を考える・NE TF Dでは,状態 l O f ( i ) ) は確率 L i o u v il l e 方程式, d l O f ( i ) ) --m f , t d tl O f ( i ) ) , に従って時間発展す る.( 1 ) 式の積は,I t o 型の積である.無限小時間発展演算子であるハ ッ ト・ ハ ミル トニアン T t f , t d t は, ( i 7 i f , t d t ) --i 7 1 J , 刺 を満たす.ここで,テイル ド共役-は,任意の演算子 A, Al , A 2 に対 して, ( AI A 2 ) --AI A 2 , ( c I A l +C 2 A2 ) --C ; A l +C ; A 2 , ( A) --A, ( A t ) --( A ) I , で定義 され る.ただ し, c l ,C 2 はc 数である.ハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 t f , t d l は,注 目す る系に関 して確率の保存を表す式,) ( d F I Z d F 1 7 ) -( d F l f d F I Z ) -6 6 ( i -t ′ ) d t d t ′ , を持つ定常 Wi e n e r 過程 を仮定す る.Wi e n e r 過程の演算子は, ( I d F t '-( l d 育 , ( l d F t z-( I d F t z , を満たす.ハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 i f , t d t に対 して, ・S 土 , s z , d F t j = , d F t z及びそのテ イル ダ共役 に関 して 2次まで・ .大局的位相変換S -S e i O , d F t -d F re i Oの下で不変.の要請 を仮す.但 し, S 土は S 土-s x士i s yで定義 され る. この要請 の下で得 られ るI t o 型のハ ッ ト・ ハ ミル トニアン 7 tf , t d t は, 7 1 f j d ths d t +i( h R +H D ) d t +d ht , ( 2 4 ) ( 2 5 ) ( 2 6 ) h s -u ( s z -S -X ) +△ 1 ( ( s Z ) 2 -( S -Z ) 2 ) +A2 ( S + S 一一S -+ S --) , ( 2 7 ) h R-芸 ( 7 0 1 -7 1 0 ) ( ( S +-S --) ( p s -+ " 5 ' ) +七 ・ C ・ ) , ( 2 8 )
「 第9回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 • • Ra p i d l yd e c a y l n gS p l nS y s t e m b a s e do nt h es t o c h a s t i cl i mi ta p p r o a c h 早稲 田大学 理工学研究科 木村 元, * 1湯浅 一哉* 2 ローマ第二 ヴ オルテラ研 究所 今福 健太郎* 3 散逸現象 な どの不可逆過程 を, 時間反転対称性 をもつ量子論 に基いて記述で きるか否か とい う問題 は, 非平衡統計力学の基礎 のほか量子論 における観測問題 とも係 わ り興味深 く重要なテーマである.この問題 に対す る標準的 なアプローチ としては, 対象系 と相互作用す る環境系 を考慮 に入れる方法 があ る.つ ま り,仝体系一一 " 対 象系" +" 環境系" -を閉 じた系 として量子論 を展 開 し, 改 めて対象系 の ダイナ ミクス ( R e d u c e dD y n a mi c s ) を抽 出す る.この とき環境系の 自由度が無限大であ ることを想 定する と, 対象系の不可逆 な振舞 いが導かれ るのである 川. 量子光学では, 例 えば電磁場 の環境下 にある原子の振舞 いに興味がある.そこで扱 う仝体系ハ ミル トニア ンは Ht .t-Hs+ A V+HB (1) である.ただ し, Hs , HB はそれぞれ原子系, 電磁場のハ ミル トニア ンであ り, 両者 間の相互作用 入 V は電磁相互作用 であるため了トさい結合定数 ( 入≪ 1 ) が想定 される.一方で, 全体系ハ ミル トニア ン が式 ( 1 )とは異 なるスケー リングを持つ Ht .t-' 2 Hs+ A V+HB ( 2 ) とい う系 も興味深 い.ただ し,入 2 Hs , J I B, 入 V はそれぞれ対象系,環境系, 相互作用のハ ミル トニア ンであ り, 入≪ 1 .この系で は,弱相互作用系 である式 ( 1 )のハ ミル トニ ア ンか ら導 かれ る遅 い緩和 に比べ て " 速い緩和 ( R a p i dDe c a y ) "が導かれ ることになる.本稿で着目す るのは この スケー リング の系である.具体的 にス ピン ・ボ ソン系 [ 2 ] を例 にと り,ハ ミル トニ ア ン ( 2 ) の系 に見 られ る興味深 い構造 を紹介 しよう.式 ( 1 ) の系か ら散逸過程 を導 く有力 な手法 としては v a nH o v e 極 限 ( A-0 , T-入 2 t ' 固定)[ 3 ] が 有名である.弱結合極限と時 間の スケール変換 とを同時 に行 な うことで, 指数関数的散逸 を導 くこと がで きる.また,この方法 に基礎 を置 く確率極 限 ( S t o c h a S t i cL i mi t )[ 4 1とい う強力 な手法があるが, 最近我 々は,ハ ミル トニ ア ン ( 2 ) の系 に対す る確率極 限の枠組み を新 たに構築 した 【 5 ト 本稿では,
A I J a r o u d i Na d e e r , 菊池慶一,渡達 昇,大矢雅則 東京理科大学理工学部情報科学科 〒2 7 8 -8 5 1 0千葉県野 田市 山崎2 6 4 1 e -ma i 一 : w a t a n a b e @i s .n o d a .s u t .a c .J P 1.序章 oh y a によって定式化 された相互エ ン トロピーは入力状態の情報が どれだけ出力系 に正 しく伝 え られたか を表 わす量 であ り、量子通信過程 において非常 に有用 な量 であ る.Oh y a 相互エ ン トロピー を用いる と量子通信路容量が定め られる.通信路容量 は チ ャネルが入力の情報量 を最大で どれだけ正確 に出力系 に伝達す ることがで きるか計 るための尺度であ り、チ ャネルの設計 に関 して重要 な基準 となっている.本論文では以上の ことをふ まえて、 2章 において,文献[ 1 , 9 ] に従 ?て量子チ ャネル, 量子チ ャネルの数学的構成法,そ して減衰過程 に相応す る光チ ャネルの数理モデルの 構成法 について述べ, 3 章 において,文献[ 1 , 3 , 5 , 9 ] に従 って量子系のエ ン トロピー, 量子相互エ ン トロピー,そ して量子通信路容量 について述べ, 4章 において,本研究 で用いた光変調方式, C-Qチ ャネルの通信路容量 について説明 し, 5章 において,C-Q チ ャネル通信路容量の数値計算 を行 い,最後 に 6章では
「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 量子t e l e p o r t a t i o n の チ ャネル による定式化 東京理科大学 井上 啓 ( Ke i l n o u e ) 1. は じめに 量子状態 を観測するとその状態が壊れて しまい,修復で きな くなって しまうこと か ら,量子状 態 を完全 に伝達するこ とは不可能 であると従 来か ら考 え られて きた.そこで,B e n n e t t 等は量子状態 を完 全 に伝達す るのではな く,E P R等 の量子相関 を利 用 し,瞬時ではないが離れた ところにその量子状態 を再現する方法 を考案 した【 1 】 .この方法は,量子テ レポーテーシ ョンと呼ばれ,量子状態 自身を伝達 する量子論的 な通信路 と電話 などによって情報 を送 る古典的な通信路の2 つ を組み合わせ ることに よって構成 され ている.B e n n e t t 等 はこの量子 テ レポーテーシ ョンが実現で き̲ a具体 例 を紹介 しているが,量子テ レポー テーシ ョン過程が どの ような場合実現で きるか 等 についての効率 を厳密 に議論するためには,量子状態の伝達 を直接扱 える量子情 報理論の立場 か ら解析す る必要があ る.そこで,今回,この量子情報理論の観点か ら,量子 テ レ-ポーテー シ ョン過程 のチ ャネルの定式化 を行い,量子相互エ ン トロ ピー( oh y a ) 【 6 ]を用いてB e n n e t 等が紹介 したor i g in a l モデルの通信効率 を考察 し,こ れ らのモデルの特徴付 けを行 った.2.量子テ レポーテーション過程 送信者 をAl i c e , 受信者 をB o b とすると,量子 テ レポーテーシ ョン過程 は,以下のよ うな4 つのS T E Pによって記述 される【 l 】 .これ らのステ ップの うち,s E T Pl , 2 , 4が量 子論的な通信過程 に相当する.塾 聖上: ある仙閲を持 った状態 ( 例,