The Japan Society of Applied Physics
Reduction of Jitter using Inter-pulse Repulsive Force in Single-Flux-Quantum Ring Oscillators
Tomoki Shimoda
Abstract
近年、飛行時間型質量分析法 (TOF-MS, Time-OfFlight Mass Spectrometry) において、SFQ 回路を用 いた飛行時間測定回路 (TDC, Time-to-Digital Converter) で構成される高分解能 TOF-MS システ ムの開発が行われている [1]。しかし、TDC の測 定で得られるヒストグラムの半値幅が想定よりも 大きくなってしまうことが問題であった。この原 因として考えられているのは、TDC 内の Clock Generator (CG)を構成している SFQ リングオシレ ータの jitterが挙げられる。そこで我々は、SFQ リ ングオシレータの jitterを低減させ、オンチップ上 での TDCの動作の安定化を目指している。SFQ 回 路における jitterは、Josephson Junction (JJ)のスイ ッチング時間のばらつきであり、JJ を流れるバイ アス電流に重畳する熱雑音に起因する [2]。今回、 パルス間斥力を用いた jitter の低減効果について、 シミュレーションにより検討したので報告する。 Fig. 1 にシミュレーションに用いた回路を示す が、リング内に磁気結合によって磁束を複数箇所 から印加することで、複数の SFQ パルスを発生さ せている。Jsim によって得られた磁束の印加点数 と周波数の関係性を Fig. 2 に示す。計算において 2.5kA/cm 2 Nbプロセスを仮定した。通常、リング 内の磁束印加点数が増加するとリング内を伝搬す る SFQ 数が増加するため、発振周波数も比例して 増加すると考えられる。しかしながら、Fig. 2より リング内の磁束印加点数と発振周波数は比例関係 にないことが分かる。我々は、この関係性からリ ング内にパルス間斥力が働いていると考え、jitter との関係性についてシミュレーションを行った。 4.2Kの熱雑音を考慮したシミュレーションによ って得られた磁束の印加数と jitterの関係性を Fig. 3 に示す。図における jitter とは、リングオシレー タ内の JJがスイッチしてから次にスイッチするま での時間間隔の標準偏差を表している。今回、JJ1 接合当たりの jitterに規格化したものを縦軸とした。 Fig. 3 より、磁束の印加数が増加することによって JJ1 接合当たりの jitter が減少していることが確認 出来る。今後は、アンシャント JJ を用いることで 更なる jitterの低減を目指す。 Fig. 1. A test circuit to calculate the timing jitter of SFQ ring oscillators.