Challenges
Datasets
Workspaces
Papers
Discussions
Leaderboard
Log inSign up
Challenges
Datasets
Workspaces
Papers
Discussions
Leaderboard
Blog
Job Board
Q3AS

© 2026 Aqora Quantum S.A.S.

TermsPrivacyLegal Notice

物性研究

動的分子場理論(第48回物性若手夏の学校(2003年度),講義ノート)

哲郎 佐宗

Published Feb 20, 2004• 0 citations
OpenAlex

Abstract

強相 関電子系の最 も基本的な模型であるHu b b a r d 模型 とAn d e r s o n 模 型の性質について概観 し,第 2章で動的分子場理論について説明す る。第 3章では,動的分子場理論を越える 最近の試みについて紹介す る。 第 1 章 Hu b b a r d模型 とAn d e r s o n模型 1 . 1 Hu b b a r d模型 1 . 1 . 1 Hu b b a rd模 型 の Ha r t r e e -F o c k近似 Hu b b a1 ・ 5 ) k k 「 第4 8 回 物性 若手夏 の学校 ( 2 0 0 3 年度) 」 と計算 され る。すなわ ち,状態密度は,無摂動の状態密度がシフ トしただけのものにな ってい る。常磁性状態で,サ イ ト当 りの電子数 n-( n T ) +( n l ) が 0<n<2 であれば,金属 となる.Ha rt r e㌣ F o c k 近似では,強磁性が出現す る条件は,T-0では Up ( 0 ) >1となる。ただ し,p ( 0 ) はフェル ミ面での状 態密度であるOこの理論を有限温度に拡張して,F e や Ni に適用 し,バン ド計算か ら得 られ た状態密度を用いると,実験 に比べて高すぎ る転移温度が得 られ て しま う。この理 由は,H a r t r e e -F o c k 近似では上向きスピンと下向きスピンの電子 の運動を独立な もの として取 り扱 ってお り,反対向きスピンの電子同士が避 け合 う効果を取 りこんでいないために,常 磁性状態のエネルギーを高 く見積 もって しまっているためである。 1 . 1 .2 Hu b b a-妄 r e t -I(l n q潮 , n -q T ] I l n q "i , , n-q ⊥ 】 , -妄 no ( q , W,強磁性が発生す る。 この条件は Ha r t r e e -F o c k 近似 と同じである。 1 . 1 .3 Hu b b a r d模 型 の 2次摂動による自己エネルギー 電子間に相互作用がある場合,波数 k,スピンUの電子の運動を記述す るGr e e n関数は,以下の よ うに定義 され る: ・

Related papers

一次元量子スピン系におけるフラストレーション誘起相転移(新奇な秩序を持つ系での相転移,研究会報告)

昌久 古賀, 則雄 川上

一次元量子 スピン系におけるフラス トレーション誘起相転移 大阪大学大学院工学研究科 古賀 昌久, 川上則雄 最近、低次元量子系において フラス トレー ションに関す る研究が盛んになされている。典型的 な物質 と して知 られてい る銅酸化物 s r c u 2 ( B OB ) 2 [ 1 】 おいては、幾何学的な直交 ダイマー構造 に 起因するフラス トレーシ ョンによ り、分散のない励起や磁化プラ トーな どの興味深い現象が見出 されてお り、その磁気的性質を記述す る S h a s t r y -S u t h e r l a n d模型 【 2 , 3 ] が注 目されている。 さら に最近、T N-2 .4 K において反強磁性相転移を起 こす直交ダイマー系 N d 2 B a Z n 05 ( J-9 / 2 ) [ 4 ] が合成 され、フラス トレー ト 系 における 量子スピン( S≧1 / 2 ) の効果が注 目されているo しか し なが ら、任意ス ピンを もつ直交ダイマー系の量子相転移に関 しては、理論的な取 り扱いが難 しく な ってお り、今なお問題が残 されたままとな っている。 図 1 : 直交ダイマー模型:太線、実線、破線はそれぞれ交換相互作用の大きさの違いを表 している。 われわれは以前、任意ス ピンβを持つ直交 ダイマー鎖を取 り扱い、交換相互作用の大

物性研究•Feb 20, 2003•0 citations

非線形減衰振動子に対する量子確率微分方程式の微視的導出(第5回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

健 斎藤, 敏彦 有光

注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。

物性研究•Feb 20, 1999•0 citations

量子情報処理(第48回物性若手夏の学校(2003年度),講義ノート)

信之 井元

量子情報処理は量子力学と情報通信が結婚して出来たミュータントともいうべき新しい分野である。これは量子力学の原理に基づくデバイスを使って現在のコンピューターや通信の速度を上げようという話ではなく、論理演算のあり方そのものが従来のものと異なり、量子力学の原理に基づく新しい方法である。そのために従来の情報処理や通信と質的に異なる、新しい情報処理や通信を可能にすることが理論的に明らかになって来ており、その絶大な潜在能力の故に最近にわかに注目されている研究分野である。このサブゼミではこの分野について概観することを目的とする。予備知識としては線形代数のみを仮定するが、量子力学の初歩的言葉使いも多少用いる。

物性研究•Feb 20, 2004•0 citations

量子情報処理(第48回物性若手夏の学校(2003年度),講義ノート)

Nobuyuki Imoto

量子情報処理は量子力学と情報通信が結婚して出来たミュータントともいうべき新しい分野である。これは量子力学の原理に基づくデバイスを使って現在のコンピューターや通信の速度を上げようという話ではなく、論理演算のあり方そのものが従来のものと異なり、量子力学の原理に基づく新しい方法である。そのために従来の情報処理や通信と質的に異なる、新しい情報処理や通信を可能にすることが理論的に明らかになって来ており、その絶大な潜在能力の故に最近にわかに注目されている研究分野である。このサブゼミではこの分野について概観することを目的とする。予備知識としては線形代数のみを仮定するが、量子力学の初歩的言葉使いも多少用いる。

•Feb 20, 2004•0 citations

非平衡・量子散逸系の正準理論 : 量子系確率微分方程式の一貫した枠組み(筑波大学開学20周年記念第2回『非平衡系の統計物理-現状と展望』シンポジウム,研究会報告)

敏彦 有光

m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.

物性研究•Apr 20, 1994•0 citations

量子Kramers方程式の基礎となる量子確率微分方程式の微視的導出(第6回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

健 斎藤, 敏彦 有光

微視的な運動方程式か ら出発 してマスター方程式や確率微分方程式な どの巨視的な方程式を導 出す る際,時間 と空間の粗視化が重要である ( 以下では,時間の粗視化のみを扱 う) 。ただ し,確 率微分方程式 とはランジュバ ン方程式 と確率 L i o u v i l l e 方程式を意味す るもの とす る。量子系でも He i s e n b e r g 方程式か ら量子マスター方程式や量子確率微分方程式 ( QS DE) を導出す る際に,同様 の事情が存在す る。 量子マスター方程式は,通常,熱浴 と相互作用ハ ミル トニアンHl-∑ k ( a b と +aaとL e g g e t t 【 1 2 , 1 3 】によ り摩擦が速度 に比例す るオーム 的散逸の条件 として提出 されている.I-X型 のハ ミル トニアンは回転波近似 によ り線形散逸結合 の相互作用ハ ミル トニアンに帰着す る。 QS DEをミクロな視点か ら導出す る試みが数多 くなされている。その多 くは,He i s e n b e r g方程 式をL a n g e v i n方程式型 に書 き換 えるもので 【 1 4 , 1 5 ] ,通常の微分方程式が どのよ うに して確率微 分方程式に変化す るのかは明 らかではない。 この論文では,確率的時間発展演算子 を得 る際に適切な時間の粗視化 を行 うことにより,量子 研 究会報告 Kr a me r s 方程式に対応す るQS DEを導出す る。導出にあたっては,量子マスター方程式 とQS DE に対す る適切 な枠組み を提供す る [ 1 6 日2 6 】系統的な正準演算子形式である非平衡 Th e r moF i e l d Dy n a mi c s( NE TF D) [ 2 7 日3 1 ]を用いることにす る。 2 微視的モデル 熱浴 と相互作用す る調和振動子 を考 える。系のハ ミル トニアンは Ht o t-Ho +入Hl , Ho -Hs+HR , ( 1 ) と与えられ る。ただ し,Hs お よびHR はそれぞれ注 目す る振動子お よび熱浴の 自由ハ ミル トニア ンで,( 8 ) を満たす。 NE TF Dでは,演算子 a , a I , b k, b tの他 にテ イル ド付き演算子丘 , a t , 5 k 湖 を考える.ただし, テイル ド 共役-は次のよ うに定義 され る。 ( AI A2) --AI A2, -36 2-( 9 ) 「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 ( c I Al +C 2 A2 ) --C ; Al +C 芸 Å 2 , ( A) --A, ( AI) --A t .Al , A 2お よび Aは演算子, c l お よびC2はC 一 数である.以下では,( a , a I , a , a I ) の表現空間を7 t sと 記 し,( b k , 舶 k , b i ) の表現空間を砧 と記す ことにす る.

物性研究•Jun 20, 1999•0 citations
強相 関電子系の最 も基本的な模型であるHu b b a r d 模型 とAn d e r s o n 模 型の性質について概観 し,第 2章で動的分子場理論について説明す る。第 3章では,動的分子場理論を越える 最近の試みについて紹介す る。 第 1 章 Hu b b a r d模型 とAn d e r s o n模型 1 . 1 Hu b b a r d模型 1 . 1 . 1 Hu b b a rd模 型 の Ha r t r e e -F o c k近似 Hu b b a1 ・ 5 ) k k 「 第4 8 回 物性 若手夏 の学校 ( 2 0 0 3 年度) 」 と計算 され る。すなわ ち,状態密度は,無摂動の状態密度がシフ トしただけのものにな ってい る。常磁性状態で,サ イ ト当 りの電子数 n-( n T ) +( n l ) が 0<n<2 であれば,金属 となる.Ha rt r e㌣ F o c k 近似では,強磁性が出現す る条件は,T-0では Up ( 0 ) >1となる。ただ し,p ( 0 ) はフェル ミ面での状 態密度であるOこの理論を有限温度に拡張して,F e や Ni に適用 し,バン ド計算か ら得 られ た状態密度を用いると,実験 に比べて高すぎ る転移温度が得 られ て しま う。この理 由は,H a r t r e e -F o c k 近似では上向きスピンと下向きスピンの電子 の運動を独立な もの として取 り扱 ってお り,反対向きスピンの電子同士が避 け合 う効果を取 りこんでいないために,常 磁性状態のエネルギーを高 く見積 もって しまっているためである。 1 . 1 .2 Hu b b a-妄 r e t -I(l n q潮 , n -q T ] I l n q "i , , n-q ⊥ 】 , -妄 no ( q , W,強磁性が発生す る。 この条件は Ha r t r e e -F o c k 近似 と同じである。 1 . 1 .3 Hu b b a r d模 型 の 2次摂動による自己エネルギー 電子間に相互作用がある場合,波数 k,スピンUの電子の運動を記述す るGr e e n関数は,以下の よ うに定義 され る: ・
一次元量子 スピン系におけるフラス トレーション誘起相転移 大阪大学大学院工学研究科 古賀 昌久, 川上則雄 最近、低次元量子系において フラス トレー ションに関す る研究が盛んになされている。典型的 な物質 と して知 られてい る銅酸化物 s r c u 2 ( B OB ) 2 [ 1 】 おいては、幾何学的な直交 ダイマー構造 に 起因するフラス トレーシ ョンによ り、分散のない励起や磁化プラ トーな どの興味深い現象が見出 されてお り、その磁気的性質を記述す る S h a s t r y -S u t h e r l a n d模型 【 2 , 3 ] が注 目されている。 さら に最近、T N-2 .4 K において反強磁性相転移を起 こす直交ダイマー系 N d 2 B a Z n 05 ( J-9 / 2 ) [ 4 ] が合成 され、フラス トレー ト 系 における 量子スピン( S≧1 / 2 ) の効果が注 目されているo しか し なが ら、任意ス ピンを もつ直交ダイマー系の量子相転移に関 しては、理論的な取 り扱いが難 しく な ってお り、今なお問題が残 されたままとな っている。 図 1 : 直交ダイマー模型:太線、実線、破線はそれぞれ交換相互作用の大きさの違いを表 している。 われわれは以前、任意ス ピンβを持つ直交 ダイマー鎖を取 り扱い、交換相互作用の大
注 目す る系のハ ミル トニアンが Hs-u a † a + 芸 g a t a † a a , で与 えられ る非線形減衰振動子 を考えよ う。α , α I は交換関係 [ α , α † 一 -1 , [ α , α ] -0 , ( 1) ( 2 ) を満 たすボゾン演算子である。減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l t j : 取 り扱 い [ 3 日7 ] では,注 目 す る系内の非線形性がその緩和 に与える影響が考慮 され る。その結果系のダイナ ミクスは,注 目 す る系の密度行列p s ( i ) が正 しい終状態であるカノニカル平衡状態の密度行列 e-βHsに収束す るこ とを保証す る。一方,減衰理論 における c o n v e n t i o n a l な取 り扱 いでは,系の非線形性 が緩和に及 ぼす影響は無視 され,p s ( i ) は調和振動子のカ ノニカル平衡状態 e -P ua † a に収束す る。 このことか ら,系の非線形性が緩和に及ぼす影響 は,系の長時間の振 る舞いに重要 な役割 を果た しているこ とが分かる.Ha a k e 等 【 7 】 は減衰理論 にお けるn o n -c o n v e n t i o n a l な取 り扱いによ り,非線形減衰振 動子 に対す る量子マスター方程式を導出 した。 非平衡 Th e r moF i e l dDy n a mi c s( NE TF D) [ 8 日1 2 ] の枠組みにおいて,量子 L a n g e v i n方程式 と 量子確率 L i o u v i l l e 方程式 を含む量子確率微分方程式の系統的な正準演算子形式の体系が構成 され た 【 1 0 日2 3 ] 。この体系において,前述の非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式が構成 され た [ 2 0 ] 。 Ac c a r d i 等 [ 2 4 日2 8 ] は,量子確率過程 に対 して微視的な基礎付 けを与えた。彼 らは,ボゾン場の 熱浴 と相互作用す る量子系を考察 し,熱浴 のボゾン場 によ り構成 され る集団的ボゾン場 ( c o l l e c t i v e b o s o n丘 e l d )とよばれ る場が,弱結合極限 ( v a nHo v e 極限) 【 2 9 1 で量子 Wi e n e r 過程 に収束す ること 「 第 5回 『 非平衡系の統計物理』シンポジウム」 を示 した。また,相互作用表示における波動関数の時間発展方程式が,無限小時間発展演算子に 量子 Wi e n Q r 過程の増分を含む量子確率微分方程式に収束す ることを示 した。 この論文では,このA c c a r d i 等の手続きをN E T F Dの枠組みで非線形減衰振動子に適用 し,系 の非線形性が緩和に及ぼす影響を考慮 した非線形減衰振動子に対す る量子確率微分方程式を微視 的なモデルか ら導出する。
量子情報処理は量子力学と情報通信が結婚して出来たミュータントともいうべき新しい分野である。これは量子力学の原理に基づくデバイスを使って現在のコンピューターや通信の速度を上げようという話ではなく、論理演算のあり方そのものが従来のものと異なり、量子力学の原理に基づく新しい方法である。そのために従来の情報処理や通信と質的に異なる、新しい情報処理や通信を可能にすることが理論的に明らかになって来ており、その絶大な潜在能力の故に最近にわかに注目されている研究分野である。このサブゼミではこの分野について概観することを目的とする。予備知識としては線形代数のみを仮定するが、量子力学の初歩的言葉使いも多少用いる。
量子情報処理は量子力学と情報通信が結婚して出来たミュータントともいうべき新しい分野である。これは量子力学の原理に基づくデバイスを使って現在のコンピューターや通信の速度を上げようという話ではなく、論理演算のあり方そのものが従来のものと異なり、量子力学の原理に基づく新しい方法である。そのために従来の情報処理や通信と質的に異なる、新しい情報処理や通信を可能にすることが理論的に明らかになって来ており、その絶大な潜在能力の故に最近にわかに注目されている研究分野である。このサブゼミではこの分野について概観することを目的とする。予備知識としては線形代数のみを仮定するが、量子力学の初歩的言葉使いも多少用いる。
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
微視的な運動方程式か ら出発 してマスター方程式や確率微分方程式な どの巨視的な方程式を導 出す る際,時間 と空間の粗視化が重要である ( 以下では,時間の粗視化のみを扱 う) 。ただ し,確 率微分方程式 とはランジュバ ン方程式 と確率 L i o u v i l l e 方程式を意味す るもの とす る。量子系でも He i s e n b e r g 方程式か ら量子マスター方程式や量子確率微分方程式 ( QS DE) を導出す る際に,同様 の事情が存在す る。 量子マスター方程式は,通常,熱浴 と相互作用ハ ミル トニアンHl-∑ k ( a b と +aaとL e g g e t t 【 1 2 , 1 3 】によ り摩擦が速度 に比例す るオーム 的散逸の条件 として提出 されている.I-X型 のハ ミル トニアンは回転波近似 によ り線形散逸結合 の相互作用ハ ミル トニアンに帰着す る。 QS DEをミクロな視点か ら導出す る試みが数多 くなされている。その多 くは,He i s e n b e r g方程 式をL a n g e v i n方程式型 に書 き換 えるもので 【 1 4 , 1 5 ] ,通常の微分方程式が どのよ うに して確率微 分方程式に変化す るのかは明 らかではない。 この論文では,確率的時間発展演算子 を得 る際に適切な時間の粗視化 を行 うことにより,量子 研 究会報告 Kr a me r s 方程式に対応す るQS DEを導出す る。導出にあたっては,量子マスター方程式 とQS DE に対す る適切 な枠組み を提供す る [ 1 6 日2 6 】系統的な正準演算子形式である非平衡 Th e r moF i e l d Dy n a mi c s( NE TF D) [ 2 7 日3 1 ]を用いることにす る。 2 微視的モデル 熱浴 と相互作用す る調和振動子 を考 える。系のハ ミル トニアンは Ht o t-Ho +入Hl , Ho -Hs+HR , ( 1 ) と与えられ る。ただ し,Hs お よびHR はそれぞれ注 目す る振動子お よび熱浴の 自由ハ ミル トニア ンで,( 8 ) を満たす。 NE TF Dでは,演算子 a , a I , b k, b tの他 にテ イル ド付き演算子丘 , a t , 5 k 湖 を考える.ただし, テイル ド 共役-は次のよ うに定義 され る。 ( AI A2) --AI A2, -36 2-( 9 ) 「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 ( c I Al +C 2 A2 ) --C ; Al +C 芸 Å 2 , ( A) --A, ( AI) --A t .Al , A 2お よび Aは演算子, c l お よびC2はC 一 数である.以下では,( a , a I , a , a I ) の表現空間を7 t sと 記 し,( b k , 舶 k , b i ) の表現空間を砧 と記す ことにす る.