超流動体、並びに超伝導体における量子渦の物理(サブゼミ,第56回物性若手夏の学校(2011年度) 研究と人生の指針-Beyond the CoMPaSS of your field.-,講義ノート)
Takeshi Mizushima
Abstract
磁場中の超伝導体や回転する超流動体では量子化された渦を伴う.これまでにも様々な超伝導物質の熱力学的特性や輸送現象において量子渦の役割が強調されてきた.近年では,中性原子気体系におけるボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)やBCS-BECクロスオーバーの実現により,量子渦の研究は加速度を増している.ここでは,まず空間的に非一様な超流動・超伝導系を統一的に記述する理論形式として最も微視的なBogoliubov-de Gennes理論と準古典Eilenberger理論を概観する.続いて,スピン1重項超伝導体とp波超伝導体の量子渦やトポロジカル欠陥に束縛された特異な準粒子構造について解説する.これら低エネルギー準粒子励起は全て「Andreev束縛状態」という共通の言葉で理解できる.さらにはマヨラナ粒子やトポロジカル超伝導等といった最近のトピックスもこの共通概念の自然な拡張として理解できる.