多時間相関関数と2次元分光法
Yoshitaka TANIMURA
Abstract
実験あっての物理学である。抽象的な議論が先行する場合もあるが、どこかで物に結びつかないと結局、物理とは認められずに忘れられてしまう。物理において実験と理論を照らし合わせる作業は、実験にとっても理論にとってもその正当性を検証する上で重要な作業であるが、現実には実験結果も理論的予想も玉虫色の場合が多く、それは考える程容易な事でない。しかるにこれは、有意と無為の結果の違いが実験的にも理論的にも微小である事に起因すると思われる。結果の白黒をはっきりさせるためには、実験的にも理論的にも、些細な系や状況の違いに反応する観測量を調べる事が肝要であろう。多次元相関関数はそのような物理量であるというのが本詳説の主張するところである。ここではそれを具体的に実験も行われている二次元分光を例として示したい。