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階層複素数の量子力学的解釈と方程式(原典)

Masaru Morimoto

Published Jul 18, 2026• 0 citations
Publisher

Abstract

階層複素数 $K_n$ は、通常の複素数を基底として成分数を $2^n$ に倍増させることで構成される線形代数体系である。本研究では、特に $n=4$ の場合に対応する $K_4$ を取り上げ、その 16 成分構造が量子力学の $16\times 16$ 演算子空間と完全に同型であることを示す。 $K_4$ の基底は、符号行列と添字変換によって生成される16 個の線形独立な成分から構成される。これらは量子力学における$\{I,\sigma_x,\sigma_y,\sigma_z\}\otimes\{I,\sigma_x,\sigma_y,\sigma_z\}$に対応し、密度行列・スピノル演算子・量子情報の演算子基底と一対一に対応する。 さらに、階層複素数の演算が可換で閉じることから、$K_4$ 上の時間発展方程式 \[i\frac{d}{dt}\Psi(t)=H\Psi(t)\] は指数展開が同一線形空間内で閉じ、各成分が一次関数 \[a_k(t)=\alpha_k+\beta_k t\] として表されることを示す。これは、階層複素数が量子力学の線形性を代数構造として内包し、非可換代数に依存しない新しい量子記述体系を提供することを意味する。本論文は、階層複素数 $K_4$ の量子力学的解釈、その演算子基底との同型性、および線形時間発展方程式の閉包性を体系的に示す。

DOI
10.5281/zenodo.21425141

Related papers

意識の力学的定式化とハードプロブレムの再定式化

Hiroki Yamashita

本論文は、いわゆるハードプロブレムを既存理論の内部構造として再定式化することを目的とする。統一状態空間 H = (g, P, c)、作用原理、生成子同一性 Δ_g = L_P、条件場の勾配流、および観測写像 M により閉じた力学系を構成し、時間発展と観測を同一理論内で記述する枠組みを与える。有効作用が下に有界であり、勾配流が極小集合に収束するという標準的仮定の下で、観測を条件場の極小集合への射影 M : H → 2^H として定式化する。 主結果として、観測写像 M が与える条件固定は、時間極限、変分極値条件 δE/δc = 0、および情報縮約と同値であることを示す。これにより、観測は自由度を増加させない非可逆射影として特徴づけられる。 さらに、量子測定の射影構造との対応を与え、対応写像 Φ により Φ ∘ Π ≈ M ∘ Φ の準可換性を示すことで、測定問題と条件選択構造の同型性を明らかにする。これにより、観測および主観性は新たな自由度ではなく、条件場の極小選択として力学的に記述される。主観性は、実現レベルでの一意性、履歴依存性、および内部選択構造として導出される。 以上より、意識は統一理論の内部における非可逆射影として記述され、ハードプロブレムは独立の存在論的問題ではなく、条件場の選択および観測過程の構造として再定式化される。本理論は条件固定極限において既存の物理理論を回収し、幾何構造と確率構造を統一する枠組みを与える。

•Apr 7, 2026•0 citations

可逆な多体系ボーム力学からの粘性の創発― 横運動量拡散、量子揺動散逸関係、および流体力学極限 ―

Kawaguchi Masanori

本研究は、可逆な多体系量子力学から、不可逆に見える粘性および横運動量拡散がどのように創発し得るかを、Bohm力学、Rubin型bathモデル、一般化Langevin方程式、および流体力学極限を用いて検討したものである。 まず、閉じた少数粒子Bohm系、粒子数を増加させた系、および相互作用強度を増加させた系について横運動量自己相関を数値的に解析した。その結果、粒子数の増加や相互作用の強化だけでは、Navier–Stokes型の横運動量拡散に必要な Γ⊥(k) ∝ k² の関係は現れず、振動や再帰が残ることを確認した。 次に、resolvedな横運動量モードを、多数の未解像自由度からなるRubin型調和bathへ局所的に結合した可逆Hamiltonianを導入した。局所隣接差のFourier変換から λk = 4 sin²(k/2) が得られ、長波長極限では λk = k² + O(k⁴) となる。このモデルにおいて、bathのモード密度を増加させると、横運動量相関は指数減衰へ近づき、 Γ⊥(k) = νk² + O(k⁴) が数値的に得られることを確認した。これにより、 ν = lim(k→0) Γ⊥(k)/k² として動粘性係数を定義し、せん断粘性 ηshear = ρν へ接続できる。 さらに、量子化した二次Rubin Hamiltonianを純粋Gaussian状態として厳密に時間発展させ、Bohm軌道ensembleから得られる平均運動量応答が標準量子力学のresolved momentum responseと一致することを確認した。同一のspectral densityからmemory kernelと揺らぎ相関を構成し、量子fluctuation–dissipation relationおよびその高温における古典極限を数値的に検証した。また、平衡運動量自己相関とimpulse responseの一致を通じてOnsager回帰も確認した。 有限bathでは再帰が生じるが、bathモード数の増加に伴いhydrodynamicな指数減衰が成立する時間窓が拡大し、再帰時間が連続スペクトル極限で無限遠へ押し出されることを示した。全体系は可逆かつユニタリである一方、resolved subsystemのみを見ると、横運動量の情報が多数の未解像自由度へ分散し、有限観測時間では回収不能となることで、有効な散逸と粘性が現れる。 本研究は、Bohm量子ポテンシャルそのものを粘性と同一視するものではない。また、すべての実在流体における粘性の普遍的起源を証明するものでもない。むしろ、可逆な微視的Hamiltonian、多数の未解像モード、memory loss、連続スペクトル極限、および長波長極限を通じて、Navier–Stokes型横運動量拡散と粘性係数がどのように創発し得るかを、明示的かつ再現可能なモデルによって示すことを目的とする。

•Oct 2, 2026•0 citations

有限時間間隔の場の理論 : 場の理論におけるシュレーディンガー描像の因果律について(基研長期研究計画「進化の力学への場の理論的アプローチ」報告,研究会報告)

Kazumasa Nomoto, R. Fukuda

場の理論における因果律の歴史は長く,色々な側面を持っている.特に,それは量子力学の非局所的な性質と深く関わっていて観測問題との関連でも興味深い.因果律の場の量子論的記述(微視的因果律)は,しばしばハイゼンベルグ描像で次の様に表現される1).[φ^<(H)>(x),φ^<(H)>(y)]=0 if (x-y)^2<0 x=(x^0,x),x^2≡x^μx_μ≡x_0^2-x^2 (1.1)ここで,φ(x)は場の演算子であり,それがボーズ場(フェルミオン場)ならば[,]は交換子(反交換子)である.つまり(1.1)は「互いに空間的な2点にある場の演算子は可換である」ということを表している.これは,自由な場のみでなく,局所的な相互作用が存在する場合にも成り立つ.また,このことは局所場の理論の最も本質的な要請のひとつにもなっている.量子力学では,可換な物理量は,互いに影響を及ぼさずに観測できるという原理が存在するので(1.1)は,空間的に離れた2点の観測は互いに影響を及ぼし合わないということを示している.つまり,いかなる場の擾乱(信号)も光速を超えて伝わらないということである.しかし,これは抽象的な演算子の関係であって,いかに信号が伝わるかなどということは判りにくい.そこで,別の描像-シュレーディンガー描像-で因果律がいかに表現されるか調べた.はじめに,初期状態の波動関数が時空の原点に局在したデルタ関数で表されるような一粒子の非相対論的・相対論的な量子拡散(quantum diffusion)について調べた.その結果,非相対論的には局在した次の瞬間には粒子は無限遠方まで場所に依らない確率で拡散してしまい,光速を超えて粒子が運動し得るということがわかる.しかし,非相対論では,光速を無限大と近似しているので当然の結果である.相対論的には,その状況はやや改善され,空間的である領域のうち十分遠方である位置に拡散する確率は殆どゼロになる.しかし,相対論にさえも光円錐の外側のコンプトン波長程度の領域には無視できない確率で粒子を見い出すことができることが,簡単な計算からわかる.したがって,この場合も因果律が破れているといえる.この原因については,現在検討中であるが,一つは初期にデルタ関数の波動関数を用意することが非局所的な操作であることに起因していると考えられる.この問題を避けるために,次に局所的な操作により場に擾乱を与え,それが時間とともに場の中をどのように伝わるかを調べた.先ず,自由な場において時空の原点に擾乱を与えるようなラグランジアンとして次のモデルを考えた.*_0=1/2(∂_μφ(x))(∂^μφ(x))-1/2m^2φ^2(x)+jδ^4(x)φ(x) (1.2)ここで,φ(x)はボーズ場(質量mのスカラーボゾン場)の変数である.時刻t<0で任意の初期状態を用意して(1.2)の系で時間発展させt>0での波動(汎)関数をΨ_F[φ]とする.そこで,終状態の空間的領域の密度行列ρ[φ_s,φ_s]を次の様に定義する.ρ[φ_s,φ_s]=∫[dφ_t]Ψ_F^*[φ]Ψ_F[φ]|_φ_t=φ_t [dφ_t]≡II 0|dφ(x) (1.3)φ_t: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して時間的な領域にある場の変数.φ_s: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して空間的な領域にある場の変数.このとき「ρ[φ_s,φ_s]は,Jに依らない」ということを示すことができる.このことは,場に擾乱が加わった点に対し,空間的な領域の状態はその影響を全く受けないということであり,完全に因果律を満していることがわかる.相互作用が存在しても,局所的であるならば同様のことを示すことができる.つまり,シュレーディンガー描像での因果律は「場の擾乱が加わった点に対して空間的な点における密度行列は場の擾乱の影響を受けない」と表現される.さらに,シュレーディンガー描像の因果律の表現からハイゼンベルグの因果律の表現を導くことができる.このことからシュレーディンガー描像の因果律の表現は,ハイゼンベルグ描像のそれと少なくとも等価,又はそれよりも広い概念を含んでいると考えられる.なお,本文中では自然単位系c=h=1を用いる.

•Aug 20, 1990•0 citations

量子情報通信理論の基礎と最近の話題 : エントロピー, エンタングルメント, アルゴリズム, テレポーテーション (符号と暗号の代数的数理)

雅則 大矢

究極的な通信と考えられている量子テレ ポーテーション, 盗聴に対する安全性が非常に高いと思われる量子暗号などと深 くかかわって来ている.2 情報と通信 この簾では, 情報通信の数理表現のエッセンスを説明する 4 $A$ を入力情報を記述する アルファベットの集合 (もっと一\Re 的な集合でもよい) とする $:A=\{a_{1},a_{2}, \cdots,a_{n}\}$ .

数理解析研究所講究録•Apr 1, 2005•0 citations

量子力学の視点変革(原典)

Masaru Morimoto

量子力学は、波動関数の連続的な構造と、観測によって得られる離散的な結果という二重の性質を持つ。この断絶は量子測定問題として長く議論されてきたが、観測が離散化する物理的理由については依然として明確な説明が存在しない。 本研究では、波動関数の複素数構造に着目し、観測が成立する地点の特徴を幾何学的観点から再検討する。特に、観測可能な空間と観測不能な内部空間を区別し、観測が成立する地点には特定の構造的条件が存在することを示す。 本論文の目的は、量子測定問題に対して新しい視点を提示し、従来の測定理論の枠組みを保持したまま、観測の成立条件をより自然な形で理解するための基礎的構造を論理化することである。

•Aug 1, 2026•0 citations

Operator-valued divergence and entropy(Information and mathematics of non-additivity and non-extensivity : from the viewpoint of functional analysis)

淳一 藤井

)とすると $\sum\Lambda E_{n}=I$ と、 Jensen type inequality より、 $H_{E}(A; \Lambda)=\eta(\sum_{n}t_{n}\Lambda E_{n})-\sum_{n}t_{n}\eta(\Lambda E_{n})\geq 0$ という非負の量 $H_{E}(A, \Lambda)$ を Holevo 型の相互作用素エントロピーと見ることができる。こ のとき、 これらのトレースを取ると、 Ohya mutual entropy と一致するので、分解につい ての最大として対応する通信容量も一致することが分かる。実は、 このことは、本質的に[17] で示されているが、 ここで確認しておこう。 定理.密度行列 $A$ と、 その Shatten 分解 $E:A= \sum_{n}t_{n}E_{n}$ について、 Tr $H_{E}(A;\Lambda)=RM_{E}(A;\Lambda)$ , $\max_{E}RH_{E}(A;\Lambda)=I(A;\Lambda)$ .

数理解析研究所講究録•Jun 1, 2007•0 citations
階層複素数 KnK_nKn​ は、通常の複素数を基底として成分数を 2n2^n2n に倍増させることで構成される線形代数体系である。本研究では、特に n=4n=4n=4 の場合に対応する K4K_4K4​ を取り上げ、その 16 成分構造が量子力学の 16×1616\times 1616×16 演算子空間と完全に同型であることを示す。 K4K_4K4​ の基底は、符号行列と添字変換によって生成される16 個の線形独立な成分から構成される。これらは量子力学における{I,σx,σy,σz}⊗{I,σx,σy,σz}\{I,\sigma_x,\sigma_y,\sigma_z\}\otimes\{I,\sigma_x,\sigma_y,\sigma_z\}{I,σx​,σy​,σz​}⊗{I,σx​,σy​,σz​}に対応し、密度行列・スピノル演算子・量子情報の演算子基底と一対一に対応する。 さらに、階層複素数の演算が可換で閉じることから、K4K_4K4​ 上の時間発展方程式 [i\frac{d}{dt}\Psi(t)=H\Psi(t)] は指数展開が同一線形空間内で閉じ、各成分が一次関数 [a_k(t)=\alpha_k+\beta_k t] として表されることを示す。これは、階層複素数が量子力学の線形性を代数構造として内包し、非可換代数に依存しない新しい量子記述体系を提供することを意味する。本論文は、階層複素数 K4K_4K4​ の量子力学的解釈、その演算子基底との同型性、および線形時間発展方程式の閉包性を体系的に示す。
本論文は、いわゆるハードプロブレムを既存理論の内部構造として再定式化することを目的とする。統一状態空間 H = (g, P, c)、作用原理、生成子同一性 Δ_g = L_P、条件場の勾配流、および観測写像 M により閉じた力学系を構成し、時間発展と観測を同一理論内で記述する枠組みを与える。有効作用が下に有界であり、勾配流が極小集合に収束するという標準的仮定の下で、観測を条件場の極小集合への射影 M : H → 2^H として定式化する。 主結果として、観測写像 M が与える条件固定は、時間極限、変分極値条件 δE/δc = 0、および情報縮約と同値であることを示す。これにより、観測は自由度を増加させない非可逆射影として特徴づけられる。 さらに、量子測定の射影構造との対応を与え、対応写像 Φ により Φ ∘ Π ≈ M ∘ Φ の準可換性を示すことで、測定問題と条件選択構造の同型性を明らかにする。これにより、観測および主観性は新たな自由度ではなく、条件場の極小選択として力学的に記述される。主観性は、実現レベルでの一意性、履歴依存性、および内部選択構造として導出される。 以上より、意識は統一理論の内部における非可逆射影として記述され、ハードプロブレムは独立の存在論的問題ではなく、条件場の選択および観測過程の構造として再定式化される。本理論は条件固定極限において既存の物理理論を回収し、幾何構造と確率構造を統一する枠組みを与える。
本研究は、可逆な多体系量子力学から、不可逆に見える粘性および横運動量拡散がどのように創発し得るかを、Bohm力学、Rubin型bathモデル、一般化Langevin方程式、および流体力学極限を用いて検討したものである。 まず、閉じた少数粒子Bohm系、粒子数を増加させた系、および相互作用強度を増加させた系について横運動量自己相関を数値的に解析した。その結果、粒子数の増加や相互作用の強化だけでは、Navier–Stokes型の横運動量拡散に必要な Γ⊥(k) ∝ k² の関係は現れず、振動や再帰が残ることを確認した。 次に、resolvedな横運動量モードを、多数の未解像自由度からなるRubin型調和bathへ局所的に結合した可逆Hamiltonianを導入した。局所隣接差のFourier変換から λk = 4 sin²(k/2) が得られ、長波長極限では λk = k² + O(k⁴) となる。このモデルにおいて、bathのモード密度を増加させると、横運動量相関は指数減衰へ近づき、 Γ⊥(k) = νk² + O(k⁴) が数値的に得られることを確認した。これにより、 ν = lim(k→0) Γ⊥(k)/k² として動粘性係数を定義し、せん断粘性 ηshear = ρν へ接続できる。 さらに、量子化した二次Rubin Hamiltonianを純粋Gaussian状態として厳密に時間発展させ、Bohm軌道ensembleから得られる平均運動量応答が標準量子力学のresolved momentum responseと一致することを確認した。同一のspectral densityからmemory kernelと揺らぎ相関を構成し、量子fluctuation–dissipation relationおよびその高温における古典極限を数値的に検証した。また、平衡運動量自己相関とimpulse responseの一致を通じてOnsager回帰も確認した。 有限bathでは再帰が生じるが、bathモード数の増加に伴いhydrodynamicな指数減衰が成立する時間窓が拡大し、再帰時間が連続スペクトル極限で無限遠へ押し出されることを示した。全体系は可逆かつユニタリである一方、resolved subsystemのみを見ると、横運動量の情報が多数の未解像自由度へ分散し、有限観測時間では回収不能となることで、有効な散逸と粘性が現れる。 本研究は、Bohm量子ポテンシャルそのものを粘性と同一視するものではない。また、すべての実在流体における粘性の普遍的起源を証明するものでもない。むしろ、可逆な微視的Hamiltonian、多数の未解像モード、memory loss、連続スペクトル極限、および長波長極限を通じて、Navier–Stokes型横運動量拡散と粘性係数がどのように創発し得るかを、明示的かつ再現可能なモデルによって示すことを目的とする。
場の理論における因果律の歴史は長く,色々な側面を持っている.特に,それは量子力学の非局所的な性質と深く関わっていて観測問題との関連でも興味深い.因果律の場の量子論的記述(微視的因果律)は,しばしばハイゼンベルグ描像で次の様に表現される1).[φ^<(H)>(x),φ^<(H)>(y)]=0 if (x-y)^2<0 x=(x^0,x),x^2≡x^μx_μ≡x_0^2-x^2 (1.1)ここで,φ(x)は場の演算子であり,それがボーズ場(フェルミオン場)ならば[,]は交換子(反交換子)である.つまり(1.1)は「互いに空間的な2点にある場の演算子は可換である」ということを表している.これは,自由な場のみでなく,局所的な相互作用が存在する場合にも成り立つ.また,このことは局所場の理論の最も本質的な要請のひとつにもなっている.量子力学では,可換な物理量は,互いに影響を及ぼさずに観測できるという原理が存在するので(1.1)は,空間的に離れた2点の観測は互いに影響を及ぼし合わないということを示している.つまり,いかなる場の擾乱(信号)も光速を超えて伝わらないということである.しかし,これは抽象的な演算子の関係であって,いかに信号が伝わるかなどということは判りにくい.そこで,別の描像-シュレーディンガー描像-で因果律がいかに表現されるか調べた.はじめに,初期状態の波動関数が時空の原点に局在したデルタ関数で表されるような一粒子の非相対論的・相対論的な量子拡散(quantum diffusion)について調べた.その結果,非相対論的には局在した次の瞬間には粒子は無限遠方まで場所に依らない確率で拡散してしまい,光速を超えて粒子が運動し得るということがわかる.しかし,非相対論では,光速を無限大と近似しているので当然の結果である.相対論的には,その状況はやや改善され,空間的である領域のうち十分遠方である位置に拡散する確率は殆どゼロになる.しかし,相対論にさえも光円錐の外側のコンプトン波長程度の領域には無視できない確率で粒子を見い出すことができることが,簡単な計算からわかる.したがって,この場合も因果律が破れているといえる.この原因については,現在検討中であるが,一つは初期にデルタ関数の波動関数を用意することが非局所的な操作であることに起因していると考えられる.この問題を避けるために,次に局所的な操作により場に擾乱を与え,それが時間とともに場の中をどのように伝わるかを調べた.先ず,自由な場において時空の原点に擾乱を与えるようなラグランジアンとして次のモデルを考えた.*_0=1/2(∂_μφ(x))(∂^μφ(x))-1/2m^2φ^2(x)+jδ^4(x)φ(x) (1.2)ここで,φ(x)はボーズ場(質量mのスカラーボゾン場)の変数である.時刻t<0で任意の初期状態を用意して(1.2)の系で時間発展させt>0での波動(汎)関数をΨ_F[φ]とする.そこで,終状態の空間的領域の密度行列ρ[φ_s,φ_s]を次の様に定義する.ρ[φ_s,φ_s]=∫[dφ_t]Ψ_F^*[φ]Ψ_F[φ]|_φ_t=φ_t [dφ_t]≡II 0|dφ(x) (1.3)φ_t: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して時間的な領域にある場の変数.φ_s: 時空の原点(擾乱が加わった点)に対して空間的な領域にある場の変数.このとき「ρ[φ_s,φ_s]は,Jに依らない」ということを示すことができる.このことは,場に擾乱が加わった点に対し,空間的な領域の状態はその影響を全く受けないということであり,完全に因果律を満していることがわかる.相互作用が存在しても,局所的であるならば同様のことを示すことができる.つまり,シュレーディンガー描像での因果律は「場の擾乱が加わった点に対して空間的な点における密度行列は場の擾乱の影響を受けない」と表現される.さらに,シュレーディンガー描像の因果律の表現からハイゼンベルグの因果律の表現を導くことができる.このことからシュレーディンガー描像の因果律の表現は,ハイゼンベルグ描像のそれと少なくとも等価,又はそれよりも広い概念を含んでいると考えられる.なお,本文中では自然単位系c=h=1を用いる.
究極的な通信と考えられている量子テレ ポーテーション, 盗聴に対する安全性が非常に高いと思われる量子暗号などと深 くかかわって来ている.2 情報と通信 この簾では, 情報通信の数理表現のエッセンスを説明する 4 AAA を入力情報を記述する アルファベットの集合 (もっと一\Re 的な集合でもよい) とする :A={a1,a2,⋯ ,an}:A=\{a_{1},a_{2}, \cdots,a_{n}\}:A={a1​,a2​,⋯,an​} .
量子力学は、波動関数の連続的な構造と、観測によって得られる離散的な結果という二重の性質を持つ。この断絶は量子測定問題として長く議論されてきたが、観測が離散化する物理的理由については依然として明確な説明が存在しない。 本研究では、波動関数の複素数構造に着目し、観測が成立する地点の特徴を幾何学的観点から再検討する。特に、観測可能な空間と観測不能な内部空間を区別し、観測が成立する地点には特定の構造的条件が存在することを示す。 本論文の目的は、量子測定問題に対して新しい視点を提示し、従来の測定理論の枠組みを保持したまま、観測の成立条件をより自然な形で理解するための基礎的構造を論理化することである。
)とすると ∑ΛEn=I\sum\Lambda E_{n}=I∑ΛEn​=I と、 Jensen type inequality より、 HE(A;Λ)=η(∑ntnΛEn)−∑ntnη(ΛEn)≥0H_{E}(A; \Lambda)=\eta(\sum_{n}t_{n}\Lambda E_{n})-\sum_{n}t_{n}\eta(\Lambda E_{n})\geq 0HE​(A;Λ)=η(∑n​tn​ΛEn​)−∑n​tn​η(ΛEn​)≥0 という非負の量 HE(A,Λ)H_{E}(A, \Lambda)HE​(A,Λ) を Holevo 型の相互作用素エントロピーと見ることができる。こ のとき、 これらのトレースを取ると、 Ohya mutual entropy と一致するので、分解につい ての最大として対応する通信容量も一致することが分かる。実は、 このことは、本質的に[17] で示されているが、 ここで確認しておこう。 定理.密度行列 AAA と、 その Shatten 分解 E:A=∑ntnEnE:A= \sum_{n}t_{n}E_{n}E:A=∑n​tn​En​ について、 Tr HE(A;Λ)=RME(A;Λ)H_{E}(A;\Lambda)=RM_{E}(A;\Lambda)HE​(A;Λ)=RME​(A;Λ) , max⁡ERHE(A;Λ)=I(A;Λ)\max_{E}RH_{E}(A;\Lambda)=I(A;\Lambda)maxE​RHE​(A;Λ)=I(A;Λ) .