Challenges
Datasets
Workspaces
Papers
Discussions
Leaderboard
Log inSign up
Challenges
Datasets
Workspaces
Papers
Discussions
Leaderboard
Blog
Job Board
Q3AS

© 2026 Aqora Quantum S.A.S.

TermsPrivacyLegal Notice

量子Blume-Emery-Griffths模型の解析(修士論文(2010年度))

Atsuki Osanai

Published Oct 5, 2011• 0 citations
OpenAlex

Abstract

本論文では,量子Blume-Emery-Griffiths(BEG)スピングラス模型の相転移について議論する。その目的は一次転移に対する,量子揺らぎとランダムネスの影響を明らかにすることにある。ここでは上記の課題を解明するために,平均場理論および実空間繰り込み群の方法を用いた解析を行う。BEG模型はS=1のIsing模型とも呼ばれ,平均場理論や実空間繰り込み群による解析から一次転移と二次転移の二種類の相転移が起きる模型として知られている。一次転移点では,複数の状態の共存状態が実現している。また,それらの状態間にはポテンシャル障壁が存在する。系が有限温度にある場合は,ポテンシャル障壁を熱揺らぎによって飛び越えることで一次転移が起きるが,低温領域ではこのような機構での相転移は起きない。その一方で,低温では量子揺らぎが有意となり,ポテンシャル障壁で隔てられた状態間をトンネル効果によって遷移することが可能となる。このような背景から,一次転移がある系に量子揺らぎを加えたときに,その一次転移がより強固なものになるか破壊されるかは非常に興味深い問題と言える。よって,一次転移が存在する模型の代表として,量子BEGスピングラス模型を扱うのである。このような系の定性的な性質を知るためには,無限次元の系を表す平均場理論が有効である。よって,まず平均場理論を用いた解析を行う。量子スピン系の解析の困難性の一つは,スピン演算子の非可換性にある。そこで,経路積分の方法を用いることで,d次元量子系を(d+1)次元古典系へと変換して解析を行う。+1次元の効果は量子揺らぎに由来するもので,秩序変数の虚時間依存性という形で現れる。その上で,まず秩序変数の虚時間依存性を無視するという静的近似を用いた解析を行う。次に,量子揺らぎの効果を適切に考慮するために,秩序変数の虚時間依存性を部分的に取り込んだ解析を行う。それらの結果の比較から,静的近似が相図上の特定の領域ではよい近似となっていることが明らかとなった。一般に,静的近似は低温では有効ではない。しかし,本論文の結果はそれが有効な例として非自明なものと言うことが出来る。また,量子揺らぎの加え方によって,一次転移に対する影響が異なることが明らかとなった。次に,有限次元系の性質を調べるために,±Jボンドランダムネスを加えた3次元横磁場BEGスピングラス模型を,実空間繰り込み群の方法を用いて解析する。量子系における繰り込み群を構成するために,本論文では切断近似を導入する。切断近似は半古典的な近似ということが出来,有限次元系の量子揺らぎを解析するための最も初等的な近似と言うことが出来る。本論文では,上記の手法を用いることで得られる相図を提示する。また,スケーリング指数の評価を行うことで,ランダム系に対しても転移の次数を特定する。これらの解析から,純粋系においては横磁場の下でも一次転移が存在することが明らかとなった。しかし,その一次転移はランダムネスの増加に伴い急激に破壊され,二次転移へと移行することが分かった。これより,有限次元において一次転移は横磁場に対しては安定であるが,ランダムネスに対しては不安定であると結論付けられる。

Related papers

量子Blume-Emery-Griffths模型の解析(修士論文(2010年度))

淳樹 長内

物性研究•Oct 5, 2011•0 citations

多電子系の遍歴・局在・秩序化(第51回 物性若手夏の学校(2006年度))

Yoshio Kuramoto

単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。

•Feb 20, 2007•0 citations

低次元観測者から見た次元上昇と量子現象の構造的類似に関する考察― 1次元から2次元、2次元から3次元への移行を手掛かりとした4次元仮説

昌続 新関

要旨(Abstract)本稿は、4次元を既知の3次元空間に単純な第4の座標軸を追加したものとして想定するのではなく、低次元の観測者が一つ上の次元に属する現象を観測したとき、どのような不可解な現象として経験するかを手掛かりとして、4次元的構造の可能性を考察する思考実験的研究である。まず、1次元から2次元、2次元から3次元への次元上昇を、上位次元をすでに知っている観測者の視点ではなく、低次元内部に拘束された観測者の視点から捉え直す。すると、上位次元を経由する運動や一つの高次元構造の断面は、低次元側からは、突然の消失と出現、通常の経路を通らない移動、離れた位置の強い関連、一つの存在が複数に見える現象などとして現れうる。次に、このような「低次元側に現れる異常の型」と、量子力学における重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果などの古典的直感に反する現象を比較する。本稿は両者を同一であると断定するものではない。既知の次元上昇において低次元観測者に生じる認識上・構造上の特徴を抽出し、その特徴が3次元世界の量子現象にも現れているかを検討するという方法を提示する。この比較から、量子現象が4次元そのものであると結論するのではなく、もし4次元的構造がわれわれの3次元世界に内在しているならば、量子領域はその構造が3次元側へ現れる候補領域の一つではないか、という仮説を提示する。また、この仮説を科学的モデルへ近づけるためには、単なる類似の指摘を越え、次元上昇の特徴を数学的に定義し、量子力学の定量的予測と比較可能な形にする必要があることを論じる。キーワード:次元上昇、低次元観測者、4次元、量子力学、重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果、高次元1 ―問題設定 4次元を「第4の軸」から考えない4次元を考えるとき、通常はX軸、Y軸、Z軸にさらに一つの軸を加えるという表現が用いられる。しかし、この方法は3次元を知っている側から次元を数学的に記述する方法であり、低次元の存在が実際に一つ上の次元をどのように経験するかという問題とは別である。

•Aug 25, 2026•0 citations

长程相互作用Blume-Emery-Griffiths 模型:微正则系综的临界指数

史庆藩 李粮生, Shi QingFan Li LiangSheng

我们研究了长程Blume-Emery-Griffiths 模型在微正则系综下的热力学量, 发现在一级相变附近不仅出现负比热, 磁化率也呈现负值, 并且温度、比热和磁化率在一级相变点都不连续. 当系统发生有序-无序的二级相变时, 比热的临界指数 α = α ′=0 和磁化率的临界指数 γ = γ ′=1 与平均场的结果一致. 当耦合常数对应于正则系综的三临界点时, 比热的临界指数0= α ≠ α ′=1和磁化率的临界指数1= γ ≠ γ ′=2被获得. 我们发现临界指数关系 α ′+ β + γ ′>2 破坏Widom 标度律和等价性.

Zhongguo kexue. Wulixue Lixue Tianwenxue•Jun 2, 2011•1 citation

強相関電子系の物理(第55回物性若手夏の学校(2010年度),講義ノート)

Norio Kawakami

近年、凝縮系物理で注目を集めている強相関電子系について、いくつかの例を取り上げて入門的な講義を行う。まず、強相関電子系における豊富な物理について説明した後、量子揺らぎの最も大きい「1次元電子系」の話題から始める。1次元系の普遍的性質を記述する「朝永ラッティンジャー液体」を臨界現象という観点からながめてみると、多様性の中に潜む「美くしさ」が自然に浮きあがる。カーボンナノチューブや量子細線への応用も紹介する。次に、多体効果の典型例である局所的な電子相関「近藤効果」について概説する。近藤効果は古くから研究されているが、最近でも重い電子系や量子ドット系など、広い分野で精力的に研究が展開されている。いたるところに顔を出す、とびきり重要な概念である。近藤効果には電子相関のエッセンスが凝縮されており、実験の人もぜひマスターしたい必須アイテムである。最後に「モット転移」の話をする。特に、強相関現象の解明には欠かせない動的平均場理論を紹介する。電子相関効果を扱うことは一般に難しいが、「局所的な相関効果を正確に扱おう」というアプローチが動的平均場のエッセンスである。「平均場なのにダイナミクスが扱えるの?」という疑問にも答えたい。

•Jan 5, 2011•0 citations

経路積分的考察による量子力学のプロパゲイターに係わる研究

孝 一瀬, Takashi Ichinose

本研究では,量子力学のプロパゲイター,即ち,シュレーディンガーユニタリ群の積分核,グリーン関数,また虚数時間版のシュレーディンガー半群の熱核を念頭に置いている。この研究では,とりわけ,3つの相異なる磁場付き相対論的シュレーディンガー半群を考え,経路の空間上のレヴィ過程に基づく確率測度による(虚数時間)経路積分表示を確立し,その異なる特徴を明らかにした。また,他の話題,ソレノイド磁場量子散乱におけるアハラノフ・ボーム効果のレゾナンスへの関与や,ベクトル値関数に関する,右辺にディラック作用素が係わるセミノルムを持つ改良ソボレフ不等式についても論じた。

•Jun 9, 2015•0 citations
本論文では,量子Blume-Emery-Griffiths(BEG)スピングラス模型の相転移について議論する。その目的は一次転移に対する,量子揺らぎとランダムネスの影響を明らかにすることにある。ここでは上記の課題を解明するために,平均場理論および実空間繰り込み群の方法を用いた解析を行う。BEG模型はS=1のIsing模型とも呼ばれ,平均場理論や実空間繰り込み群による解析から一次転移と二次転移の二種類の相転移が起きる模型として知られている。一次転移点では,複数の状態の共存状態が実現している。また,それらの状態間にはポテンシャル障壁が存在する。系が有限温度にある場合は,ポテンシャル障壁を熱揺らぎによって飛び越えることで一次転移が起きるが,低温領域ではこのような機構での相転移は起きない。その一方で,低温では量子揺らぎが有意となり,ポテンシャル障壁で隔てられた状態間をトンネル効果によって遷移することが可能となる。このような背景から,一次転移がある系に量子揺らぎを加えたときに,その一次転移がより強固なものになるか破壊されるかは非常に興味深い問題と言える。よって,一次転移が存在する模型の代表として,量子BEGスピングラス模型を扱うのである。このような系の定性的な性質を知るためには,無限次元の系を表す平均場理論が有効である。よって,まず平均場理論を用いた解析を行う。量子スピン系の解析の困難性の一つは,スピン演算子の非可換性にある。そこで,経路積分の方法を用いることで,d次元量子系を(d+1)次元古典系へと変換して解析を行う。+1次元の効果は量子揺らぎに由来するもので,秩序変数の虚時間依存性という形で現れる。その上で,まず秩序変数の虚時間依存性を無視するという静的近似を用いた解析を行う。次に,量子揺らぎの効果を適切に考慮するために,秩序変数の虚時間依存性を部分的に取り込んだ解析を行う。それらの結果の比較から,静的近似が相図上の特定の領域ではよい近似となっていることが明らかとなった。一般に,静的近似は低温では有効ではない。しかし,本論文の結果はそれが有効な例として非自明なものと言うことが出来る。また,量子揺らぎの加え方によって,一次転移に対する影響が異なることが明らかとなった。次に,有限次元系の性質を調べるために,±Jボンドランダムネスを加えた3次元横磁場BEGスピングラス模型を,実空間繰り込み群の方法を用いて解析する。量子系における繰り込み群を構成するために,本論文では切断近似を導入する。切断近似は半古典的な近似ということが出来,有限次元系の量子揺らぎを解析するための最も初等的な近似と言うことが出来る。本論文では,上記の手法を用いることで得られる相図を提示する。また,スケーリング指数の評価を行うことで,ランダム系に対しても転移の次数を特定する。これらの解析から,純粋系においては横磁場の下でも一次転移が存在することが明らかとなった。しかし,その一次転移はランダムネスの増加に伴い急激に破壊され,二次転移へと移行することが分かった。これより,有限次元において一次転移は横磁場に対しては安定であるが,ランダムネスに対しては不安定であると結論付けられる。
単独の電子は,質量・電荷・スピンで特徴付けられ,その性質は定量的によくわかっている。しかし,このような電子が多数集まると,非常に豊かで思いがけない性質を示す。固体中に凝縮した電子が示す超伝導,強磁性,分数量子ホール効果などはその例である。単独の電子の固有状態は,自由空間では平面波であるが,多数の電子の固有状態は必ずしも平面波ではない。すなわち斥力相互作用が強いと,平面波状態は不安定になり,多数の電子は自発的に局在する。この状態は,電子の結晶とみなせる。それでは逆に,平面波状態(フェルミ液体状態)は電子間の相互作用があっても生き残れるか,と問うこともできる。実はこの答えは単純ではない。その際,系の次元性が本質的に重要になる。この講義では,量子多体系としての電子系が示す興味ある性質を理解するために,単純な例から出発して重要な基本概念を説明する。特に,近藤効果,朝永・ラッティンジャー流体,モット絶縁体,動的有効場などを直感的に理解できるようにしたい。また,できるだけ最近の実験結果を含む新しい例題を選んで,量子多体系に関する最先端研究の現状がわかるようにしたい。
要旨(Abstract)本稿は、4次元を既知の3次元空間に単純な第4の座標軸を追加したものとして想定するのではなく、低次元の観測者が一つ上の次元に属する現象を観測したとき、どのような不可解な現象として経験するかを手掛かりとして、4次元的構造の可能性を考察する思考実験的研究である。まず、1次元から2次元、2次元から3次元への次元上昇を、上位次元をすでに知っている観測者の視点ではなく、低次元内部に拘束された観測者の視点から捉え直す。すると、上位次元を経由する運動や一つの高次元構造の断面は、低次元側からは、突然の消失と出現、通常の経路を通らない移動、離れた位置の強い関連、一つの存在が複数に見える現象などとして現れうる。次に、このような「低次元側に現れる異常の型」と、量子力学における重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果などの古典的直感に反する現象を比較する。本稿は両者を同一であると断定するものではない。既知の次元上昇において低次元観測者に生じる認識上・構造上の特徴を抽出し、その特徴が3次元世界の量子現象にも現れているかを検討するという方法を提示する。この比較から、量子現象が4次元そのものであると結論するのではなく、もし4次元的構造がわれわれの3次元世界に内在しているならば、量子領域はその構造が3次元側へ現れる候補領域の一つではないか、という仮説を提示する。また、この仮説を科学的モデルへ近づけるためには、単なる類似の指摘を越え、次元上昇の特徴を数学的に定義し、量子力学の定量的予測と比較可能な形にする必要があることを論じる。キーワード:次元上昇、低次元観測者、4次元、量子力学、重ね合わせ、量子もつれ、トンネル効果、高次元1 ―問題設定 4次元を「第4の軸」から考えない4次元を考えるとき、通常はX軸、Y軸、Z軸にさらに一つの軸を加えるという表現が用いられる。しかし、この方法は3次元を知っている側から次元を数学的に記述する方法であり、低次元の存在が実際に一つ上の次元をどのように経験するかという問題とは別である。
我们研究了长程Blume-Emery-Griffiths 模型在微正则系综下的热力学量, 发现在一级相变附近不仅出现负比热, 磁化率也呈现负值, 并且温度、比热和磁化率在一级相变点都不连续. 当系统发生有序-无序的二级相变时, 比热的临界指数 α = α ′=0 和磁化率的临界指数 γ = γ ′=1 与平均场的结果一致. 当耦合常数对应于正则系综的三临界点时, 比热的临界指数0= α ≠ α ′=1和磁化率的临界指数1= γ ≠ γ ′=2被获得. 我们发现临界指数关系 α ′+ β + γ ′>2 破坏Widom 标度律和等价性.
近年、凝縮系物理で注目を集めている強相関電子系について、いくつかの例を取り上げて入門的な講義を行う。まず、強相関電子系における豊富な物理について説明した後、量子揺らぎの最も大きい「1次元電子系」の話題から始める。1次元系の普遍的性質を記述する「朝永ラッティンジャー液体」を臨界現象という観点からながめてみると、多様性の中に潜む「美くしさ」が自然に浮きあがる。カーボンナノチューブや量子細線への応用も紹介する。次に、多体効果の典型例である局所的な電子相関「近藤効果」について概説する。近藤効果は古くから研究されているが、最近でも重い電子系や量子ドット系など、広い分野で精力的に研究が展開されている。いたるところに顔を出す、とびきり重要な概念である。近藤効果には電子相関のエッセンスが凝縮されており、実験の人もぜひマスターしたい必須アイテムである。最後に「モット転移」の話をする。特に、強相関現象の解明には欠かせない動的平均場理論を紹介する。電子相関効果を扱うことは一般に難しいが、「局所的な相関効果を正確に扱おう」というアプローチが動的平均場のエッセンスである。「平均場なのにダイナミクスが扱えるの?」という疑問にも答えたい。
本研究では,量子力学のプロパゲイター,即ち,シュレーディンガーユニタリ群の積分核,グリーン関数,また虚数時間版のシュレーディンガー半群の熱核を念頭に置いている。この研究では,とりわけ,3つの相異なる磁場付き相対論的シュレーディンガー半群を考え,経路の空間上のレヴィ過程に基づく確率測度による(虚数時間)経路積分表示を確立し,その異なる特徴を明らかにした。また,他の話題,ソレノイド磁場量子散乱におけるアハラノフ・ボーム効果のレゾナンスへの関与や,ベクトル値関数に関する,右辺にディラック作用素が係わるセミノルムを持つ改良ソボレフ不等式についても論じた。