非平衡の量子力学の量子トンネリング : 不安定系への応用(第3回『非平衡系の統計物理』シンポジウム(その1),研究会報告)
Masahiro Morikawa
この論文では,ある条件のもとに量子力学を古典統計力学で近似し,それを用いて実時間で量子トンネル現象を調べる.初めに,外界と結合した量子力学系において散逸の果たす役割をみる;拡散項はエントロピーを常に増大させるが摩擦項は反対にエントロピーを減少させる.これから,漸近的にエントロピー変化が無いパラメターを選べる.すると同時に,エネルギーもまた変化しないことが解る.さらに,量子力学的2点相関関数(の実部)がうまく再現されることを示す.この系をFokker-Planck方程式で記述し,これを涌き出し-吸い込みの境界条件のもとに鞍点法で解く.まず環境系の結合しない量子力学の場合の簡単なモデルについて解いて,これをよく知られたインスタントンの方法の結果と比べる.さらに実際に散逸がある時に,摩擦項は遷移確率を減少させるが,拡散項はそれを増加させる事を議論していく.
•Apr 20, 1996•0 citations