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物性研究

二成分非線型シュレディンガーモデルの量子逆散乱法(場の理論,基研研究会「ソリトン系のダイナミクスとそれに関するカオスの問題」,研究会報告)

康夫 鈴木

Published Oct 20, 1985• 0 citations
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Abstract

Q s ( a , i)-Tm e x p(4i q2t+ 主 oo)s e c h(2甲 ∬) が出て くる.但 し4 万 -l K l (n+1)とおいた.さらに, ¢をは さむ状 態 を ガ リレイ変換 す れ ば, mo v i n gソリ トンも得 られ る.即 ち,量子論 で束縛状 態 をっ くる粒子数 nを無限大にす ると そ の状 態 に関す る ¢( α)の形状 因子 が古典 ソリ トン解 にな る. これ は Go l d s t o n eとJ a c k i w の予 憩 l o ) の一端 と思 われ る. nが有 限 の時の波形 をグラフにす る と, n-5-6く らい です で に s e c hに近 く, n一 大 につれ,古典的波形 に近づ く様子 がわ か る. 参考文献 1 ) M. Wa d a t ie ta l .,J o u r n a lo rP h y s ・S o c .J p nt oa p p e a r ・ 2 ) V. E .Z a k h a r o ve ta l .,S o v .P h y s .J E T P3 4( 1 9 7 2 )6 2 .3 ) V. E .Z a k h a r o ve ta l .,S o v .P h y s .J E T P 3 7( 1 9 7 3 )8 2 3 ・ 4 ) Ⅰ .B .Mc G u l i e ,∫ .Ma t h .P h y s .6( 1 9 6 5 )4 3 2 .E .H. L i e fa n dW.L i n i g e r ,P h y s .Re v .1 3 0( 1 9 6 3 )1 6 0 5 .5 ) H. B .T h a c k e r ,Re v .Mo d .P h y s .5 3( 1 9 8 1 )2 5 3 .

Related papers

厳密に解ける格子モデルのBethe波動関数(場の理論,基研研究会「ソリトン系のダイナミクスとそれに関するカオスの問題」,研究会報告)

春彦 吉田

じめに 量子逆散 乱法 の発展 に伴 い, 1 +1次元の場の量子論, 2次元の統計力学, 1次元量子 ス ピ ン系, における解 けるモデルの共通性 が明 らかになって きた.1)量子逆散 乱法 には,連続 型 の 理論 ( T h a c k e re ta l .)2)と離散型の理論 ( F a d e e ve ta l .) 3)が あ る.特 に, 離 散 型 の理 論 は, Ya n g ・ B a x t e r 関係式 を軸 と して,転送行列 の方法, B e t h e仮説法, S行列の因子化理論,等 の量 子完全可積分系の解法 の統一的理解 を与 える.ここでは,従 来 の B e t h e 仮説 法 ( c o o r d i n a t e B e t h ea n s a t z )4)の一般的 な形 を,離散型 の量子逆散乱法から導 く.これは同時 に B e t h e仮 説 の証 明 を与えることになる.以下では,特に任意ス ピンのHe i s e n b e r g モデル 5 ,6)を例 に挙 げて説 明 す る.§2 Ya n g -B a x t e r 関係式 量子逆散乱法の基礎 となるのは,次のYa n g ・ B a x t e r 関係式 ( YBR ) 5 ) であ る.a t ev e r t e x mo d e l 7) ぉ よび,それ と等価 なHe i s e n b e r gXXX 5 ) ,ⅩⅩZ6) mo de l , 8) l a t t i c en o n li n e a rS c h r 6 d i n g e rmo d e l 8) , l a t t i c eS i n e ・ Go r d o n mo d e l8)等 が含 まれ る. 例 )He i s e n b e r gXXX mo d e l( 任意 ス ピン) 5 ) o s RO n ( i)-王二払 z o ㊥In+ 7 0 ㊥ ?n 2 亡± f i s ( 玉 ㊨ 柔 ト -i j = Ok =11 + kl Z 書写 x , ・ x ∠ -3 2-2 ∫ ノ s s RO n( i)--Z : 〈ロ ( 2 ,2) ( 2 ,3)

物性研究•Oct 20, 1985•0 citations

ホワイトノイズと量子確率解析の非線形拡張(第6回『非平衡系の統計物理』シンポジウム,研究会報告)

伸明 尾畑

o b a t a @ m a t h・ n a g o y a -u・ a c ・ J p l は じめに 揺 らぎを含む物理現象の時間発展は確率微分方程式で記述 され る. 確率積分が厳密 に定式 化 され, 確率微分方程式の基礎付 けがな されたのは 1 9 4 0年代のことであ り, 伊藤理論 として 広 く知 られているが,半世紀 を経た今 日では,よ り無限次元解析 としての色彩が強ま りなが ら様 々に発展 している.それらは, 包括的に 「 確率解析」 と呼ばれているが, そ こでは,ラン ダム性 を無限 自由度に言い換 え, 確率的な対象 を無限次元的な対象 に変換 して議論がな され る.この観点に立つことで, 超関数論な どの関数解析的手法が導入 され易 くな り, 理論が大き く発展す るのである.無限次元解析は,理論構成上の 自由度 も大きく, 何 を礎 とす るかによっ て様 々な流儀がある.なかでも Ma l l i aS c h wa r t zの超関数論によっ て, それまでは意味が暖味であった Di r a cのデル タ関数が正 当化 され, 計算ルールが厳密に 与えられたよ うに, ホワイ トノイズに厳密な定式化が与えられ, 文献に散見 され る 「 形式的」 計算 ( 通常の微積分 と同様な計算) が, ホワイ トノイズ解析の枠組みで理解 され るようになる・ 多 くの場合, 形式的計算 を結果的に正 しい と認めることになっても, ホワイ トノイズ解析が理 論 として意味を失 うものではない.' s c h wa r t z超関数論が, 結局は, デル タ関数な どの形式的 計算 を追認す ることになって も, S c h wa r t z超関数論が不要にはな らないの と同 じである, ホワイ トノイズ解析は,当初, 伊藤解析の拡張 としてスター トした 【 1 5 ]ため, 対象は 「 古 典」確率論の範境 を出るものではなかった.一方,量子確率解析 は, その創始 t 2 1 ]の頃か ら, 量子物理の問題意識か らであろ うが,ヒルベル ト空間論か ら離れず に発展 してきた とい う経 緯がある.その両者のアイデアを融合して,さらなる展開を 目指す試みは,ホ ワイ トノイズ 作用素論 [ 3 3 ]の一応の完成 とともに, 1 9 9 2 年 ころか ら開始 したが,目下の状況は発展の好機 を思わせ る.本誌上において も,ホワイ トノイズ解析の基礎理論 とともに,ホワイ トノイズ による量子確率積分, 量子確率過程のホワイ トノイズによる表示, 量子確率微分方程式 とホ ワイ トノイズ方程式の関連な どについて報告 してきた [ 3 5 ] ,岡 ,【 3 9 ] ・本論文では,高次の ホワイ トノイズ ( ホワイ トノイズの非線形関数)をノイズ項 として含む量子確率微分方程式 を, 「 正規積 ホ ワイ トノイズ微分方程式」 として定式化 し, 解の一意存在 を論 じる.その際, Co c h r a n -Ku o -S e n g u p t a[ 1 4 】による一般的な枠組みが有用である.実際,これまでに,空間を 拡張 して解の存在 を保証す るとい う形の定理 ( 超関数的な解の存在) については十分論 じてき た [ 4 0 ] , [ 4 1 日 4 3 日 4 4 ]ので, 本論文では, 解がいつ F o c k空間の ( 非有界) 作用素になるか ( 超 -「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 の簡略形であ り,この積分は伊藤型量子確率積分を意味す る.さらに, 方程式 ( 2 .3 ) は, 指数ベ ク ト ル に関す る行列要素 ( これ を作用素 シンボル とい う) に対す る方程式に書 き直せ ば, 《 X擁 , 4 , 刀 ) ) -《 4 , i , 4 , り )+ / E t ( 《に等 しくなる・したがって, ( 2 .5 ) か ら作用素の部分だけを取 り出せ ば, X i -I + / -- とな り, さらに tで微分すれ ば, d Xl d t ( L l a : Xs a s +L 2 Xs a s +L 3 a s * Xs +L 4 Xs ) d s -L l a ; Xt at +L 2 Xt al +L3a ; Xl +L4Xl , X ( 2 .6 ) -I , ( 2 .7 ) となる・最後 に, 場 の理論で使 われ る正規積 ( Wi c k 積)を用いて書 き直す.Wi c k積 を ◇で表 せ ば, a s ◇at-a s a t , a s * ◇at-a s * a t , a s ◇a ;-a i * a s , a s * ◇a l * -a ; a i * ・ また, 一般 の作用素 X に対 しては, ( a ; 1 ・ ・ ・ a s * l a t l-・ a t m )◇ X-a ; 1 -・ a s * , Xa t l・ -ai m なる性質 を持つ.したがって, ( 2 .7 ) は Wi c k積 に関す る線形方程式 ( L l a l * at+ L 2 a t +L 3 a l * +L4)◇Xl , X-I, ( 2 .8 ) に帰着 され る・こ うして, 量子確率微分方程式 ( 2 . 1 ) は, 単純な線形方程式 ( 2 .8 )と同値 となる.

物性研究•Jun 20, 1999•0 citations

8-バーテックスモデルとXYZモデル(講義ノート)

重俊 桂

重 俊 (1 9 8 2年 7月 1 3日受理 ) 講義 ノー ト は じ め に 1 9 71 年 にBa x t e r は 2次元 の 8 -v e r t e xモデルの自由エネルギーを転送行列 の方法で求 めた。 このモデルは特殊 な場合 として I s i n gモデル,d i me rモデル,i c eモデ/ レ ,KDPモデル,Fモ デル等 を含 む一般的 なモデルである。また Ba x t e rはこの転送行列 の固有ベ ク トルが He i s e n b e r g モデルの一般化である 1次元 ⅩYZモデルのハ ミル トニア ンの固有 ベ ク トルになっていること を示 し, これか らその基底 エネルギー を求 めた。 Ba x t e rの論文 は " ama s t e r p i e c eo f1 9 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a la ゎ a l y s i s〝とも言われ ているが,む しろ " ama s t e r p i e c eo f2 0 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a lp h y s i c s〝と言 うべ きで あろ う。P h y s .Re v .L e t t .の論文 3 , 4 ) は勿論, An n .P h y s .の論文 1 , 2 ) も省略 されている部分が多 く, 孤峰 として奪 えたまま登山をす る人は少なかった。 しか し最近量子逆散乱法 が脚光 をあびるに 至 って, 8 -v e r t e xモデルあるいは 1次元 ⅩYZ モデルがその例題 として しば しば誌面 を賑 わ す よ うになった。 Ta k h a d z h a n -F a d d e e vの解説 5 ) を参照に しながら,1 0年前読 もうと思 って途 中でやめた論文 をもう 一度読 もうと思いたった所以 である。今度東京工業大学 において 「 スピン系 の統計力学」 と題す る集 中講義 を行 なったが, 8 -v e r t e xモデルの話 も加 えることとし, これ を機会 にその ノー トをまとめた。 本稿 を草するに当ってE.Ba r o u c h ,和達三樹,および同研究室の方々,広池和夫, 守田徹,鈴 木増雄,宮下精二,小 口武彦 の諸氏6 ・ 7 ) から多 くの御教示を頂いたことを記 して厚 く謝意 を表する。 §1 . 1 6v e r t e x ・ モデル, 8v e r t e xモデル, 6v e r t e xモデル 2次元の正方格子 を考 えて各格子点間 を結ぶ b o n dに上向,下向, または左向,右向,のい づれかの矢 をっ ける。各格子点 とこれに入 る 4本 の b o n dを見 るとこの格子 点 には 1 6個 の状 態がある。 この各状態に el, e2 -・61 6 のエネルギーを割付 けたモデルが 1 6 -v e r t e x モ デ ル である。 この 1 6個の配置 の うち 1つの格子点 に奇数本 の b o n dが入 る状 態 が禁止 され るとす *KATS UR A, S h i g e t o s i 軽 重殴 る と ( e 9 ,e l ° ・ -e 1 6 --) 可能 な状 態 として 8個 の状 態が許 され る。 これが広義 の 8 -v e r t e x モデルである。一つの格子点 に対 して 4つ の b o n dを反転 した もの と, もとの ものの e n e r g y が等 しい とす る。 ( e l -C 2 ,E 3 -e 4 ,e 5 -e 6 ,e 7 -e 8 ) (これ は z e r o f i e l dの条件 である. ) これ が狭義 の 8 -v e r t e xモデル ( Ba x t e rモデル)である。 この内 4本 ともv e r t e x に向 った も の, 4 本 ともv e r t e xか ら出 るものを除 くと ( e 7 -e 8-∞ ) 可態 な状 態 は 6個 となるO これ が 6 -v e r t e xモデルであるoその うちK D Pモデル といわれ るものは T a k a h a s i ,L i e bに よ る強 誘電体 のモデルである* .本稿では狭義 の 8v e r t e xモデル を単 に 8 -V 。 r t 。 Ⅹモデル とい う0 8 -v e r t e xモデルの一つの配置 が与 え られ た とき各格子点 は e l ,e 8 の何れかの状態 をと るo系全体 で e・ のエネル ギー を もつ v e r t e xの数 をNj とすれば系 の状 態和 は ノ 8 zI V m = ∑ e x pト P j S .

物性研究•Sep 20, 1982•0 citations

量子力学の解釈についての覚え書き(量子力学の基礎について,研究会報告)

豊 豊沢

系のノ 、ミル トニア ンを次 のよ うに とる。 < < < H -a.+H' ∧ 〟 H . -c p " ,A , -∑V( 金一, W) " 6 1 ( n ) , T Z = 1 V( x-n a ) ニー V o O ( n a-a ) 0 ( a-( n-1 )a ) この系の相互作用表示での時間発展作用素 は : 1 ) 6 ( i ) 完 e x Pl -( i / i )p -1 2 : T ] , p --V ./ C,会 T -n g 1 9 1 ' n ' / N ( 5 ) の位相のp 7 依存性 と( 1 ) 式 での Zについての積分か ら波束の収縮 が導かれ る. もう少 しくわ しい内容 は次 の文献 1 ) にある。 ( 4 ) ( 5 ) 参考文献 1 ) S .Ma c h i d aa n d M. Na mi k i , Ma c r o s c o p i cNa t u r eo fDe t e c t i n gAp p a r a t u sa n d Re d u c t i o n o fWa v ePa c k e t , P r o c .I n t .S y mp .O n t h eFo u n d a t i o n so fQu a n t u m Me c h a n i c s ( 丁 a p. P h y s .S o c . ) ,1 9 8 4年 3月刊行予定。 量子力学 の解釈 についての覚 え書 き 東大 ・ 物性研 豊 沢 豊 量子系の観測では,観測装置の中で起 る非可逆過程 とそれ に伴 な う量子系の 「 可干渉性 の喪 失」がそ の決定的段階である, とい うH.S .Gr e e n以来の考 え方は次第 に多 くの人々の支持 を 得っっ あ り,実際 これ はv o n Ne u ma n n の逆説的な主張 -観測 され る系 ( S ) と観測装置 ( A) との境界 は任意 に ( a b s t r a c t e st t I c h " にまでも ) 移 し得 るとす るもの -よ りはるかに妥 当で 常識的 にも受 け入れやす い考 え方である。私 もこの線上で,観測に伴な うエ ン トロピー変化, 観測の客観性 と再現性 などについて何度か話 したことはあるが, ここではさらに基本的 な所 ま で掘 りさげて考 えてみたい。 A内の非可逆過程によ りSの可干渉性 が失 なわれ ても,合成系 ( S+A) の波動 関数 はや は り一次結合 のままで あ り,「 観測に よる波束 の収縮 は合成系の S c h r 6 d i n g e r 方程式 か らも出て ー2 6 8 -量子力学の解釈についての覚え書き こない」とい う欲 求不満 は少 しも取 り除かれ ていないのである。波動 関数 を実在 と信 じる限 り 行 きつ く境地 は 「 多世界理論」で あ り, これ とv o n Ne u ma n nの考 え と何れが よ り逆説的 でな いかは,にわかに判断 しがたい。 私 は,「 系の状態 を記述す る最 も基本的 な量 は波動 関数 で な く統計 演算子 ( 密度行列 )βである」と考 えたい。以下それ を具体的に説明 してみ よ う。 ( 1 )波動関数 は純粋状態 ( β 2 -〟 )とい う極 めて特殊 な状況 でだけ定義で きる, また βの行列 表現 の基底 として役立っ,補助的 な概念に過 ぎない。 ( 2 ) 量子統計力学における統計性には,古典統計力学 とも共通 の統計性 (原理的には可知 だが 巨大 自由度 のため実際的には不可知 な要素 )と量子力学特有 の統計性 ( 原理的 な不可知 ) とが, 二重構造 として含 まれてい る, とするのが通説 のよ うだが,両者 は本来一体の もので ある。実 際 この二つ の統計性 を分離 できるよ うな思考実験 は存 在 しない。 ( 3 )Sに起 る変化 を我 々が外 ( A ) か ら観測 しよ うとす る とき,Sは合成系 ( S+A) の部分系に 過 ぎな くなる。合成系が た とえ純粋状態 ( p s 2 .Ap s.A)で あって も部分系 ( p s… T r A( p s .A) ) は一般 に混合状態 ( p 呈≠ p s) であ り,従 って統計演算子 で記述す る しかない。 あ る瞬 間 に p s が純粋状態で あって も, SとAの相互作用 がある限 りそれ は早晩混合状態に陥 る。全宇宙 が純 粋状態か否 かを判断 し得 るのは,その外 にあってそれ と相互作用 しない神 のみで あ り, 内にあ って相互作用の

素粒子論研究•Feb 20, 1984•0 citations

非平衡・量子散逸系の正準理論 : 量子系確率微分方程式の一貫した枠組み(筑波大学開学20周年記念第2回『非平衡系の統計物理-現状と展望』シンポジウム,研究会報告)

敏彦 有光

m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.

物性研究•Apr 20, 1994•0 citations

4)量子論(第42回 物性若手夏の学校(1997年度))

高木, 伸

Re d f b r d ) とい う映画を観た。 これをもじって現 在の物理学の大状況を言えばT h eCD R u nsT h r o u g h I tとでもなろうれ CDはC a n t o r d i a g o n a l i z a t i o nか らc o mp a c t d i s c まで多義に捗るa c r o n y mであるが、ここに言 うTh eC D は C e n t r a lDo g maとしての量子論を指す。量子論の登場せぬ物理の重要性を充分に認 識 した上で、上記標語に異論を挟む向きは少なかろ う【 4 】 。 本講義で採 り上げたいのは、大学の正規の講義ではあま り出て来ぬこと、つま り、あ ま りにも初等的なため、講義の初めの方にちょ っと顔 を出 してそれでお しまい、ところが 後で考えると良くは分か らぬ、とい う 類のことである。 特にこの十年来、種々干渉計の精度向上やいわゆるメソスコピック系の開発により、以 前にば'ァカデ ミック"ない し' '哲学的" と、あたかも蔑視 されていた事項が、現実問題 として登場 してきている。初等量子力学の範囲で、量子論の基礎に纏わるもや もやをすっ きりさせてお くことは、これ ら実験の意味を理解す る うえでも不可欠 と言えよう 。 大学院に進んで理論の勉強をすると高踏技巧の洗礼を受けるのが習わ しのようである。 筆者が大学院に入ったころは' Qu a n t u m F i e l dT h e o r e t i c a lMe t h o d si nS t a t i s t i c a lP h y s i c s " ( Ab r i k o s o v , Go r ' k o va n dDz y a l o s h i n s k i i )が自主セ ミナーの一つの定本であった。金がな いこととて海賊版 を買い込み ( 著作権に対す る認識が全 く欠如 していた) 、泡を膨 らませ た り梯子に登った りLで悦に入っていた覚えがある。高踏技巧は強力であ り、それな しに は計算できないことも多々あるが、その背後に潜む物理的描像 を掴まえるには、ときに Ma n u a l 人間に徹 してみることを勧めたい。まにゆある通 りに形式的能率的に答を出 して 事足れ りとするのでなく、非能率かつ非真面 目【 6 】 の手作業 ( ma n u a l w o r k ) で考えて初めて 分かることも多いはずである。 では、御用 とお急ぎでない方々、 しば しお付き合い願いたい。 2 破 ( 記 波 F S八方破れ) 講義を頼まれた理由を推察す るに、おそ らく、量子力学を講義 しなが ら筆者が常に、量 子力学は分か らぬ と咳いているか らであろ う 。素手で出かけて行って、ふだん大学で し ている漫談をすればよかろ う、手がけている仕事 も 7月までには終わっていよう、そ う 思って気安 く引き受けて しまった。 ところがである、まず 3月にa b s t r a c t 、次いで 5月に はl e c t u r en o t eを書くことになっていた。そんな筈ではなかった。ちゃん と契約を取 り交 して訊いておかなかったのが失敗である。 物理学汎論の大家、故高橋秀俊先生は、講義の板書をすばや く消 して しまわれること が多かった。お弟子さんの どなたかがその理由を尋ねた ところ、「 間違っているといけな いので」とおっしゃった とのこと。学生の帳面だけな らまだ しも、物性研究に掲載されて -

•Dec 20, 1997•0 citations
Q s ( a , i)-Tm e x p(4i q2t+ 主 oo)s e c h(2甲 ∬) が出て くる.但 し4 万 -l K l (n+1)とおいた.さらに, ¢をは さむ状 態 を ガ リレイ変換 す れ ば, mo v i n gソリ トンも得 られ る.即 ち,量子論 で束縛状 態 をっ くる粒子数 nを無限大にす ると そ の状 態 に関す る ¢( α)の形状 因子 が古典 ソリ トン解 にな る. これ は Go l d s t o n eとJ a c k i w の予 憩 l o ) の一端 と思 われ る. nが有 限 の時の波形 をグラフにす る と, n-5-6く らい です で に s e c hに近 く, n一 大 につれ,古典的波形 に近づ く様子 がわ か る. 参考文献 1 ) M. Wa d a t ie ta l .,J o u r n a lo rP h y s ・S o c .J p nt oa p p e a r ・ 2 ) V. E .Z a k h a r o ve ta l .,S o v .P h y s .J E T P3 4( 1 9 7 2 )6 2 .3 ) V. E .Z a k h a r o ve ta l .,S o v .P h y s .J E T P 3 7( 1 9 7 3 )8 2 3 ・ 4 ) Ⅰ .B .Mc G u l i e ,∫ .Ma t h .P h y s .6( 1 9 6 5 )4 3 2 .E .H. L i e fa n dW.L i n i g e r ,P h y s .Re v .1 3 0( 1 9 6 3 )1 6 0 5 .5 ) H. B .T h a c k e r ,Re v .Mo d .P h y s .5 3( 1 9 8 1 )2 5 3 .
じめに 量子逆散 乱法 の発展 に伴 い, 1 +1次元の場の量子論, 2次元の統計力学, 1次元量子 ス ピ ン系, における解 けるモデルの共通性 が明 らかになって きた.1)量子逆散 乱法 には,連続 型 の 理論 ( T h a c k e re ta l .)2)と離散型の理論 ( F a d e e ve ta l .) 3)が あ る.特 に, 離 散 型 の理 論 は, Ya n g ・ B a x t e r 関係式 を軸 と して,転送行列 の方法, B e t h e仮説法, S行列の因子化理論,等 の量 子完全可積分系の解法 の統一的理解 を与 える.ここでは,従 来 の B e t h e 仮説 法 ( c o o r d i n a t e B e t h ea n s a t z )4)の一般的 な形 を,離散型 の量子逆散乱法から導 く.これは同時 に B e t h e仮 説 の証 明 を与えることになる.以下では,特に任意ス ピンのHe i s e n b e r g モデル 5 ,6)を例 に挙 げて説 明 す る.§2 Ya n g -B a x t e r 関係式 量子逆散乱法の基礎 となるのは,次のYa n g ・ B a x t e r 関係式 ( YBR ) 5 ) であ る.a t ev e r t e x mo d e l 7) ぉ よび,それ と等価 なHe i s e n b e r gXXX 5 ) ,ⅩⅩZ6) mo de l , 8) l a t t i c en o n li n e a rS c h r 6 d i n g e rmo d e l 8) , l a t t i c eS i n e ・ Go r d o n mo d e l8)等 が含 まれ る. 例 )He i s e n b e r gXXX mo d e l( 任意 ス ピン) 5 ) o s RO n ( i)-王二払 z o ㊥In+ 7 0 ㊥ ?n 2 亡± f i s ( 玉 ㊨ 柔 ト -i j = Ok =11 + kl Z 書写 x , ・ x ∠ -3 2-2 ∫ ノ s s RO n( i)--Z : 〈ロ ( 2 ,2) ( 2 ,3)
o b a t a @ m a t h・ n a g o y a -u・ a c ・ J p l は じめに 揺 らぎを含む物理現象の時間発展は確率微分方程式で記述 され る. 確率積分が厳密 に定式 化 され, 確率微分方程式の基礎付 けがな されたのは 1 9 4 0年代のことであ り, 伊藤理論 として 広 く知 られているが,半世紀 を経た今 日では,よ り無限次元解析 としての色彩が強ま りなが ら様 々に発展 している.それらは, 包括的に 「 確率解析」 と呼ばれているが, そ こでは,ラン ダム性 を無限 自由度に言い換 え, 確率的な対象 を無限次元的な対象 に変換 して議論がな され る.この観点に立つことで, 超関数論な どの関数解析的手法が導入 され易 くな り, 理論が大き く発展す るのである.無限次元解析は,理論構成上の 自由度 も大きく, 何 を礎 とす るかによっ て様 々な流儀がある.なかでも Ma l l i aS c h wa r t zの超関数論によっ て, それまでは意味が暖味であった Di r a cのデル タ関数が正 当化 され, 計算ルールが厳密に 与えられたよ うに, ホワイ トノイズに厳密な定式化が与えられ, 文献に散見 され る 「 形式的」 計算 ( 通常の微積分 と同様な計算) が, ホワイ トノイズ解析の枠組みで理解 され るようになる・ 多 くの場合, 形式的計算 を結果的に正 しい と認めることになっても, ホワイ トノイズ解析が理 論 として意味を失 うものではない.' s c h wa r t z超関数論が, 結局は, デル タ関数な どの形式的 計算 を追認す ることになって も, S c h wa r t z超関数論が不要にはな らないの と同 じである, ホワイ トノイズ解析は,当初, 伊藤解析の拡張 としてスター トした 【 1 5 ]ため, 対象は 「 古 典」確率論の範境 を出るものではなかった.一方,量子確率解析 は, その創始 t 2 1 ]の頃か ら, 量子物理の問題意識か らであろ うが,ヒルベル ト空間論か ら離れず に発展 してきた とい う経 緯がある.その両者のアイデアを融合して,さらなる展開を 目指す試みは,ホ ワイ トノイズ 作用素論 [ 3 3 ]の一応の完成 とともに, 1 9 9 2 年 ころか ら開始 したが,目下の状況は発展の好機 を思わせ る.本誌上において も,ホワイ トノイズ解析の基礎理論 とともに,ホワイ トノイズ による量子確率積分, 量子確率過程のホワイ トノイズによる表示, 量子確率微分方程式 とホ ワイ トノイズ方程式の関連な どについて報告 してきた [ 3 5 ] ,岡 ,【 3 9 ] ・本論文では,高次の ホワイ トノイズ ( ホワイ トノイズの非線形関数)をノイズ項 として含む量子確率微分方程式 を, 「 正規積 ホ ワイ トノイズ微分方程式」 として定式化 し, 解の一意存在 を論 じる.その際, Co c h r a n -Ku o -S e n g u p t a[ 1 4 】による一般的な枠組みが有用である.実際,これまでに,空間を 拡張 して解の存在 を保証す るとい う形の定理 ( 超関数的な解の存在) については十分論 じてき た [ 4 0 ] , [ 4 1 日 4 3 日 4 4 ]ので, 本論文では, 解がいつ F o c k空間の ( 非有界) 作用素になるか ( 超 -「 第 6回 『 非平衡系の統計物理』 シンポジウム」 の簡略形であ り,この積分は伊藤型量子確率積分を意味す る.さらに, 方程式 ( 2 .3 ) は, 指数ベ ク ト ル に関す る行列要素 ( これ を作用素 シンボル とい う) に対す る方程式に書 き直せ ば, 《 X擁 , 4 , 刀 ) ) -《 4 , i , 4 , り )+ / E t ( 《に等 しくなる・したがって, ( 2 .5 ) か ら作用素の部分だけを取 り出せ ば, X i -I + / -- とな り, さらに tで微分すれ ば, d Xl d t ( L l a : Xs a s +L 2 Xs a s +L 3 a s * Xs +L 4 Xs ) d s -L l a ; Xt at +L 2 Xt al +L3a ; Xl +L4Xl , X ( 2 .6 ) -I , ( 2 .7 ) となる・最後 に, 場 の理論で使 われ る正規積 ( Wi c k 積)を用いて書 き直す.Wi c k積 を ◇で表 せ ば, a s ◇at-a s a t , a s * ◇at-a s * a t , a s ◇a ;-a i * a s , a s * ◇a l * -a ; a i * ・ また, 一般 の作用素 X に対 しては, ( a ; 1 ・ ・ ・ a s * l a t l-・ a t m )◇ X-a ; 1 -・ a s * , Xa t l・ -ai m なる性質 を持つ.したがって, ( 2 .7 ) は Wi c k積 に関す る線形方程式 ( L l a l * at+ L 2 a t +L 3 a l * +L4)◇Xl , X-I, ( 2 .8 ) に帰着 され る・こ うして, 量子確率微分方程式 ( 2 . 1 ) は, 単純な線形方程式 ( 2 .8 )と同値 となる.
重 俊 (1 9 8 2年 7月 1 3日受理 ) 講義 ノー ト は じ め に 1 9 71 年 にBa x t e r は 2次元 の 8 -v e r t e xモデルの自由エネルギーを転送行列 の方法で求 めた。 このモデルは特殊 な場合 として I s i n gモデル,d i me rモデル,i c eモデ/ レ ,KDPモデル,Fモ デル等 を含 む一般的 なモデルである。また Ba x t e rはこの転送行列 の固有ベ ク トルが He i s e n b e r g モデルの一般化である 1次元 ⅩYZモデルのハ ミル トニア ンの固有 ベ ク トルになっていること を示 し, これか らその基底 エネルギー を求 めた。 Ba x t e rの論文 は " ama s t e r p i e c eo f1 9 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a la ゎ a l y s i s〝とも言われ ているが,む しろ " ama s t e r p i e c eo f2 0 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a lp h y s i c s〝と言 うべ きで あろ う。P h y s .Re v .L e t t .の論文 3 , 4 ) は勿論, An n .P h y s .の論文 1 , 2 ) も省略 されている部分が多 く, 孤峰 として奪 えたまま登山をす る人は少なかった。 しか し最近量子逆散乱法 が脚光 をあびるに 至 って, 8 -v e r t e xモデルあるいは 1次元 ⅩYZ モデルがその例題 として しば しば誌面 を賑 わ す よ うになった。 Ta k h a d z h a n -F a d d e e vの解説 5 ) を参照に しながら,1 0年前読 もうと思 って途 中でやめた論文 をもう 一度読 もうと思いたった所以 である。今度東京工業大学 において 「 スピン系 の統計力学」 と題す る集 中講義 を行 なったが, 8 -v e r t e xモデルの話 も加 えることとし, これ を機会 にその ノー トをまとめた。 本稿 を草するに当ってE.Ba r o u c h ,和達三樹,および同研究室の方々,広池和夫, 守田徹,鈴 木増雄,宮下精二,小 口武彦 の諸氏6 ・ 7 ) から多 くの御教示を頂いたことを記 して厚 く謝意 を表する。 §1 . 1 6v e r t e x ・ モデル, 8v e r t e xモデル, 6v e r t e xモデル 2次元の正方格子 を考 えて各格子点間 を結ぶ b o n dに上向,下向, または左向,右向,のい づれかの矢 をっ ける。各格子点 とこれに入 る 4本 の b o n dを見 るとこの格子 点 には 1 6個 の状 態がある。 この各状態に el, e2 -・61 6 のエネルギーを割付 けたモデルが 1 6 -v e r t e x モ デ ル である。 この 1 6個の配置 の うち 1つの格子点 に奇数本 の b o n dが入 る状 態 が禁止 され るとす *KATS UR A, S h i g e t o s i 軽 重殴 る と ( e 9 ,e l ° ・ -e 1 6 --) 可能 な状 態 として 8個 の状 態が許 され る。 これが広義 の 8 -v e r t e x モデルである。一つの格子点 に対 して 4つ の b o n dを反転 した もの と, もとの ものの e n e r g y が等 しい とす る。 ( e l -C 2 ,E 3 -e 4 ,e 5 -e 6 ,e 7 -e 8 ) (これ は z e r o f i e l dの条件 である. ) これ が狭義 の 8 -v e r t e xモデル ( Ba x t e rモデル)である。 この内 4本 ともv e r t e x に向 った も の, 4 本 ともv e r t e xか ら出 るものを除 くと ( e 7 -e 8-∞ ) 可態 な状 態 は 6個 となるO これ が 6 -v e r t e xモデルであるoその うちK D Pモデル といわれ るものは T a k a h a s i ,L i e bに よ る強 誘電体 のモデルである* .本稿では狭義 の 8v e r t e xモデル を単 に 8 -V 。 r t 。 Ⅹモデル とい う0 8 -v e r t e xモデルの一つの配置 が与 え られ た とき各格子点 は e l ,e 8 の何れかの状態 をと るo系全体 で e・ のエネル ギー を もつ v e r t e xの数 をNj とすれば系 の状 態和 は ノ 8 zI V m = ∑ e x pト P j S .
系のノ 、ミル トニア ンを次 のよ うに とる。 < < < H -a.+H' ∧ 〟 H . -c p " ,A , -∑V( 金一, W) " 6 1 ( n ) , T Z = 1 V( x-n a ) ニー V o O ( n a-a ) 0 ( a-( n-1 )a ) この系の相互作用表示での時間発展作用素 は : 1 ) 6 ( i ) 完 e x Pl -( i / i )p -1 2 : T ] , p --V ./ C,会 T -n g 1 9 1 ' n ' / N ( 5 ) の位相のp 7 依存性 と( 1 ) 式 での Zについての積分か ら波束の収縮 が導かれ る. もう少 しくわ しい内容 は次 の文献 1 ) にある。 ( 4 ) ( 5 ) 参考文献 1 ) S .Ma c h i d aa n d M. Na mi k i , Ma c r o s c o p i cNa t u r eo fDe t e c t i n gAp p a r a t u sa n d Re d u c t i o n o fWa v ePa c k e t , P r o c .I n t .S y mp .O n t h eFo u n d a t i o n so fQu a n t u m Me c h a n i c s ( 丁 a p. P h y s .S o c . ) ,1 9 8 4年 3月刊行予定。 量子力学 の解釈 についての覚 え書 き 東大 ・ 物性研 豊 沢 豊 量子系の観測では,観測装置の中で起 る非可逆過程 とそれ に伴 な う量子系の 「 可干渉性 の喪 失」がそ の決定的段階である, とい うH.S .Gr e e n以来の考 え方は次第 に多 くの人々の支持 を 得っっ あ り,実際 これ はv o n Ne u ma n n の逆説的な主張 -観測 され る系 ( S ) と観測装置 ( A) との境界 は任意 に ( a b s t r a c t e st t I c h " にまでも ) 移 し得 るとす るもの -よ りはるかに妥 当で 常識的 にも受 け入れやす い考 え方である。私 もこの線上で,観測に伴な うエ ン トロピー変化, 観測の客観性 と再現性 などについて何度か話 したことはあるが, ここではさらに基本的 な所 ま で掘 りさげて考 えてみたい。 A内の非可逆過程によ りSの可干渉性 が失 なわれ ても,合成系 ( S+A) の波動 関数 はや は り一次結合 のままで あ り,「 観測に よる波束 の収縮 は合成系の S c h r 6 d i n g e r 方程式 か らも出て ー2 6 8 -量子力学の解釈についての覚え書き こない」とい う欲 求不満 は少 しも取 り除かれ ていないのである。波動 関数 を実在 と信 じる限 り 行 きつ く境地 は 「 多世界理論」で あ り, これ とv o n Ne u ma n nの考 え と何れが よ り逆説的 でな いかは,にわかに判断 しがたい。 私 は,「 系の状態 を記述す る最 も基本的 な量 は波動 関数 で な く統計 演算子 ( 密度行列 )βである」と考 えたい。以下それ を具体的に説明 してみ よ う。 ( 1 )波動関数 は純粋状態 ( β 2 -〟 )とい う極 めて特殊 な状況 でだけ定義で きる, また βの行列 表現 の基底 として役立っ,補助的 な概念に過 ぎない。 ( 2 ) 量子統計力学における統計性には,古典統計力学 とも共通 の統計性 (原理的には可知 だが 巨大 自由度 のため実際的には不可知 な要素 )と量子力学特有 の統計性 ( 原理的 な不可知 ) とが, 二重構造 として含 まれてい る, とするのが通説 のよ うだが,両者 は本来一体の もので ある。実 際 この二つ の統計性 を分離 できるよ うな思考実験 は存 在 しない。 ( 3 )Sに起 る変化 を我 々が外 ( A ) か ら観測 しよ うとす る とき,Sは合成系 ( S+A) の部分系に 過 ぎな くなる。合成系が た とえ純粋状態 ( p s 2 .Ap s.A)で あって も部分系 ( p s… T r A( p s .A) ) は一般 に混合状態 ( p 呈≠ p s) であ り,従 って統計演算子 で記述す る しかない。 あ る瞬 間 に p s が純粋状態で あって も, SとAの相互作用 がある限 りそれ は早晩混合状態に陥 る。全宇宙 が純 粋状態か否 かを判断 し得 るのは,その外 にあってそれ と相互作用 しない神 のみで あ り, 内にあ って相互作用の
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
Re d f b r d ) とい う映画を観た。 これをもじって現 在の物理学の大状況を言えばT h eCD R u nsT h r o u g h I tとでもなろうれ CDはC a n t o r d i a g o n a l i z a t i o nか らc o mp a c t d i s c まで多義に捗るa c r o n y mであるが、ここに言 うTh eC D は C e n t r a lDo g maとしての量子論を指す。量子論の登場せぬ物理の重要性を充分に認 識 した上で、上記標語に異論を挟む向きは少なかろ う【 4 】 。 本講義で採 り上げたいのは、大学の正規の講義ではあま り出て来ぬこと、つま り、あ ま りにも初等的なため、講義の初めの方にちょ っと顔 を出 してそれでお しまい、ところが 後で考えると良くは分か らぬ、とい う 類のことである。 特にこの十年来、種々干渉計の精度向上やいわゆるメソスコピック系の開発により、以 前にば'ァカデ ミック"ない し' '哲学的" と、あたかも蔑視 されていた事項が、現実問題 として登場 してきている。初等量子力学の範囲で、量子論の基礎に纏わるもや もやをすっ きりさせてお くことは、これ ら実験の意味を理解す る うえでも不可欠 と言えよう 。 大学院に進んで理論の勉強をすると高踏技巧の洗礼を受けるのが習わ しのようである。 筆者が大学院に入ったころは' Qu a n t u m F i e l dT h e o r e t i c a lMe t h o d si nS t a t i s t i c a lP h y s i c s " ( Ab r i k o s o v , Go r ' k o va n dDz y a l o s h i n s k i i )が自主セ ミナーの一つの定本であった。金がな いこととて海賊版 を買い込み ( 著作権に対す る認識が全 く欠如 していた) 、泡を膨 らませ た り梯子に登った りLで悦に入っていた覚えがある。高踏技巧は強力であ り、それな しに は計算できないことも多々あるが、その背後に潜む物理的描像 を掴まえるには、ときに Ma n u a l 人間に徹 してみることを勧めたい。まにゆある通 りに形式的能率的に答を出 して 事足れ りとするのでなく、非能率かつ非真面 目【 6 】 の手作業 ( ma n u a l w o r k ) で考えて初めて 分かることも多いはずである。 では、御用 とお急ぎでない方々、 しば しお付き合い願いたい。 2 破 ( 記 波 F S八方破れ) 講義を頼まれた理由を推察す るに、おそ らく、量子力学を講義 しなが ら筆者が常に、量 子力学は分か らぬ と咳いているか らであろ う 。素手で出かけて行って、ふだん大学で し ている漫談をすればよかろ う、手がけている仕事 も 7月までには終わっていよう、そ う 思って気安 く引き受けて しまった。 ところがである、まず 3月にa b s t r a c t 、次いで 5月に はl e c t u r en o t eを書くことになっていた。そんな筈ではなかった。ちゃん と契約を取 り交 して訊いておかなかったのが失敗である。 物理学汎論の大家、故高橋秀俊先生は、講義の板書をすばや く消 して しまわれること が多かった。お弟子さんの どなたかがその理由を尋ねた ところ、「 間違っているといけな いので」とおっしゃった とのこと。学生の帳面だけな らまだ しも、物性研究に掲載されて -