東大数理科学研究科 ・ 加藤晃史 1 .I n t r o d u c t i o n Ya ng -Ba x t e r 方程式の発見以来、可解模型の研究はこの方程式の解を構成する事に力点が置 かれ、今では無限に多 くの解 ( -可解模型)が知 られるようになった。ひとたび Ya n g -B a x t e r の解がわかると、f r e ee n e r g yや 1 点関数はあとは比較的定まった方法で求めることができる。 しか し、「 可解」を標模する以上、任意の相関関数まで求まって欲 しいのが人情である。人々 のこの ような願いは長い間 I s i n gmo d e l で しか叶えられなかった。 よく知 られているように、臨界点直上の g a p l e s sの励起は共形場理論によって記述 される。 この理論は可解であ り、任意の相関関数が計算可能であるが、それには ・系が vi r a 8 0 r O(もしくは a 凪n eL i ea l g e b r a)という無限次元の対称性で統制されている。 ・ この対称性は、内部対称性 と外部対称性 ( 時空の対称性)を関係 させる。 •一次元量子論 として見たときの Hi l b e r t空間は、この対称性の無限次元既約表現の有限 個の直和に分解で きる。 という事情が本質的であった。 可解格子模型で も、同様のことを期待 してはいけないのだろうか ?ただ し、可解格子模型 は一般 に g a pを持つので、共形変換 を生成するVi r a B O r O代数は系の対称性ではあ りえない。 一方、量子群が Y a n g -Ba x t e rと密接に関係 していることは、その出自から明かであったので、 対称性の候補 として量子群に注目が集まったのは当然であった。しか し、有限次元の対称性に とどまっている限 り、上のような意味での可解性には役者不足の感は否めなかった。 1 9 9 2年 になって、s p i n1 / 2の反強磁性 x x z スピン鎖に関 しては、U q( 5 1 2 )と呼ばれる無 限次元の a 氏n e型の量子群が まさに欲 しい対称性であることが明 らかにされた.この量子群の作用は無限に長いスピン鎖のときに初めてきちんと定義できるという事情が、これまでなか なか表舞台に登場 しなかった理由の一つであろう。この対称性の発見により、Ha mi l t o n i a nの 対角化、n点相関の計算などが、純粋に表現論の枠内で遂行可能にな り、我々は本当の意味で 可解性 を手 にしたと言える。このような対称性は、現在までにかな り広いクラスの可解格子模 型に対 して兄いだされている。 この小論では、このような可解系における最近の結果をなるべ く物理的に理解 しやすい形で 紹介する。そのため、代数的な用語法に少