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物性研究

A note on(spin) coherent state path integral

絢也 柴田

Published Sep 1, 1998• 0 citations
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Abstract

物性研究 7 0 -6 ( 1 9 9 8 -9 ) 修士論文 ( 1 9 9 7 年度) An o t eo n( s p i n ) .c o h e r e n t s t a t ep a t hi n t e g r a l 東北大学大学院理学研究科 物理学専攻 柴田 絢也 Ab s t r a c t 時間に関しての連続形式における( s p i n ) c o h e I ・ e n t S t a t e P a t hi n t e g r a l の問題点を詳細に談論する.一貫 して牡散形式で具体的な問題を、 s t a t i o n a r ya c t i o na p p r o x i ma t i o mの方法によって解 くことにより、連 続形式における問題点を解決する。さらにK l a l l d e rの e項に関しての考察により、揺らぎの積分が今ま での連続形式では、間違った答えを導出してしまうことを指摘する。 1 I n t r o d u c t i o n 現在 、経路積分 は様 々-な分野で用 い られている。今後、その傾向は変わ らないであろ う。その理 由 と して は、物理 的 な措像 が直観的 に理解 しやすい点や、新 たな近似計算 の可能性 を内包 してい る とい う点であ る。経路積分 に よって計算 を進めてい く為 に最 も用 い られている手法は、停留位相近似 ( s t a t i o n a l ・ yp h a s e a p p r o x i ma t i o n )と呼 ばれる方法である。量子力学的遷移捌 苗もしくは分配関数 を求める際 に、最 も寄与す る経路 を求め、その まわ りの揺 らぎを積分する方法である.一般に経路積分 として用い られているのは、位 相空 間経路積分 【 1 1 (F e y n ma n 経路積分 [ 2 】) ,コヒー レン ト状態経路積分 【 1 】 【 3 】 ,ス ピンコヒー レン ト経路 積分 【 3 】 【 4 】 【 5 】の 3つ を挙げ ることがで きるだろ う 1 。特 に S CS P Iは凝縮系物理で非常 に多 く用 い られて お り【 6 ト 最近注 目されている メソスコピック ( me s o s c o p i c ) 磁性体 における巨視的量子現象 ( M礼 c r o s c o p i c Qu a nt u mP h e n o me n a )を理論的 に解析す る上で 、欠かせ ない手法である 【 7 】 。 これ らは一般 に良 く用 い ら れる連続形式 で書 くと、次の ように表わ される。 位相空間経路積分 ・ q F r e -i h T ・ q I , -/ psD q D p e x p( uTd t { p ( 棚 , -a( p ( i ) , q ( i , , } )・ ( 1 , コヒ-レン ト状態経路積分 〈 E F , e 一 去 h T r E I , -/ csD e De b p() -H( p ( i ) , q ( i ) ) 〉 ) ・ ( 5 , この ように、連続形式では変数 を連続変数 として扱い、最 も積分 に寄与する経路 を微分方程式 によって 求める。 しか し、( S ) CS P Iに関 して、もともと離散変数 だった変数 を連続変数 として用いる為の指標 は経 路積分 を導出す る際 に存在 しない。 しか し、Kl a u d e rの処方築 【 3 】を用 いるこ とに より、P S P I (F e y n ma n p I)と同様 の議論 を行 うことがで きると、Ⅸl a u d e rは述べているo現在では ( S ) CS P Iに関す る El a ud e rの 論文は様 々な論文 に引用 されてお り、連続形式 における ( S ) CS P Iは、もはや公式化 した感があるo しか し、 連続形式

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東大数理科学研究科 ・ 加藤晃史 1 .I n t r o d u c t i o n Ya ng -Ba x t e r 方程式の発見以来、可解模型の研究はこの方程式の解を構成する事に力点が置 かれ、今では無限に多 くの解 ( -可解模型)が知 られるようになった。ひとたび Ya n g -B a x t e r の解がわかると、f r e ee n e r g yや 1 点関数はあとは比較的定まった方法で求めることができる。 しか し、「 可解」を標模する以上、任意の相関関数まで求まって欲 しいのが人情である。人々 のこの ような願いは長い間 I s i n gmo d e l で しか叶えられなかった。 よく知 られているように、臨界点直上の g a p l e s sの励起は共形場理論によって記述 される。 この理論は可解であ り、任意の相関関数が計算可能であるが、それには ・系が vi r a 8 0 r O(もしくは a 凪n eL i ea l g e b r a)という無限次元の対称性で統制されている。 ・ この対称性は、内部対称性 と外部対称性 ( 時空の対称性)を関係 させる。 •一次元量子論 として見たときの Hi l b e r t空間は、この対称性の無限次元既約表現の有限 個の直和に分解で きる。 という事情が本質的であった。 可解格子模型で も、同様のことを期待 してはいけないのだろうか ?ただ し、可解格子模型 は一般 に g a pを持つので、共形変換 を生成するVi r a B O r O代数は系の対称性ではあ りえない。 一方、量子群が Y a n g -Ba x t e rと密接に関係 していることは、その出自から明かであったので、 対称性の候補 として量子群に注目が集まったのは当然であった。しか し、有限次元の対称性に とどまっている限 り、上のような意味での可解性には役者不足の感は否めなかった。 1 9 9 2年 になって、s p i n1 / 2の反強磁性 x x z スピン鎖に関 しては、U q( 5 1 2 )と呼ばれる無 限次元の a 氏n e型の量子群が まさに欲 しい対称性であることが明 らかにされた.この量子群の作用は無限に長いスピン鎖のときに初めてきちんと定義できるという事情が、これまでなか なか表舞台に登場 しなかった理由の一つであろう。この対称性の発見により、Ha mi l t o n i a nの 対角化、n点相関の計算などが、純粋に表現論の枠内で遂行可能にな り、我々は本当の意味で 可解性 を手 にしたと言える。このような対称性は、現在までにかな り広いクラスの可解格子模 型に対 して兄いだされている。 この小論では、このような可解系における最近の結果をなるべ く物理的に理解 しやすい形で 紹介する。そのため、代数的な用語法に少

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m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.

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物性研究 7 0 -6 ( 1 9 9 8 -9 ) 修士論文 ( 1 9 9 7 年度) An o t eo n( s p i n ) .c o h e r e n t s t a t ep a t hi n t e g r a l 東北大学大学院理学研究科 物理学専攻 柴田 絢也 Ab s t r a c t 時間に関しての連続形式における( s p i n ) c o h e I ・ e n t S t a t e P a t hi n t e g r a l の問題点を詳細に談論する.一貫 して牡散形式で具体的な問題を、 s t a t i o n a r ya c t i o na p p r o x i ma t i o mの方法によって解 くことにより、連 続形式における問題点を解決する。さらにK l a l l d e rの e項に関しての考察により、揺らぎの積分が今ま での連続形式では、間違った答えを導出してしまうことを指摘する。 1 I n t r o d u c t i o n 現在 、経路積分 は様 々-な分野で用 い られている。今後、その傾向は変わ らないであろ う。その理 由 と して は、物理 的 な措像 が直観的 に理解 しやすい点や、新 たな近似計算 の可能性 を内包 してい る とい う点であ る。経路積分 に よって計算 を進めてい く為 に最 も用 い られている手法は、停留位相近似 ( s t a t i o n a l ・ yp h a s e a p p r o x i ma t i o n )と呼 ばれる方法である。量子力学的遷移捌 苗もしくは分配関数 を求める際 に、最 も寄与す る経路 を求め、その まわ りの揺 らぎを積分する方法である.一般に経路積分 として用い られているのは、位 相空 間経路積分 【 1 1 (F e y n ma n 経路積分 [ 2 】) ,コヒー レン ト状態経路積分 【 1 】 【 3 】 ,ス ピンコヒー レン ト経路 積分 【 3 】 【 4 】 【 5 】の 3つ を挙げ ることがで きるだろ う 1 。特 に S CS P Iは凝縮系物理で非常 に多 く用 い られて お り【 6 ト 最近注 目されている メソスコピック ( me s o s c o p i c ) 磁性体 における巨視的量子現象 ( M礼 c r o s c o p i c Qu a nt u mP h e n o me n a )を理論的 に解析す る上で 、欠かせ ない手法である 【 7 】 。 これ らは一般 に良 く用 い ら れる連続形式 で書 くと、次の ように表わ される。 位相空間経路積分 ・ q F r e -i h T ・ q I , -/ psD q D p e x p( uTd t { p ( 棚 , -a( p ( i ) , q ( i , , } )・ ( 1 , コヒ-レン ト状態経路積分 〈 E F , e 一 去 h T r E I , -/ csD e De b p() -H( p ( i ) , q ( i ) ) 〉 ) ・ ( 5 , この ように、連続形式では変数 を連続変数 として扱い、最 も積分 に寄与する経路 を微分方程式 によって 求める。 しか し、( S ) CS P Iに関 して、もともと離散変数 だった変数 を連続変数 として用いる為の指標 は経 路積分 を導出す る際 に存在 しない。 しか し、Kl a u d e rの処方築 【 3 】を用 いるこ とに より、P S P I (F e y n ma n p I)と同様 の議論 を行 うことがで きると、Ⅸl a u d e rは述べているo現在では ( S ) CS P Iに関す る El a ud e rの 論文は様 々な論文 に引用 されてお り、連続形式 における ( S ) CS P Iは、もはや公式化 した感があるo しか し、 連続形式
東大数理科学研究科 ・ 加藤晃史 1 .I n t r o d u c t i o n Ya ng -Ba x t e r 方程式の発見以来、可解模型の研究はこの方程式の解を構成する事に力点が置 かれ、今では無限に多 くの解 ( -可解模型)が知 られるようになった。ひとたび Ya n g -B a x t e r の解がわかると、f r e ee n e r g yや 1 点関数はあとは比較的定まった方法で求めることができる。 しか し、「 可解」を標模する以上、任意の相関関数まで求まって欲 しいのが人情である。人々 のこの ような願いは長い間 I s i n gmo d e l で しか叶えられなかった。 よく知 られているように、臨界点直上の g a p l e s sの励起は共形場理論によって記述 される。 この理論は可解であ り、任意の相関関数が計算可能であるが、それには ・系が vi r a 8 0 r O(もしくは a 凪n eL i ea l g e b r a)という無限次元の対称性で統制されている。 ・ この対称性は、内部対称性 と外部対称性 ( 時空の対称性)を関係 させる。 •一次元量子論 として見たときの Hi l b e r t空間は、この対称性の無限次元既約表現の有限 個の直和に分解で きる。 という事情が本質的であった。 可解格子模型で も、同様のことを期待 してはいけないのだろうか ?ただ し、可解格子模型 は一般 に g a pを持つので、共形変換 を生成するVi r a B O r O代数は系の対称性ではあ りえない。 一方、量子群が Y a n g -Ba x t e rと密接に関係 していることは、その出自から明かであったので、 対称性の候補 として量子群に注目が集まったのは当然であった。しか し、有限次元の対称性に とどまっている限 り、上のような意味での可解性には役者不足の感は否めなかった。 1 9 9 2年 になって、s p i n1 / 2の反強磁性 x x z スピン鎖に関 しては、U q( 5 1 2 )と呼ばれる無 限次元の a 氏n e型の量子群が まさに欲 しい対称性であることが明 らかにされた.この量子群の作用は無限に長いスピン鎖のときに初めてきちんと定義できるという事情が、これまでなか なか表舞台に登場 しなかった理由の一つであろう。この対称性の発見により、Ha mi l t o n i a nの 対角化、n点相関の計算などが、純粋に表現論の枠内で遂行可能にな り、我々は本当の意味で 可解性 を手 にしたと言える。このような対称性は、現在までにかな り広いクラスの可解格子模 型に対 して兄いだされている。 この小論では、このような可解系における最近の結果をなるべ く物理的に理解 しやすい形で 紹介する。そのため、代数的な用語法に少
重 俊 (1 9 8 2年 7月 1 3日受理 ) 講義 ノー ト は じ め に 1 9 71 年 にBa x t e r は 2次元 の 8 -v e r t e xモデルの自由エネルギーを転送行列 の方法で求 めた。 このモデルは特殊 な場合 として I s i n gモデル,d i me rモデル,i c eモデ/ レ ,KDPモデル,Fモ デル等 を含 む一般的 なモデルである。また Ba x t e rはこの転送行列 の固有ベ ク トルが He i s e n b e r g モデルの一般化である 1次元 ⅩYZモデルのハ ミル トニア ンの固有 ベ ク トルになっていること を示 し, これか らその基底 エネルギー を求 めた。 Ba x t e rの論文 は " ama s t e r p i e c eo f1 9 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a la ゎ a l y s i s〝とも言われ ているが,む しろ " ama s t e r p i e c eo f2 0 t h -c e n t u r yma t h e ma t i c a lp h y s i c s〝と言 うべ きで あろ う。P h y s .Re v .L e t t .の論文 3 , 4 ) は勿論, An n .P h y s .の論文 1 , 2 ) も省略 されている部分が多 く, 孤峰 として奪 えたまま登山をす る人は少なかった。 しか し最近量子逆散乱法 が脚光 をあびるに 至 って, 8 -v e r t e xモデルあるいは 1次元 ⅩYZ モデルがその例題 として しば しば誌面 を賑 わ す よ うになった。 Ta k h a d z h a n -F a d d e e vの解説 5 ) を参照に しながら,1 0年前読 もうと思 って途 中でやめた論文 をもう 一度読 もうと思いたった所以 である。今度東京工業大学 において 「 スピン系 の統計力学」 と題す る集 中講義 を行 なったが, 8 -v e r t e xモデルの話 も加 えることとし, これ を機会 にその ノー トをまとめた。 本稿 を草するに当ってE.Ba r o u c h ,和達三樹,および同研究室の方々,広池和夫, 守田徹,鈴 木増雄,宮下精二,小 口武彦 の諸氏6 ・ 7 ) から多 くの御教示を頂いたことを記 して厚 く謝意 を表する。 §1 . 1 6v e r t e x ・ モデル, 8v e r t e xモデル, 6v e r t e xモデル 2次元の正方格子 を考 えて各格子点間 を結ぶ b o n dに上向,下向, または左向,右向,のい づれかの矢 をっ ける。各格子点 とこれに入 る 4本 の b o n dを見 るとこの格子 点 には 1 6個 の状 態がある。 この各状態に el, e2 -・61 6 のエネルギーを割付 けたモデルが 1 6 -v e r t e x モ デ ル である。 この 1 6個の配置 の うち 1つの格子点 に奇数本 の b o n dが入 る状 態 が禁止 され るとす *KATS UR A, S h i g e t o s i 軽 重殴 る と ( e 9 ,e l ° ・ -e 1 6 --) 可能 な状 態 として 8個 の状 態が許 され る。 これが広義 の 8 -v e r t e x モデルである。一つの格子点 に対 して 4つ の b o n dを反転 した もの と, もとの ものの e n e r g y が等 しい とす る。 ( e l -C 2 ,E 3 -e 4 ,e 5 -e 6 ,e 7 -e 8 ) (これ は z e r o f i e l dの条件 である. ) これ が狭義 の 8 -v e r t e xモデル ( Ba x t e rモデル)である。 この内 4本 ともv e r t e x に向 った も の, 4 本 ともv e r t e xか ら出 るものを除 くと ( e 7 -e 8-∞ ) 可態 な状 態 は 6個 となるO これ が 6 -v e r t e xモデルであるoその うちK D Pモデル といわれ るものは T a k a h a s i ,L i e bに よ る強 誘電体 のモデルである* .本稿では狭義 の 8v e r t e xモデル を単 に 8 -V 。 r t 。 Ⅹモデル とい う0 8 -v e r t e xモデルの一つの配置 が与 え られ た とき各格子点 は e l ,e 8 の何れかの状態 をと るo系全体 で e・ のエネル ギー を もつ v e r t e xの数 をNj とすれば系 の状 態和 は ノ 8 zI V m = ∑ e x pト P j S .
m Th e r moF i e l dDy n a m i c s( NE TF D)[ 1 ] -[ 4 】と名付け られ た,非平衡量子系 を扱 う正準理論を紹介する。 これは,散逸量子系 を扱 う一貫 した ( 非平 衡系統計力学でのすべての基本的概念,すなわち,B o l t z ma nn方程式,F o k k e r -P l a n c k方 程式,L a n g e v i n方程式,確率 L i o u v i l l e方程式'で代表 される見方 を,一つの土俵で議論 で きるとい う意味で) , しかも,量子力学や場の量子論で学んだ,自然認識の基本である 演算子代数 と表現空間 とい う二重構造を供えた理論体系である。 NE TF Dの表現空間 ( 熱空間,t h e r ma l s p a c e ,と名付け られた)は,2つの Hi l b e r t 空 間の直積で構成 されている.1つばn o n -t i l d e場,もう 1つは t i l d e場の H i l b e r t 空間で ある.NE TF Dでは,いかなる演算子 A にもその髄伴演算子 ( t i l d e演算子)A が伴 って いる。t i l d e共役,-,は, ( AI A2 ) --AI A2 , ( c I Al + C 2 A2 ) --C ; il + C ; 12 , ( i) --A, ( AI ) --〟 , p h H 一 G i - ー n u p n u 1 2 3 4 l H I U ■ H t L Hi ヨ l H は ■ 川 U で定義 される。ただ し, c l や C 2 は, c数である.S c h r 6 d i n g e r表現では,t i l d e演算子 と n o 凪 -t i l d e 演算子は,互いに可換である : l A, B ] -0 .( b 5 ) 散逸は,直積 H i l b e r t 空間全体での回転,すなわち,t i l d e 演算子 とn o n -t i l d e 演算子 を 交ぜ るような回転 として捕 らえられることが明 らかになった。無限小時間発展演算子の中 の t i l d eとn o n -t i l d e 場が掛っている項が,散逸 ( すなわち,非可逆)現象 を司っているの である。この点は,NE TF Dが建設 されて初めて認識 された 【 1 , 2 】 。 I ' 古典系での確率 L i o u v i l l e 方程式 は,久保 【 5 , 6 】 により初めて導入 された。 I この認識 は, G i b b Sアンサ ンブルを定式化 した熱平衡系 の T F Dl 7 】にはなか った。そこには,散逸は 現れない。この点が, N B T F DとT F Dとの本質的な違いのひとつである。Z u b a r e v が, N E T F Dの方法を 賞賛 し,非平衡量子現象の研究 に用 い始めたことに,ここで言及 させていただきたい 【 8 】 .-3 1 1 研究会報告 B o l t z ma n nは,微視的で可逆 な Ne wt o n力学か ら出発 して, 自然界 の非可逆性 を導出 しようとした.しか し,B o l t z ma n n方程式 を導 く際 に,分子混沌 と呼 ばれる確率操作 を, 知 らず に導入 していたことが判明 したのである ( その辺のか ら くりの簡単 な解説は,【 9 ] を 参照のこと) 。我 々の新 しい方法が見通 しの良い ものである とい う技術的 な面 ばか りでな く,散逸量子場の理論 としてのその二重構造が,B o l t z ma nnの初め措 いた夢 を,何等かの 意味 で実現 させ るのではないか, とい う期待 が湧いて くる.B o l t z ma n nの時代 には, こ の二重構造 は認識 されていなか ったのである。 詳 しい NE TF D の解説 と参考 文献 は 【 4 ]を参照 して頂 くと して,s e m i -f re e時間発展 演算子 ( 量子 F o k k e r -P l a n c k方程式 と,定常的量子 Wi e n e r 過程 に従 う量子確率 L i o u v i l l e 方程式,それぞれに関する もの)が,い くつかの基本的要請の元 に,如何 に して創 られる かを示す.S e mi -f r e e時間発展演算子は,双線形で大域的ゲージ不変性 を満 たす ものであ る。以下,散逸量子系 の正準理論が,前者の時間発展演算子 によって如何 に創 られるかを 紹介 し,量子系確率微分方程式の一貫 した体系が,如何 に して建設 されるか を示す ( 図 2 参照 ) 。そ うす ると,量子散逸系の方程式 に纏 わる次の ような基本的 な疑問が,解決 され ることが見 えて くる ( 量子系 L a n g e v i n方程式 に対す る問題提起 に関 しては,【 1 0 】も参照 の こと) 0 ql .量子散逸系 を扱 う正準理論 ( つ まり,時間発展が正準変換 で誘起 される)は,建 設可能 だろ うか ?考 え もな しに a ( i ) -a e ( i w+A ) i , a I ( i ) -a † e ( t ' U-A ) i ,の ようにエネルギー ・ スペ ク トルに虚数部 を導入するだけでは,同時刻交換関係 は, け っ して保存 されない : l a ( i ) , a I ( i ) ] -l a , a † 一 e 加 t ( 7 ) Q2 ・ 揺動力演算子 は KMS条件 [ 1 1 , 1 2 】を満 たせ ないので,量子系 では白色過程 は許 されない と言われている。 た とえば,L a n g e v i n方程式 孟 a ( i ) -i d a ( i ) 一項 ・佃 ( 8 ) 孟 a ' ( i ) -i wa t ( i ) -n at ( i ) II-T ( i ) , ( 9 ) を考 えてみ よう。ただ し,f C は,摩擦係数である.また,a( i )ta t ( i ) は,それぞれ Hi l b e r t 空間の消滅,生成確率演算子で,i -0に正準交換関係 を満たす もの とする :( 【 a ( i ) , a I ( i ) ] ) -1 .( 1 5 )S c h r 6 d i n g e r 表現でなされるべ きである。それでは,La n g e v i n方程式に現 れる揺動 力の相関 と して,はた して,S c h r 6 d i n g e r表現 と同 じもの を採用 して長いのであろ うか ?q4 .如何 に して,確率過程の表現空間 を建設 した ら良いのであろ うか ?時間発展演算子の一般形 は,本質的 に L i o u v i l l e方程式 孟 p ( i ) --i L p ( i ) , に関る次の性質か ら導 きだ された。 Dl .L i o u v me演算子のエル ミー ト性 : L f =L.
コヒー レン ト 状態 とは, 消滅作用素 αに対 して 可Z ) -z l z ) , Z ∈C , をみたす固有状態 I z )として定義 され, 電磁場の量子状態の一つ として重要である・コヒー レン ト状態の全体 ( I z ) ・ , I ∈C )は直交性 をみた さないが, 過剰完全性 ( o v e r c o mp l e t e n e s s ) を もち, 任意の状態をコヒー レン ト 状態の重ね合わせで表示す ることができる.さらに,コヒー レン ト状態 による単位 の分解公式 : ・ -; / cL z