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窒化ガリウム中の単一希土類元素からの発光観測を目指したイオン注入法および熱処理条件の検討

真一郎 佐藤, 浩 岡田, 真斗 出来, 昭浩 若原, 武 大島, Shinichiro Sato

Published Sep 8, 2017• 0 citations
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Abstract

光子を1個ずつ任意のタイミングで発生させることのできる単一光子源は、量子情報通信や量子コンピューターといった量子エレクトロニクスの実現において不可欠な要素であり、実用化にあたっては、さらに、室温で電気的に(デバイス)駆動できることが重要となる。窒化ガリウム半導体(GaN)中の孤立した希土類元素では、4f殻内で電子の発光遷移が起こり、狭い線幅で高強度の発光を示すことから、デバイス駆動型単一光子源にとって望ましい性質を有しているといえる。しかし、GaN中の単一希土類元素からの発光を観測した例はこれまでになく、まずは単一光子源の実現のために必要となる条件を明らかにする必要がある。そこで今回は、GaN基板の選定、希土類イオン注入とその後の熱処理条件についての検討を行った。本研究はJSPS科研費JP16K17507の助成を受けたものである。

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窒化ガリウム半導体に高温イオン注入したプラセオジム(Pr)の発光観測

真一郎 佐藤, 真斗 出来, 徹 中村 +2 more

窒化ガリウム半導体(GaN)中の孤立したプラセオジム(Pr)は固体量子ビットや単一光子源への応用が期待できることから、単一Prからの単一光子発生の観測に向けた最適条件の探索を進めている。今回はイオン注入したPrの活性化率の向上を図るため、最高1200℃までの高温イオン注入を行ったので、その結果について報告する。また、高速熱処理による結晶性の回復や欠陥クラスターの形成について議論する。

•Mar 12, 2018•0 citations

GaAs中の窒素原子対による単一等電子トラップからの非古典光発生に関する研究

Kengo Takamiya, 健吾 高宮

量子情報技術分野において重要な役割を担う単一光子発生源への応用のために単一量子ドット,GaP中の等電子トラップやダイヤモンド中のNV中心などに対して様々な研究が行われている。GaAs中の窒素原子対による等電子トラップからの発光は、発光線幅が狭いことや、窒素原子対の配列に対応した発光エネルギー値が再現性良く得られることなどから単一光子源への応用が大いに期待されている。しかし、窒素δドープGaAs中の単一等電子トラップによる発光は発光強度が弱いことや、発光ピークが二つに分裂しそれぞれが直交する直線偏光であることなど、単一光子源に不向きな特性も報告されている。そこで本論文では単一光子発生源の実現に向けてGaAs中の窒素原子対による単一等電子トラップからの非古典光(単一光子や量子もつれ光子対)の特性の改善を目的として、窒素δドープGaAs(001)試料、窒素δドープGaAs(110)試料や窒素δドープGaAs/AlGaAs試料中の単一等電子トラップからの発光特性評価を行った。 窒素δドープGaAs、窒素δドープGaAs/AlGaAsヘテロ構造は有機金属気相エピタキシー法を用いて作製した。δドーピングは、Ga源の供給を5秒間止めて成長中断を行っている間にN原子を供給し作製を行った。単一等電子トラップによる発光を観測する為に顕微フォトルミネッセンス測定、発光特性評価を行うために顕微フォトルミネッセンス励起分光測定、時間分解フォトルミネッセンス測定を行った。 窒素δドープGaAs(001)中の単一等電子トラップによる発光の励起強度依存性から発光再結合確率を求めた。等電子トラップの種類によって発光再結合確率1/τが異なることがわかった。GaAs中の等電子トラップによる発光では高エネルギー側の発光ほど発光再結合確率が高い傾向にあることがわかった。 窒素δドープGaAs/AlGaAs中の単一等電子トラップからの発光特性評価を行ったところ、発光ピークが単峰でランダム偏光の発光を得ることができた。また、窒素δドープGaAs中の単一等電子トラップによる発光と比べると等電子トラップへのキャリアの供給効率が約8倍程度向上した。これらの特性はAlGaAs層を用いることにより、窒素混入によって生じる面内歪の異方性を解消し、さらにバンドギャップの大きいAlGaAs層が障壁層となってキャリアの閉じ込め効果が生じることで供給効率を上げることに成功したために得られたと考えられる。 窒素δドープGaAs(110)から同時に観測される二つの発光(X発光、XX発光)に対して励起強度依存性を測定したところ、励起強度の増加に対してX発光は線形に、XX発光は二乗の関係で発光強度が増加した。また二次元マッピングを測定したところX、XX発光それぞれ同じ場所からの局所的な発光で、発光中心が同じであることを確認した。これらの結果からX発光が励起子、XX発光が励起子分子による発光であることがわかった。本論文で初めてGaAs中の単一等電子トラップから励起子分子発光の観測に成功した。さらに、励起子、励起子分子発光に対して偏光特性を調べた結果、量子暗号通信に用いるのに適したランダム偏光であることが観測された。 GaAs中の単一等電子トラップからの発光に対してフォトルミネッセンス励起(PLE)分光測定を行った。励起子分子発光に対するPLEスペクトルではGaAs自由励起子より4meV程度高エネルギー側に2つの鋭い吸収ピークがあることがわかった。また、励起子発光に対するPLEスペクトルでは励起子分子発光で観測された2つの鋭い吸収ピークと同じ位置ではPLEスペクトルが下に凸になることがわかった。これは励起子分子発光が共鳴吸収により増大することでキャリアが励起子分子発光に選択的に寄与してしまい励起子発光が下がったためと考えられる。 窒素δドープGaAs(110)中の単一等電子トラップによる発光の時間分解測定を行った。Z2とラベルされた等電子トラップの発光減衰時間はτ(X)=11 ns、τ(XX)=5 nsであった。2τ(XX)≒τ(X)の関係であったことからこれらの発光が励起子、励起子分子発光であることが確かめられた。励起子分子発光の減衰時間は励起強度を上げると速い減衰時間成分が現れた。これは励起子分子発光がある程度強くなることで誘導放出効果が現れ減衰時間が速まったためと考えられる。また等電子トラップの種類によって減衰時間τが異なることを確認した。 以上のように本研究によって、GaAs中の窒素原子対による単一等電子トラップから励起子分子発光を確認し、量子情報技術の分野で用いる単一光子源応用に向けて重要な知見が得られた。

•Jan 1, 2014•0 citations

超伝導デバイスを用いた光信号波形モニタリング技術の開発(省エネルギーと超高速インターネット-デバイス,省エネルギーと超高速インターネット,一般)

睦夫 日高, Michitaka Maruyama, 義仁 橋本 +6 more

Intelligenza Artificiale•Jan 21, 2009•0 citations

操作の両立不可能性と情報擾乱の関係 (量子システム推定の数理)

Ikko Hamamura

量子論において実現可能な操作には様々な制約がある. 例えば, 量子状態は複製や配送が出来ないという複製(配送)禁止定理や, 物理量の測定によって情報を取得すると擾乱が起こるという情報と擾乱の関係, 位置と運動量のように非可換でシャープな物理量は同時に測定出来ないという一種の不確定性関係はよく知られた操作の制約である. これらの例は, 全て本稿で扱う量子論の両立不可能性の一例である. さらに, 両立不可能性の一例として紹介した情報と擾乱の関係に関して, 状態識別能力が高い測定は擾乱が大きいということを, 操作的に前順序関係を導入して定性的に示すと同時に状態識別能力と擾乱の関係を定量化して得た不等式を紹介する.

•Oct 1, 2017•0 citations

霧箱観測による結果判定の問題点(原典)

masaru morimoto

霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。

•Sep 11, 2026•0 citations

多時間相関関数と2次元分光法

Yoshitaka TANIMURA

実験あっての物理学である。抽象的な議論が先行する場合もあるが、どこかで物に結びつかないと結局、物理とは認められずに忘れられてしまう。物理において実験と理論を照らし合わせる作業は、実験にとっても理論にとってもその正当性を検証する上で重要な作業であるが、現実には実験結果も理論的予想も玉虫色の場合が多く、それは考える程容易な事でない。しかるにこれは、有意と無為の結果の違いが実験的にも理論的にも微小である事に起因すると思われる。結果の白黒をはっきりさせるためには、実験的にも理論的にも、些細な系や状況の違いに反応する観測量を調べる事が肝要であろう。多次元相関関数はそのような物理量であるというのが本詳説の主張するところである。ここではそれを具体的に実験も行われている二次元分光を例として示したい。

•Oct 20, 2001•0 citations
光子を1個ずつ任意のタイミングで発生させることのできる単一光子源は、量子情報通信や量子コンピューターといった量子エレクトロニクスの実現において不可欠な要素であり、実用化にあたっては、さらに、室温で電気的に(デバイス)駆動できることが重要となる。窒化ガリウム半導体(GaN)中の孤立した希土類元素では、4f殻内で電子の発光遷移が起こり、狭い線幅で高強度の発光を示すことから、デバイス駆動型単一光子源にとって望ましい性質を有しているといえる。しかし、GaN中の単一希土類元素からの発光を観測した例はこれまでになく、まずは単一光子源の実現のために必要となる条件を明らかにする必要がある。そこで今回は、GaN基板の選定、希土類イオン注入とその後の熱処理条件についての検討を行った。本研究はJSPS科研費JP16K17507の助成を受けたものである。
窒化ガリウム半導体(GaN)中の孤立したプラセオジム(Pr)は固体量子ビットや単一光子源への応用が期待できることから、単一Prからの単一光子発生の観測に向けた最適条件の探索を進めている。今回はイオン注入したPrの活性化率の向上を図るため、最高1200℃までの高温イオン注入を行ったので、その結果について報告する。また、高速熱処理による結晶性の回復や欠陥クラスターの形成について議論する。
量子情報技術分野において重要な役割を担う単一光子発生源への応用のために単一量子ドット,GaP中の等電子トラップやダイヤモンド中のNV中心などに対して様々な研究が行われている。GaAs中の窒素原子対による等電子トラップからの発光は、発光線幅が狭いことや、窒素原子対の配列に対応した発光エネルギー値が再現性良く得られることなどから単一光子源への応用が大いに期待されている。しかし、窒素δドープGaAs中の単一等電子トラップによる発光は発光強度が弱いことや、発光ピークが二つに分裂しそれぞれが直交する直線偏光であることなど、単一光子源に不向きな特性も報告されている。そこで本論文では単一光子発生源の実現に向けてGaAs中の窒素原子対による単一等電子トラップからの非古典光(単一光子や量子もつれ光子対)の特性の改善を目的として、窒素δドープGaAs(001)試料、窒素δドープGaAs(110)試料や窒素δドープGaAs/AlGaAs試料中の単一等電子トラップからの発光特性評価を行った。 窒素δドープGaAs、窒素δドープGaAs/AlGaAsヘテロ構造は有機金属気相エピタキシー法を用いて作製した。δドーピングは、Ga源の供給を5秒間止めて成長中断を行っている間にN原子を供給し作製を行った。単一等電子トラップによる発光を観測する為に顕微フォトルミネッセンス測定、発光特性評価を行うために顕微フォトルミネッセンス励起分光測定、時間分解フォトルミネッセンス測定を行った。 窒素δドープGaAs(001)中の単一等電子トラップによる発光の励起強度依存性から発光再結合確率を求めた。等電子トラップの種類によって発光再結合確率1/τが異なることがわかった。GaAs中の等電子トラップによる発光では高エネルギー側の発光ほど発光再結合確率が高い傾向にあることがわかった。 窒素δドープGaAs/AlGaAs中の単一等電子トラップからの発光特性評価を行ったところ、発光ピークが単峰でランダム偏光の発光を得ることができた。また、窒素δドープGaAs中の単一等電子トラップによる発光と比べると等電子トラップへのキャリアの供給効率が約8倍程度向上した。これらの特性はAlGaAs層を用いることにより、窒素混入によって生じる面内歪の異方性を解消し、さらにバンドギャップの大きいAlGaAs層が障壁層となってキャリアの閉じ込め効果が生じることで供給効率を上げることに成功したために得られたと考えられる。 窒素δドープGaAs(110)から同時に観測される二つの発光(X発光、XX発光)に対して励起強度依存性を測定したところ、励起強度の増加に対してX発光は線形に、XX発光は二乗の関係で発光強度が増加した。また二次元マッピングを測定したところX、XX発光それぞれ同じ場所からの局所的な発光で、発光中心が同じであることを確認した。これらの結果からX発光が励起子、XX発光が励起子分子による発光であることがわかった。本論文で初めてGaAs中の単一等電子トラップから励起子分子発光の観測に成功した。さらに、励起子、励起子分子発光に対して偏光特性を調べた結果、量子暗号通信に用いるのに適したランダム偏光であることが観測された。 GaAs中の単一等電子トラップからの発光に対してフォトルミネッセンス励起(PLE)分光測定を行った。励起子分子発光に対するPLEスペクトルではGaAs自由励起子より4meV程度高エネルギー側に2つの鋭い吸収ピークがあることがわかった。また、励起子発光に対するPLEスペクトルでは励起子分子発光で観測された2つの鋭い吸収ピークと同じ位置ではPLEスペクトルが下に凸になることがわかった。これは励起子分子発光が共鳴吸収により増大することでキャリアが励起子分子発光に選択的に寄与してしまい励起子発光が下がったためと考えられる。 窒素δドープGaAs(110)中の単一等電子トラップによる発光の時間分解測定を行った。Z2とラベルされた等電子トラップの発光減衰時間はτ(X)=11 ns、τ(XX)=5 nsであった。2τ(XX)≒τ(X)の関係であったことからこれらの発光が励起子、励起子分子発光であることが確かめられた。励起子分子発光の減衰時間は励起強度を上げると速い減衰時間成分が現れた。これは励起子分子発光がある程度強くなることで誘導放出効果が現れ減衰時間が速まったためと考えられる。また等電子トラップの種類によって減衰時間τが異なることを確認した。 以上のように本研究によって、GaAs中の窒素原子対による単一等電子トラップから励起子分子発光を確認し、量子情報技術の分野で用いる単一光子源応用に向けて重要な知見が得られた。
量子論において実現可能な操作には様々な制約がある. 例えば, 量子状態は複製や配送が出来ないという複製(配送)禁止定理や, 物理量の測定によって情報を取得すると擾乱が起こるという情報と擾乱の関係, 位置と運動量のように非可換でシャープな物理量は同時に測定出来ないという一種の不確定性関係はよく知られた操作の制約である. これらの例は, 全て本稿で扱う量子論の両立不可能性の一例である. さらに, 両立不可能性の一例として紹介した情報と擾乱の関係に関して, 状態識別能力が高い測定は擾乱が大きいということを, 操作的に前順序関係を導入して定性的に示すと同時に状態識別能力と擾乱の関係を定量化して得た不等式を紹介する.
霧箱観測は荷電した何らかの物体が媒質をイオン化した際に生じる軌跡を可視化する装置として広く利用されてきた。しかし、霧箱に形成される軌跡が直ちに「粒子の通過」を意味するとする前提には、実験的厳密性の観点から再検討の余地がある。 霧箱はイオン化反応に対して応答する装置であり、反応を引き起こす主体が粒子であるか、あるいは別種の電荷を帯びた波動的・場的影響であるかを区別する機能を持たない。したがって、霧箱に軌跡が観測されたとしても、それを粒子の存在証拠と断定することは論理的に飛躍を含む。 この懐疑を解消するためには、追加実験として電磁波などの非粒子的電荷影響を霧箱に照射し、同様の反応が生じるかを検証することが有効である。本研究は、霧箱観測に基づく結果判定の妥当性について、実験装置の原理に立ち返り再評価する必要性を指摘する。
実験あっての物理学である。抽象的な議論が先行する場合もあるが、どこかで物に結びつかないと結局、物理とは認められずに忘れられてしまう。物理において実験と理論を照らし合わせる作業は、実験にとっても理論にとってもその正当性を検証する上で重要な作業であるが、現実には実験結果も理論的予想も玉虫色の場合が多く、それは考える程容易な事でない。しかるにこれは、有意と無為の結果の違いが実験的にも理論的にも微小である事に起因すると思われる。結果の白黒をはっきりさせるためには、実験的にも理論的にも、些細な系や状況の違いに反応する観測量を調べる事が肝要であろう。多次元相関関数はそのような物理量であるというのが本詳説の主張するところである。ここではそれを具体的に実験も行われている二次元分光を例として示したい。