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半導体四重量子ドットによる多機能二量子ビット操作(第55回物性若手夏の学校(2010年度),講義ノート)

T. Fujisawa

Published Jan 5, 2011• 0 citations
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Abstract

半導体二重量子ドットは、単一電子の電荷状態を二準位とする電荷量子ビットとして機能する。2つの二重量子ドットを静電的に結合した四重量子ドットによって、二量子ビットに関する実験を行うことができる。このような系における一量子ビット操作と二量子ビット操作に関する基本原理と実験例を紹介する。一量子ビット系では、回転操作と位相シフト操作によって、ブロッホ球上の任意の状態を準備することができる。また、二量子ビット系では、ゲート電圧を調整することにより複数の二量子ビット操作が可能になることを示す。片方の二重量子ドット中の一電子がコヒーレントにトンネルすることに起因する一次のトンネル過程や、両方の電子が協調的にトンネルする二次のトンネル過程により、制御回転操作や交換操作などの多機能な二量子ビット操作が可能になる。

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近年、凝縮系物理で注目を集めている強相関電子系について、いくつかの例を取り上げて入門的な講義を行う。まず、強相関電子系における豊富な物理について説明した後、量子揺らぎの最も大きい「1次元電子系」の話題から始める。1次元系の普遍的性質を記述する「朝永ラッティンジャー液体」を臨界現象という観点からながめてみると、多様性の中に潜む「美くしさ」が自然に浮きあがる。カーボンナノチューブや量子細線への応用も紹介する。次に、多体効果の典型例である局所的な電子相関「近藤効果」について概説する。近藤効果は古くから研究されているが、最近でも重い電子系や量子ドット系など、広い分野で精力的に研究が展開されている。いたるところに顔を出す、とびきり重要な概念である。近藤効果には電子相関のエッセンスが凝縮されており、実験の人もぜひマスターしたい必須アイテムである。最後に「モット転移」の話をする。特に、強相関現象の解明には欠かせない動的平均場理論を紹介する。電子相関効果を扱うことは一般に難しいが、「局所的な相関効果を正確に扱おう」というアプローチが動的平均場のエッセンスである。「平均場なのにダイナミクスが扱えるの?」という疑問にも答えたい。

•Jan 5, 2011•0 citations

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「 第4 4 回 物性若手夏の学校」 ( 1 9 9 9 年度 ) 量子 ゆ らぎが大 きな系での量子ダ イナ ミックス と緩和現象 東大・ 工・ 物工 宮下精二 最近 、興味 を持たれているナ ノスケール系での動的現象 を紹介 し、それ らを解析する 量子力学 、統計力学的方法 をいろいろ調べ 、それぞれの特徴 を議論する。また、量子ゆ ら ぎが大 きな系での外場-の応答の新 しい特徴 を考察する。 それぞれの解析 における数値計 算の具体的手法 について も触 れる。 1 I m t r o d u c t i o n 具体的な講義 は以下 に述べ る ような内容 を考 えてい る。( 1 ) 非平衡統計力 学の基礎 ,つ ま り線形応答理論や確率過程 について触 れ,量子 ダイナ ミッ クスが重要な役割 をす る現象 に関する統計力学的手法 をの紹介 を行 う。( 2 ) 量子効果がその緩和現象 に顕著 な役割 をす るナ ノスケール分子磁性の実験 の紹介 をす る。( 3 ) 量子ダイナ ミクスの大 きな特徴である非断熱遷移 によっ て生 じる典型的な現象 とその機構の説明 し,上のナ ノスケール分子磁性 に おける現象の説明 を試みる。 ( 4 ) 周期的変動 をす る外場 の もとでの興味深 い現象 として,系の固有振動や外場の高調波 な どではない非 自明な周期 を 持つ振動現象がある。 それをいわゆるF l o q u e t 演算子の固有状態の として 解析 も紹介す る。 2 非平衡統計力学 オンサーガーの相反定理,揺動散逸定理 な ど線形応答理論の一般論 と久保 公式や森公式の導出。その応用 として,最近我 々が行 っている電子 ス ピン 共鳴 ( E S R ) の直接数値解析の方法 【 1 】 を紹介す る。 また,確率過程 につい てはマルコフ過程 の一般論 とWi e n e r 過程 ( wh i t e -g a u s s i a nn o i s e )によるラ ンジェバ ン方程式, さらにそれ とのフォツカープ ランク方程式の関係等 と の説明 をす る。 熟浴 と接 している量子系の運動 を記述する方法 として量子マスター方程 式 ( 資料参照)と量子 ランジェヴァン方程式 ( 文献 [ 3 】 参照)の方法 を紹介す る。 ここでは mi c r oc a v i t yの中で原子系 と相互作用する光子系の非古典状 態の解析 [ 2

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1995年のアルカリ原子気体によるボース凝縮の成功から現在に至るまで、極低温原子、分子を用いた実験は大きな進展を遂げた。冷却原子の特徴のひとつはその制御性の良さである。弱い相互作用から強い相互作用まで自由に行き来して実験できるのは冷却原子の実験の強みのひとつである。本講義では、現象の「直感的理解」を最優先に掲げて講義を行った。何故、凝縮するのか?長距離秩序はどうやって測るのか?凝縮体を切ったら、叩いたら、回したら、どうなるか?このような疑問に対し、数式と実験の両方から詳しく説明を行った。以下にカバーした内容を列挙する。

•Jan 5, 2011•0 citations

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にある物理に関する新たな知見を得るための強力な実験的手段となるであろう.また,量子物質設計や量子化学 計算などのように潜在的に「量子」の言語で定義された問題を解く上で量子コンピュータが役に立つことは言うま でもなく,今後,機械学習などの一見量子とは関係のない分野においても量子コンピュータがその実現の困難性を 引いても余りあるような貢献をする可能性もある. 一方,情報や計算といった概念は,通常の物理系学部の学生はあまり触れてこなかったと思う.よって,一通り 慣れてしまうまでは,議論の展開が殺伐としていて(それが良いところでもあるのだが)物理とのつながりが感 じにくく思われるかもしれない.最近では,小さいサイズではあるが万能性がある真の量子コンピュータ(IBM quantum experience)がウェブ上で公開されており,誰でも(今のところ)無料で利用することができる.この テキストに書かれていることを自分でサーバー上の量子コンピュータを使って確認してみるのもよいであろう. 今回は,量子デバイスの物理には踏み込む余裕はないが,量子コンピュータの理論は,それを支える量子デバイ スの物理や実験技術の蓄積に支えられている(従来のコンピュータが固体物理学や半導体技術の蓄積によって支 えられているように) .量子コンピュータを実現するためには,超伝導量子ビットに代表されるような量子情報デ バイスの物理をよりよく理解し,それを制御するための技術も重要な鍵となってくる.実験に興味がある意欲的 な学生は,量子情報デバイスの物理にも挑戦してもらいたい. 《講義ノート》 物性研究・電子版 Vol. 6, No. 4, 064217(2017年11月号) * 1 内積とは,線型空間の任意の2つの元 |ψ⟩ と |ϕ⟩ と複素数 (|ψ⟩, |ϕ⟩) ∈ C に対応させたものである. * 2 完備性とは,コーシー列 ∥|ψ⟩n -|ϕ⟩m∥ → 0 が空間の元 |ψ⟩ に収束する ∥|ψ⟩n -

•Nov 1, 2017•0 citations
半導体二重量子ドットは、単一電子の電荷状態を二準位とする電荷量子ビットとして機能する。2つの二重量子ドットを静電的に結合した四重量子ドットによって、二量子ビットに関する実験を行うことができる。このような系における一量子ビット操作と二量子ビット操作に関する基本原理と実験例を紹介する。一量子ビット系では、回転操作と位相シフト操作によって、ブロッホ球上の任意の状態を準備することができる。また、二量子ビット系では、ゲート電圧を調整することにより複数の二量子ビット操作が可能になることを示す。片方の二重量子ドット中の一電子がコヒーレントにトンネルすることに起因する一次のトンネル過程や、両方の電子が協調的にトンネルする二次のトンネル過程により、制御回転操作や交換操作などの多機能な二量子ビット操作が可能になる。
近年、凝縮系物理で注目を集めている強相関電子系について、いくつかの例を取り上げて入門的な講義を行う。まず、強相関電子系における豊富な物理について説明した後、量子揺らぎの最も大きい「1次元電子系」の話題から始める。1次元系の普遍的性質を記述する「朝永ラッティンジャー液体」を臨界現象という観点からながめてみると、多様性の中に潜む「美くしさ」が自然に浮きあがる。カーボンナノチューブや量子細線への応用も紹介する。次に、多体効果の典型例である局所的な電子相関「近藤効果」について概説する。近藤効果は古くから研究されているが、最近でも重い電子系や量子ドット系など、広い分野で精力的に研究が展開されている。いたるところに顔を出す、とびきり重要な概念である。近藤効果には電子相関のエッセンスが凝縮されており、実験の人もぜひマスターしたい必須アイテムである。最後に「モット転移」の話をする。特に、強相関現象の解明には欠かせない動的平均場理論を紹介する。電子相関効果を扱うことは一般に難しいが、「局所的な相関効果を正確に扱おう」というアプローチが動的平均場のエッセンスである。「平均場なのにダイナミクスが扱えるの?」という疑問にも答えたい。
「 第4 4 回 物性若手夏の学校」 ( 1 9 9 9 年度 ) 量子 ゆ らぎが大 きな系での量子ダ イナ ミックス と緩和現象 東大・ 工・ 物工 宮下精二 最近 、興味 を持たれているナ ノスケール系での動的現象 を紹介 し、それ らを解析する 量子力学 、統計力学的方法 をいろいろ調べ 、それぞれの特徴 を議論する。また、量子ゆ ら ぎが大 きな系での外場-の応答の新 しい特徴 を考察する。 それぞれの解析 における数値計 算の具体的手法 について も触 れる。 1 I m t r o d u c t i o n 具体的な講義 は以下 に述べ る ような内容 を考 えてい る。( 1 ) 非平衡統計力 学の基礎 ,つ ま り線形応答理論や確率過程 について触 れ,量子 ダイナ ミッ クスが重要な役割 をす る現象 に関する統計力学的手法 をの紹介 を行 う。( 2 ) 量子効果がその緩和現象 に顕著 な役割 をす るナ ノスケール分子磁性の実験 の紹介 をす る。( 3 ) 量子ダイナ ミクスの大 きな特徴である非断熱遷移 によっ て生 じる典型的な現象 とその機構の説明 し,上のナ ノスケール分子磁性 に おける現象の説明 を試みる。 ( 4 ) 周期的変動 をす る外場 の もとでの興味深 い現象 として,系の固有振動や外場の高調波 な どではない非 自明な周期 を 持つ振動現象がある。 それをいわゆるF l o q u e t 演算子の固有状態の として 解析 も紹介す る。 2 非平衡統計力学 オンサーガーの相反定理,揺動散逸定理 な ど線形応答理論の一般論 と久保 公式や森公式の導出。その応用 として,最近我 々が行 っている電子 ス ピン 共鳴 ( E S R ) の直接数値解析の方法 【 1 】 を紹介す る。 また,確率過程 につい てはマルコフ過程 の一般論 とWi e n e r 過程 ( wh i t e -g a u s s i a nn o i s e )によるラ ンジェバ ン方程式, さらにそれ とのフォツカープ ランク方程式の関係等 と の説明 をす る。 熟浴 と接 している量子系の運動 を記述する方法 として量子マスター方程 式 ( 資料参照)と量子 ランジェヴァン方程式 ( 文献 [ 3 】 参照)の方法 を紹介す る。 ここでは mi c r oc a v i t yの中で原子系 と相互作用する光子系の非古典状 態の解析 [ 2
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にある物理に関する新たな知見を得るための強力な実験的手段となるであろう.また,量子物質設計や量子化学 計算などのように潜在的に「量子」の言語で定義された問題を解く上で量子コンピュータが役に立つことは言うま でもなく,今後,機械学習などの一見量子とは関係のない分野においても量子コンピュータがその実現の困難性を 引いても余りあるような貢献をする可能性もある. 一方,情報や計算といった概念は,通常の物理系学部の学生はあまり触れてこなかったと思う.よって,一通り 慣れてしまうまでは,議論の展開が殺伐としていて(それが良いところでもあるのだが)物理とのつながりが感 じにくく思われるかもしれない.最近では,小さいサイズではあるが万能性がある真の量子コンピュータ(IBM quantum experience)がウェブ上で公開されており,誰でも(今のところ)無料で利用することができる.この テキストに書かれていることを自分でサーバー上の量子コンピュータを使って確認してみるのもよいであろう. 今回は,量子デバイスの物理には踏み込む余裕はないが,量子コンピュータの理論は,それを支える量子デバイ スの物理や実験技術の蓄積に支えられている(従来のコンピュータが固体物理学や半導体技術の蓄積によって支 えられているように) .量子コンピュータを実現するためには,超伝導量子ビットに代表されるような量子情報デ バイスの物理をよりよく理解し,それを制御するための技術も重要な鍵となってくる.実験に興味がある意欲的 な学生は,量子情報デバイスの物理にも挑戦してもらいたい. 《講義ノート》 物性研究・電子版 Vol. 6, No. 4, 064217(2017年11月号) * 1 内積とは,線型空間の任意の2つの元 |ψ⟩ と |ϕ⟩ と複素数 (|ψ⟩, |ϕ⟩) ∈ C に対応させたものである. * 2 完備性とは,コーシー列 ∥|ψ⟩n -|ϕ⟩m∥ → 0 が空間の元 |ψ⟩ に収束する ∥|ψ⟩n -