カオス的動力学の量子相関における役割(ポスター・セッション・プログラム,第3回『非平衡系の統計物理』シンポジウム(その2),研究会報告)
Tanaka, Atsushi
Abstract
量子相関の消滅・生成と系の動力学の定性的な性質との関係を調べる,具体的な状況として分子の非断熱遷移を念頭におき,model系としてspin-kicked rotorを用いる.rotor(の対応する古典系)がregularな領域では量子相関の強い状態は二つの非摂動準位の偶然的な近縮退により生じるが,これは系の非線形parameterの増大により破壊される.一方,rotorがchaos的な領域では,非線形parameterの増大により量子相関が強まることが数値的に示された.これは,chaos的な場合とregularな場合で量子相関を生成する機構が異なることを示唆する.