Beeryの'false'量子化について(基研短期研究会「保存力学系カオスにおける古典論と量子論」,研究会報告)
Hiroshi Hasegawa, Nobuharu Yoshimoto
Gutzwillerトレース和公式の右辺における周期軌道和において、primitive periodic orbit(番号jで区別)の作用量子化条件S_j(E_m)=(2πm-α_j)h m=1,2,… (1)が場合によって根拠のない半古典的量子準位を与えることをBerryが指摘し、例えば長方形ビリアードの場合S_j=hkL_j(L_j:jth ppoのビリアード1周の長さ)から定まる'量子準位'が如何に根拠のないものであるかをトレース和の数値計算結果によって具体的に示した。一般に非可積分系の分離的周期軌道が安定な場合(リアプノフ数=0)、(1)が量子化条件になり得るものであるかどうか、多くの人が肯定的に論じていることもあり、この問題はすっきり解決されていない。磁場中水素原子においては、イオン化端付近に現れる準ランダウ共鳴が頂度この場合に相当している。もし(1)が一般的に根拠のないものであれば、これまで実験・理論両面から間違いのない結果とされてきた準ランダウ共鳴の解釈にも影響を与えかねない。このことに関する考察および数値計算によるテストの試みについて報告する。
•Mar 20, 1993•0 citations